主催コンピレーション 『あっ、良い音楽ここにあります。』 最新作リリース! メンバー全員で振り返るコンピ、フェス、そしてバンドの歩み
グッドモーニングアメリカが主催するコンピレーションCDシリーズの最新作『あっ、良い音楽ここにあります。その四』がリリースされた。メンバー自身がグッときたバンドに声をかけ、音源を提供してもらって生まれるこのアルバムも4作目。「開いていく、届けていく」をモットーに活動を続けていくグドモにとって、このシリーズはそのモットーを体現する重要なプロジェクトである。
もはや「グドモのライフワーク」といっても過言ではない本シリーズと、並行して続けてきた主催フェス「あっ、良いライブここにあります。」(今年も東名阪で開催決定!)の歴史を振り返りつつ、自ら渦を起こし、流れを作り、その波に乗って走り続けるグッドモーニングアメリカの姿に迫った。
(インタヴュー・撮影=小川智宏)
『あっ、良い音楽ここにあります。』 (2010年8月17日リリース) 自分たちの音楽を届けるためにって考えて、 このオムニバスに至ったんです
- 01. 空ばかり見ていた / グッドモーニングアメリカ
- 02. トーリ / ammoflight
- 03. シシカバブ / 夕暮レトロニカ
- 04. 泣き星 / LISTEN UP
- 05. SHe / Liaroid Cinema
- 06. ヒドランジア / CHERRY NADE 169
- 07. Freedamnit / With A Splash
- 08. vision / folca
- 09. オーケストラ / eleki
- 10. 未来 / ircle
- 11. 数センチ 右足を / DAdDY WALK AROUND
- 12. 言葉について / NEWLIFE
- 13. ハロウハロウ / センチメンタルボーイズ
- 14. AX / Rigby
- 15. カラス / 新世界リチウム
- 16. LAST SONG / SHENKY GUNS
- 17. 手のひら / Synchronized door
- 18. Give and take / KIDS
- 19. World of mine / JANGA69
- 20. あかりが灯る / TOY
──今年も『あっ、良い音楽ここにあります。』というコンピレーションアルバムがリリースされます。
たなしん(B・Cho)「毎回みんな良い曲を出してくれていて。ほんとに『あっ、良い音楽ここにあります。』と豪語してるとおりの良い音楽が今回も見事に集まって、やっぱバンドってみんなかっこいい音楽やってんだなっていうのをあらためて実感できた、そんなコンピになりましたね」
金廣真悟(Vo・G)「僕たちがこういうところで紹介する必要もないような、ほんとに実力あるようなバンドばっかりだなってすごい思って。それでも、なんていうんですかね、まあ埋もれてくっちゃ埋もれてく時代だなっていうのはほんとに思いますし、これをきっかけに、僕たちのことを知ってる人たちが知らないバンドを知るきっかけになったりしたらいいし、新しいきっかけ、拡がるきっかけになったらいいなっていうのは思いましたね」
渡邊幸一(G・Cho)「このオムニバスのずっと掲げているテーマとして『きっかけを作る』ということをずっと言っていて、今回に関しては特にこう、僕らも対バンしたことがないバンドも参加してて、ほんとにバンド同士のきっかけとか、バンドとお客さんのきっかけとか、ほんとにいろんなきっかけになるような一枚になるんじゃないかなあと」
──このコンピって、どういうふうに作っていくんですか?
渡邊「まずどんなバンドを誘いたいかっていうのをメンバーで話して、それでこう、このバンドがいいね、あのバンドがいいね、じゃあこれで声かけようか、みたいな感じで……もちろん連絡先知らないバンドもいるんで、なんとかホームページからコンタクトしてとか、共通の(知り合いの)バンドマンに紹介してもらってとかで連絡を取って」
──バンド主体でこういうコンピレーションアルバムを作るっていうのは、どう考えても大変じゃないですか?
たなしん「もちろん手間はかかりますよね、単純に」
渡邊「でもまあ、僕らの一番はじめのきっかけっていうのも、このオムニバスだったので。やりがいがあるのもわかってるんでがんばれるのかもしれないです」
──ここから、最初のコンピから振り返っていきたいなと思うんですけど、第1弾が出たのが2010年の夏ですね。グドモは“空ばかり見ていた”を収録してるわけですけれども、この当時ってどういう状況でした?
渡邊「ファーストミニアルバム『空ばかり見ていた』っていう作品をリリースする前にまずこれを出したんですけど。今のメンバーで初の全国流通作品をレコーディングし終えて、気持ちとしてはすぐ出したい、すぐ聴いてほしいっていうのがまず一番にあったんですよね。でもやっぱりこう、もう無名もいいところの僕らがポッとCDを出しても、聴いてもらえずにすぐ流されちゃうんじゃないかなっていうのがあって。その前に何かきっかけを作りたい、だから自分たちの音楽を届ける為にっていうのを考えて、このオムニバスに至ったっていう経緯がありますね」
──そもそも、どこからこういうアイデアが立ち上がったんですか?
渡邊「そもそもは、一度僕とレーベルのボスがCD出したいって話をしていたときに、そういうアイデアいいんじゃないの?みたいな話になって。もともと僕らも前身のバンドの頃にメロディック・パンクのオムニバスとかに参加していたし、オムニバスっていうものに対しては親近感もあって。そういうのをギターロックっていう枠でやってるバンドもいないなと思ったので、ちょっとおもしろいんじゃないか?っていうことで」
──そういう企画が持ち上がってきたときに、金廣さんはどう感じました?
金廣「僕も、CD出しても知ってくれてないだろうっていうのもありましたけど、どちらかというとまわりの人たちとシーンを作っていきたいっていう気持ちがあったんですよね。やっぱりメロコアからこういう界隈に入ってきたばっかりのときに、なんていうんですかね、まあ単純に打ち上げつまんないなって思ったりとか、そういうことが多かったので……でもその中でも志とか、そういう、同じひとつの楽しいことを一緒に楽しいって思えるような仲間が、そのときにはまわりにいて、みんなくすぶってたりしてたから、じゃあやってみたいなっていう。自分たちがこうしたいからこうするっていうふうに始めたわけですけど、それに共感する仲間たちがいてくれて成立したんだと思います」
──グッドモーニングアメリカとしてスタートを切った時期に、疎外感とか孤独感みたいなものを感じていたということ?
渡邊「まず第一に、僕ら自体に知り合いがいなかった。当時、こっちのシーンに来たときに。だから、そういうなんか楽しいことがしたいなっていうのはあったのかもしれない。だからすごいおもしろかったです。今振り返っても、その当時まわりにいたバンドがすごい入ってるし、懐かしい気持ちになりますね」
たなしん「このV.A.を作って2日間O-Crestでイベントやったんですけど、それでやっぱ仲良くなったりとかもすごくして。今でもすごい親交あるバンドが多いなって思います。自分ら以外のバンド同士も、これをきっかけに仲良くなったみたいな感じもあるんじゃないかな?ってちょっと思ったりしてて。なんかひとつの、輪っかみたいなのが作れたんじゃないかな」
──V.A.を作って、それをレコ発としてライヴにしていくかたちっていうのは、もう当時からイメージしていたんですか? もちろんCDはCDとしてあるんだけれども、ライヴの現場に落とし込んでいく、みたいな。今、それがフェスってかたちになってるわけですけど。
渡邊「そうですね。やっぱライヴってお客さん同士でつながるきっかけにもなると思うんですよ。CDとお客さんだけじゃなくて、僕らのライヴもそうだし、参加してくれたバンドのライヴも観てほしいなっていうのがあったので」
──ペギさんは、当時のことって何か覚えてますか?
ペギ(Dr・Cho)「当時……俺たぶんこの企画に反対でした」
渡邊「ははは(笑)」
──そうなんですか?
ペギ「すごい反対して。単独作品を出すのはもう決まってたし、そっち側にこの労力を持ってったほうがいいんじゃないかな?みたいな話をしたのは覚えてます。結構ほんとに、なんでこんなことやるんだろうと俺は思ってました」
──それはどういうふうにして説得されていったんですか?
ペギ「反対したのはたぶん俺だけだったんですよね。あ、田中さん(たなしん)もしてたんでしたっけ?」
たなしん「俺、最初してたね、売れねえよって、単純に」
ペギ「でも、今パッて出しても、聴いてくれるかどうかわからない状況っていうのはもちろんわかってたので……そこはやっぱわかってたけど、なんか、その、いけるって思ってて、そういうところで押し切ろうとしてたんです。でもやっぱ、第三者的に考えたら『おまえの今の考えじゃ通用せんよ』って自分でも思うなと思って、なんかまあ、やるほうに流されてったっていう」
渡邊「(笑)」
──流されていった(笑)。
ペギ「もちろん、今はやってよかったってめちゃめちゃ思ってますけどね。これをきっかけに仲良くなった人もいっぱいいますし、そういった意味じゃ本当に、なんで反対したんだろうな?って……」
全員「(笑)」
『あっ、良い音楽ここにあります。その弐』 (2011年12月7日リリース) バンド誘ってイベントもできたらなあ、 みたいなのは、たぶんずっとあった
- 01. カラツ風ガ吹キツケル / グッドモーニングアメリカ
- 02. Breed & Hands / SAY MY NAME.
- 03. STARRY NIGHT / chaqq
- 04. ハローグッバイ / No Regret Life
- 05. レシピ / A(c)
- 06. サアカズム / DOOKIE FESTA
- 07. そんな世界になればいい / ラックライフ
- 08. フルール / ソライアオ
- 09. ATLAS / カグライフ
- 10. ミ・ラ・イ・ノ・オ・ト / アルカラ
- 11. Full-Tenn / Liaroid Cinema
- 12. 2010 / ircle
- 13. サンダソニア / 放ツ願い
- 14. さよならの前に / EDDY
- 15. 裏切りe.t (2005) / ghostnote
- 16. スパーキングウェンズデイ / butterfly inthe stomach
- 17. 未来 / banbi
- 18. ランプ / Synchronized door
- 19. 花火 / plane
──そして、翌年早くも第2弾が出るわけですけども。12月ですね、2011年の。このときは全国流通盤も出して、ツアーもやって、いろんな状況が変わり始めていった時期だと思うんですけれども。
渡邊「そうですね。どの時点で第2弾の話が始まったのか、ちょっと正確には覚えてないんですけど」
たなしん「2010年の8月に第1弾が出て、10月に『空ばかり見ていた』が出て、その後ツアーまわったりとか……それで新たに出会ったバンドがたくさん増えて。そういうバンド誘ってイベントもできたらな、みたいなのは、たぶんずっとあったと思います。そのへんから、ライヴ観たりとか対バンしたりとかしたら積極的に声かけていこうっていうのは意識的にしてたかなっていうのは思います。俺が結構幸一に『このバンドと仲良くなろうよ』とかって言ったりとかあったよね」
渡邊「うん」
たなしん「それで、自分たちのワンマンとかもやって、なんかタイミング的に、ちょっとじゃあやってみる?っていう話になったんだと思います」
──第1弾で反対していたペギさんは、第2弾やるってなったとき、どう感じました?
ペギ「あんまり覚えてはないですけど、第1弾で、その後、自分らも出せて、これをきっかけにうまくいってるのを実感しだして。まず続けることが大切っていうのは、何事にも思うので、第2弾ってやるってなったら、もうこの時点で大賛成でした」
全員「(笑)」
渡邊「『やろうやろう』で」
──なるほどね。金廣さんは当時、この2011年の冬の頃のことは覚えていますか?
金廣「今すごい思い出そうとしてるんですけど……これはどの時期なんだろうな?」
たなしん「これはあれですね、ワンマン」
渡邊「代官山UNIT ワンマンが終わった後だね」
金廣「『ウォールペーパーミュージックじゃ踊りたくないぜ』の後ってこと?」
たなしん「そうだね。その後……2月に良いFES1回目、(渋谷)O-EASTであるんだよね。2012年の2月にEASTだったから、そこがまあ結構チャレンジだったんだよね、すごく」
金廣「ああ、だからたぶん、ライヴ活動、バンド活動を通して、仲良くなった人もありつつ、そっから広がった、ほんとプライベートで飲みに行くような友だちで、で、なおかつすごい尊敬できたりとか、一緒にアコーステックライヴまわらせてもらったりとか、そういうのをするようになった年だと思う。今でもすごい、よく飲む人たちがいっぱいいるなっていうV.A.ですね、2枚目は特に」
たなしん「濃いよね」
──今、お話にも出ましたけど、これを出して、翌年の2月には、『あっ、良いライブここにあります。』が開催されて。
渡邊「初開催でしたね、あれ」
──おもしろいのが、コンピのレコ発はレコ発で別にあって、それとは別にイベントを立ち上げるっていう。これは別物として考えてたんですか?
渡邊「どうだったっけかな」
たなしん「別物としてだよね。なぜなら、そのフェスに、このコンピのバンドは全部出てないんですよ。結局、全部出ないとコンピのイベントという形でまったく一緒にはできないっていうので」
──2012年から2013年にかけては、こうやってイベントもやり、バンドに対する、認知度とか注目度もどんどん高まっていくという時期ですよね。たぶん、その中でこのコンピやフェスをやることの意味合いもちょっとずつ変わっていったのかな?って思うんですけど。最初はそれこそ、届けるためにみんなで一緒になって闘おうぜっていうモチベーションが当然あったと思うんですけれども、それからどんどん、まだ知られてないバンドを紹介していくみたいな役割も帯びてくることになったのかなって。
渡邊「でも、やり始めた頃から、きっかけを作りたいっていうコンセプトはブレずにやってるつもりですね。俺らが中心となってみんなフックアップするからっていうのはメインでは全然なくて……もちろん、第3弾ぐらいになったときから、たとえばじゃあ、O-Crestでライヴやり始めたバンドですごいいいバンドがいるって紹介してもらってライヴ観に行って、ほんとにいいライヴしてていいバンドだから入れてあげたいなっていう気持ちはもちろんあったんですけど」






