JAPAN'S NEXT vol.5 宇宙まお/GOOD ON THE REEL/tricot/WHITE ASH/LAMP IN TERREN

新世代のアーティスト、新世代のオーディエンスとともに新たな時代とシーンを築き上げていくROCKIN'ON JAPAN発のプロジェクト「ジャパネク」、ライヴイベントもおかげさまで第5弾! 11月30日、渋谷TSUTAYA O-WESTに集合したのは宇宙まお、GOOD ON THE REEL、tricot、WHITE ASH、LAMP IN TERRENの5組。それぞれの個性が花開いた1日、その詳細を伝えるライヴレポート、そしてオフショットから会場の様子までを捉えたフォトギャラリー(あなたが写っているかも!)で、そのすべてをお伝えする。

新しい世代を担うアーティストにスポットを当てた、ロッキング・オン・ジャパンの企画「JAPAN’S NEXT」。誌面記事とコンピレーションCD、そしてライヴイベントと多角的・立体的な展開で進められ、2014年に入ってスタートしたライヴイベントは今回で5回目の開催を数える。常連さんも初めての参加者も詰めかけたO-WESTのフロアを前に、ロッキング・オン・ジャパン編集部・小川智宏が「JAPAN’S NEXT」の趣旨を説明しつつ感謝の言葉を伝えると、今回の出演アーティスト5組を紹介して、いよいよパフォーマンスがスタートだ。

LAMP IN TERREN

今回のトップ・バッターは、2015年1月14日にアルバム『silver lining』でメジャー・デビューを果たす、長崎県出身のLAMP IN TERRENである。彼らは昨年末、アマチュア・アーティスト・コンテスト「RO69JACK 13/14」と、オーディション「MASH FIGHT Vol.2」で共にグランプリを獲得した3ピース・バンドだ。オープニング曲“portrait”は、松本大(Vo・G)の落ち着いた歌い出しから急転直下、川口大喜(Dr)のビートが弾け、中原健仁(B)はオーディエンスのクラップを誘って勢い良く転がり出す。「こんばんはLAMP IN TERRENです! JAPAN’S NEXT vol.5、はじめるぜー!!」と、今度はRO69JACK優勝時の応募曲でもある“ランデヴー”が、フロアに歌メロを預けてしまう堂々のパフォーマンスで届けられた。更に、松本は汗の雫を光らせながら激情の男気ヴォーカルで“Sleep Heroism”を歌い上げると、ここ1年のバンド生活の状況変化を語りつつ感謝の言葉を投げ掛け、また来る「COUNTDOWN JAPAN 14/15」が、不満の残る前回出演時のリベンジだと意気込みを伝えて、新作『silver lining』から“緑閃光”を叩き付ける。静と動のダイナミックなコントラストで、観る者を釘付けにする迫力ライヴであった。

  • 01. portrait
  • 02. ランデヴー
  • 03. Sleep Heroism
  • 04. 緑閃光

宇宙まお

続いては、「JAPAN’S NEXT vol.2」以来2度目の出演となる宇宙まお。満面の笑顔を浮かべながら元気いっぱいの挨拶を投げ掛け、5ピースのバンド編成でユニークな歌謡メロディの“穴だらけ”へと向かう。引き締まった、頑強なロック・アンサンブルがすこぶるカッコいい。そんなバンド・サウンドと競り合うように、抜けの良い歌声で小気味良い歌詞のフックをほとばしらせる“つま先”や、アコギを抱えて「大切な人との時間を思い浮かべながら、聴いて貰えたらと思います」とハートウォーミングな新曲“おいしいごはん”を届ける。ポップな音楽を通して、日常の中の小宇宙が眼前に描き出されるようだ。そして、明るいファンキー・ポップ・チューン“かわいい人”が「ワオワオワ!」とユニークなコーラスを誘い、はたまたタンバリンを手にステージの縁まで身を乗り出すと、オーディエンスを左右二組に分けて声量を競わせる“あの子がすき”など、独創的なソングライティングを活かしたエンタテインメントが爆発。「今日は皆さんの素敵な歌声も聴けたし、皆さんに会えてサイコーです!」と、最後にはバンド・メンバーが立ち去ったステージで一人ギターを爪弾き、物思いに耽る時間を描き出す新曲“百年の夢”を披露して、今回のステージを締め括るのだった。

  • 01. 穴だらけ
  • 02. つま先
  • 03. おいしいごはん
  • 04. かわいい人
  • 05. あの子がすき
  • 06. 百年の夢(弾き語り)

tricot

さて3組目にはtricot。サポート・ドラマーに山口美代子(DETROITSEVENなど)を迎えた女子4ピース編成だ。中嶋イッキュウ(Vo・G)が囁くように挨拶するのも束の間、“POOL”を皮切りに4人の激烈ロック・サウンドが立ち上がる。フロアを睨め付けるようにしながら、緊迫感を伝える中嶋の歌声。そして激しく髪を振り乱しながら驚異的なフレーズを次々にぶっ放すキダ モティフォ(G・Cho)と、小さな体躯に似つかわしくないパワフルなベース・ラインを繰り出しつつ楽しそうにステップするヒロミ・ヒロヒロ(B・Cho)。変態的アンサンブルのギリギリのところで、「キャッチー」を掴み取ってゆく。冒険的なハーモニー・ワークや、個々の見せ場もきっちり決める“Break”を披露すると、キダは「みなさん、ジャパンをネクストしていますか? tricotのネクストが楽しみですか? 次のバンドが」と笑いを誘うのだが、直後の新曲“庭”がヤバ過ぎた。高速で絡み合いながらトリッキーさも引っ括めて走るキラー・チューンだ。「いつまでも、tricotのネクストをよろしくお願いします。かかってこいやーっ!!」と傾れ込む“99.974℃”から“MATSURI”へと繋ぎ、仰向けにひっくり返ってフィニッシュしたキダは、「またネクストで会いましょうー!」と告げて、ギターを引き摺りながら去っていった。惚れ惚れするほどかっこいい。

  • 01. POOL
  • 02. おもてなし
  • 03. Break
  • 04. 庭
  • 05. 99.974℃
  • 06. MATSURI

GOOD ON THE REEL

8分の6拍子で優しく立ち上がる“202”のイントロの中、あたかも指揮者かバレエ・ダンサーの如く優雅に腕で宙を切り「はじめまして、GOOD ON THE REELと申します。よろしくお願いします」と挨拶する千野隆尋(Vo)。もし、あなたが最近、心の底から歌に感動する機会を得られていないのならば、一度GOOD ON THE REELの、千野隆尋の歌に触れるべきだ。美しく鮮明に響きながら、ときに聴く者の胸を抉るような表現へと到達する歌声。彼のパフォーマンスを目の当たりにすると、彼が歌詞世界と音楽に没入するほど、そのヴォーカルの凄味を引き出すシンガーであることが分かる。つまり、千野が没入する音楽を奏でているバンドのメカニズムそのものもまた、極めて優れているわけだ。力強く舞い上がる“素晴らしき今日の始まり”を披露すると、千野は白い吐息がふっと消える今の季節に触れながら「消えてしまうから、音や言葉や気持ちも尊いと思うんです。受け止めて欲しいと思います」と語り、自らの側頭部や胸を強く叩きながら熱唱する“コワシテ”へと繋げていった。MCでは変わらず穏やかな語り口で新作『6番線の箱舟』リリース(12/10)と年明けのツアーを告知し、最後は夢見心地なリフレインとメッセージが交錯する名曲“ハッピーエンド”。限られた時間の中で、触れる者すべてを表現世界に引き込むようなステージだった。

  • 01. 202
  • 02. 素晴らしき今日の始まり
  • 03. コワシテ
  • 04. 迷走
  • 05. ハッピーエンド

WHITE ASH

さあ、今回のトリ出演を果たすのはWHITE ASHである。物悲しいイントロを経て焦げ付くような4ピース・サウンドを振り撒き、のび太(Vo・G)がファルセットを絡めながら歌う“Casablanca”。そして“Crowds”以降は、次々にこれまでのシングル曲を繰り出してゆく。“Paranoia”では、ハットをふたつ重ねにした山さん(G)にギターを任せ、ハンド・マイクでソリッドな楽曲を乗りこなすのび太。かっこいいロックのキモだけを見せてゆくような即効性と高性能ぶりはさすがだ。オーディエンスに名前を呼ばれると「はいっ」と返事する身近さもいつも通りで、「たかしじゃない! 僕が飼ってる猫の名前がたかしなんです。呼んじゃダメ!」とやりあったりしている。初めてワンマンを行ったO-WESTについて「懐かしいね」と言葉を交わすと、12/10にリリースされるMVベスト作品『The Best Nightmare For Xmas』収録の新曲“Xmas Party Rock Anthem”で「パーティしましょう!」と呼び掛ける。“Xmas Present For My Sweetheart”が「クリスマスのための」甘く優しいナンバーなら、新曲はタイトルどおりに「クリスマスを口実にした」粋なパーティ・ロックという感じでおもしろい。そして後半戦もオーディエンスの合の手を巻き起こしながら加熱し、本編は「皆さんとJAPAN’S NEXTの未来に希望がありますように!」と、“Hopes Bright”で締め括られるのだった。

アンコールに応えると、COUNTDOWN JAPAN 14/15出演について「RO69JACKから出たバンドで、GALAXY STAGEに立つバンドは初めてらしいです」と告げて拍手喝采を浴び、剛(Dr)も笑顔でビートを刻みながらの“Stranger”でフィニッシュ。

  • 01. Casablanca
  • 02. Crowds
  • 03. Paranoia
  • 04. Xmas Party Rock Anthem
  • 05. Kiddie
  • 06. Jails
  • 07. Hopes Bright
  • (encore)
  • 08. Stranger

最後には来場者の記念撮影も行われ、出演者5組それぞれの個性が際立ちながら熱を帯びる一夜となった。今回の出演者はすべて、COUNTDOWN JAPAN 14/15に出演を予定している。また、12/29には「JAPAN’S NEXT」の最新コンピレーションCDを同梱した『ロッキング・オン・ジャパン』が発売され、2015年に入ってからはライヴイベントのほうもペースを上げて開催されるということなので、引き続き注目していただきたい。(小池宏和)

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