ALL OFF アニメとライブハウスをつなぐ渾身のシングル『リフレインボーイ』を語る(2)
僕らの最近の自慢が「客層がマジでカオス」っていうことなんですよ(so-hey)
――ロックバンドがアニメの曲をやるのは珍しいことではなくなっていますけど、ラウドとかエモシーンのバンドがやるようになったというのは、結構最近のことじゃないですかね。
Yukio そうかもしれないですね。アニメソングもラウドの要素があるものが、実はどんどん出てきているのかも。でも、質感の部分で本当に「ラウドロック」って言えるものはあんまりなかったんじゃないですかね。僕らが鳴らすようなほんとの意味でのヘヴィさって、ギャップもあって新鮮に感じてもらえているのかもしれないです。
so-hey 昔は「ロックバンドがテレビに出るのってダサい」っていうのがあったけど、今はそういうのはないじゃないですか。だからロックバンドがアニメソングをやるっていうことも、今後どんどんそれと同じようになっていくと思います。
――むしろ、今まで抵抗を持つ人たちがいた分、ロックバンドとして面白いことがやれるフィールドがたくさん広がっているのかもしれないですよね。
Yukio まさにおっしゃる通りです。僕らはこの前、恵比寿リキッドルームでアニメのイベントを主催しまして(2016年6月に恵比寿リキッドルームで行われた「アニソン主題歌祭り」。ALL OFFのほか、PENGUIN RESEARCH、Fo'xTails、BACK-ON、SCREEN modeが出演)。『ヘヴィーオブジェクト』のオープニングテーマを2曲やったからこそ実現したイベントですけど、ああいうことができるバンドって、なかなかいないんじゃないですかね。それはすごく可能性があることですよ。今までアニメソングを聴いてきたお客さんに「こういう音楽もあり!」って思ってもらえる架け橋的な場になったと感じてます。
so-hey アニメが好きなお客さんってノリがすごいんですよ。ある意味、ロックのお客さんよりもロックなノリ方をしてくれるので、「こいつらマジ、可能性無限だわ」って思いました(笑)。あれは半端ないです。ロックキッズは負けてる場合じゃない。
Yukio しかも、めちゃめちゃマナーも良くて。「みんなで楽しもう!」っていう心がすごく伝わってきました。
so-hey 僕らの最近の自慢が「客層がマジでカオス」っていうことなんですよ(笑)。最前から真ん中ら辺まではロックキッズが暴れてて、その後ろ側でアニメファンが大暴れしてて、そのさらに後ろで大人が首振ってます。これをさらにデカくしていったら、超面白いことになるでしょうね。僕らのお客さんの間では、すでに垣根はなくなってます。こうなったのも、やはりアニメの曲をやらせて頂いたからで。リキッドでのイベントが予想以上に良かったので、今後の自信にもなりました。
Yukio アニメの音楽に携わっている人たちってスタジオミュージシャンが多いから、演奏のレベルも高いんですよね。そういう点でも刺激を受けました。
so-hey だからうかうかしていられないです。ライブも、作る曲も、自分たちの技術面に関しても。何にせよ自分たちの発信力が問われるところに踏み込んだんだと思います。ダサいバンドは、どんなシーンに行っても、何をやってもダサい。「俺らがかっこよくするからついて来い!」くらいの心意気が大事かなと、すごく思ってます。
周りはどう見ているか分からないですけど、かっこいいところに着地しますので。信じてついてきてもらえると嬉しいです(so-hey)
――アニソンシーンのど真ん中にいるクリエイターでは作れない音楽を作れる可能性を、ロックバンド畑のみなさんは持っているとも言えるのでは?
so-hey そうですね。ロックの持ってる粗さ、ラフさみたいなものをアニメの音楽の世界に持ち込んでやろうという気持ちもあります。そして、「アニソン主題歌祭り」もまたやりたいですね。ゆくゆくはすごく大きくして、ロックシーンのバンドもアニメシーンのバンドも「出たい!」と言うようなものにしたいです。
――もしかしたら今後、ロックバンドのライブのようにアニソンのイベントでもウォールオブデスやモッシュが定番化する可能性もあるんですかね?
so-hey 全然あり得ると思います(笑)。そうなった時は、「垣根を取っ払う」っていう僕らが掲げている目標のひとつが実現する瞬間でしょうね。
――こうやってお話をいろいろするとALL OFFってすごく柔軟な思考のバンドだと感じますけど、昔からそうでしたか?
so-hey いや。昔はむしろガチガチに頭が固かったです。「2ビートなんてガキっぽくてやりたくない」とか思ってましたから(笑)。そういう時期があったからこそ、柔軟であることの大事さが分かるようになったんだと思います。
Yukio でも、こうしてアニメの曲をやらせて頂くようになったのは最近ですけど、トリビュートアルバムとかで物語を踏まえて曲を作るというのはやったことがあったんです。その頃も「こういう作り方って面白いな」って思っていたんですよ。自分たちだけでは入ってこないインプットを踏まえて、どう自分たちらしく落とし込むか? そういうのが好きなところは、前からあったのかもしれないです。
――バンドって「こんな人たちみたいになりたい」っていう憧れから始まることが多いですけど、ALL OFFは「自分たちならではの新しくて面白いことをやりたい」っていう時期に入っているみたいですね。
so-hey そうだと思います。楽しいですよ。やっぱり、全てを投げ出して音楽をやってきたので、今、いろいろやれるのがありがたいです。
――次の一歩に関して何か考えていることはありますか?
so-hey シングルを3枚出したので、そろそろフルアルバムを出したいなと思っています。
Yukio いろんな要素を採り入れていきたいですね。まだ漠然としたイメージですけど、凝り固まることなく、総合的に面白いアルバムにしたいなあと。
――ラウドミュージックというしっかりした下地を持ちつつ、面白いトッピングを提示するような感覚?
so-hey そうです。ラーメンとしてしっかりしながら、うまいトッピングを考えるような感じ(笑)。「この質感、新しい」みたいな音を届けられたらなあということを思ってます。周りはどう見ているか分からないですけど、自分たちは何をやってるかちゃんと把握しながら覚悟を持って活動しているんです。かっこいいところに着地しますので、信じてついてきてもらえると嬉しいです。
ミュージックビデオ
リリース情報
『リフレインボーイ』
2016年8月31日(水)
アーティスト盤(CD only)/ ¥1,200+税
収録内容:
1.リフレインボーイ ※テレビアニメ『モブサイコ100』EDテーマ
2.21
3.Light Up The Sky
4.リフレインボーイ -Instrumental-
アニメ盤(CD+DVD)/ ¥1,800+税
収録内容:
1.リフレインボーイ ※テレビアニメ『モブサイコ100』EDテーマ
2.リフレインボーイ -English ver.-
3.リフレインボーイ -TV size-
4.リフレインボーイ -TEKINA remix-
5.リフレインボーイ -Instrumental-
DVD:
TVアニメ『モブサイコ100』ノンテロップエンディング映像
ライブ情報
「ALL OFF presents - NEW HORIZON TOUR」
2016年10月1日(土) 広島SECOND CRUTCH
2016年10月2日(日) 福岡graf
2016年10月22日(土) 水戸LIGHT HOUSE
2016年10月23日(日) 仙台HooK
2016年11月19日(土) 伊那GRAMHOUSE
2016年11月20日(日) 千葉LOOK
2016年11月26日(土) MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
2016年11月27日(日) LIVE rise SHUNAN
2016年12月1日(木) 名古屋3STAR IMAIKE
2016年12月2日(金) 心斎橋VARON
2016年12月7日(水) 渋谷clubasia
提供:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテインメント
企画・制作:RO69編集部