今好きでいてくれる奴らに「おまえら、間違ってねーんだよ」みたいなことを示すには、売れて広げていくしかないかなと思ってて。だからできたのかな(賢司)
―― だから、今回目指している「ポップ」というのはすごく実体があるものなんだよね。前作なりライヴなりで得た実感が下敷きになっているから。
賢司 去年ワンマンツアーをやって、今年もやって、『一斉射撃』っていうツアーをDroogとビレッジマンズストアとやったりとかして、俺らを見に来てくれる奴らを信頼できるようになって。だから何やってもいいかなというか、そういう思いで作れたし。あと、今好きでいてくれる奴らに「おまえら間違ってねえんだよ」みたいなことを示すには、売れて広げていくしかないと思ってて。だからできたのかなとは思いますね。
要司 そういう気持ちは年々大きくなっていってると思う。
賢司 覚悟できたというかね。
―― でも、これを聴いてても、よく言う「売れ線に走った」とか「魂を売った」とかそういう感じは微塵もないわけだよね。
賢司 売ってみたら、意外と違う形で戻ってきたみたいな(笑)。
―― 「いっちょ売ってみるか!」みたいな気持ちはあったんだけども――。
賢司 俺はね(笑)。
要司 俺もあったけどね。さっき兄貴(賢司)も言ってたけど、売ってみたら「あれ? 悪くねーな。居場所あるわ」っていう。いることも気持ちいいし、そういうのは微塵もないっすね。そういうふうに思っちゃう人もいるだろうけど。
―― ていうかね、何枚も何枚も出して、それを聴いてきた身からすると、これが一番ラージっぽいと思うよ。今目の前にいる3人に一番近い作品のような気がする。
賢司 そうすね。前のやつは「おう!」みたいな――(笑)。
要司 「おら、ポップだろぉ? ロックだろぉ?」みたいな。
―― 一生懸命ツッパってたんだなあっていう気がするよ。
賢司 やめてーー!(笑)。
全員 ふははははは。
要司 そういうかっこ良さもあると思うんですけど、それは最初に言った「自由になった」っていうのと一緒なことで、今はすごい視界が広いですね。見渡せるというか。
―― 「俺はこの服着なきゃいけないんだ」じゃないんだよね。選び放題というかさ、裸でいたけりゃ裸でいいしとかそういう感じだもんね。で、そこに『SHINE OR BUST』っていうタイトルが付いてる。背水の陣的な(笑)。
要司 これは結果的にそうなってしまったってとこがあって、実は。この6曲を作っていくなかで、すごく根詰めて作ってて、「あれ? 1コもふざけてねーじゃん」って思って。それで、唯一“SHINE OR BUST”だけ俺の自己満足の曲なんですけど、ザ・AC/DCみたいな曲でギターソロとかも思いっきりやったりしたんですよ。で、「タイトルどうする?」ってなった時にいろいろ案を出したんすけど「しっくりこないなあ」っていうところで、去年AC/DCが『Rock Or Bust』っていうアルバムを出したのを見て「これパクろうか」って(笑)。
賢司 「拝借しようかな」って(笑)。
要司 そこまではちっちゃいふざけだったんだけど「これ、アルバムタイトルにしたらすごいおもしろいな」と思って。したら、すごく意味合いがバシッとハマったというか。ほんとは『Crazy Crazy』っていうタイトルが一番気持ち良く収まりがつくって話もしてたんですけど。
賢司 これぐらいかな、山森さんに唯一反発したのは(笑)。
要司 山森さんは「セオリーでいくなら『Crazy Crazy』だし――」っていろいろメリットを挙げてくれて「『SHINE OR BUST』だとちょっといなたいんじゃない?」って話もしてくれたんすけど、山森さんいないところで「『SHINE OR BUST』でいきまーす」って(笑)。
賢司 結果、山森さんにひと言も何も言わず(笑)。
―― それだけしっくりきたんだね。
要司 輝くか滅びるか。
―― そういうふうにアルバムのタイトルになってみると“SHINE OR BUST”っていう曲もアルバムのテーマっぽく聴こえてくるから不思議なもんだよね。《バイバイ自問 バイバイ自答》とか。
要司 一番頭空っぽにして書いたんですよ、この曲の歌詞は。僕としては。とにかくテーマは「頭空っぽ」だったんで、それが真ん中の曲ということでアルバム全体のテーマに自然となってる感じがいいなあっていうのはありますね。ただ「ちょっとAC/DCすぎるからリードにはできねーな」って(笑)。
―― なるほど(笑)。ここまでフルアルバムが2枚、ミニアルバムが1枚ですか。で、これが2枚目のミニアルバムということで、いろいろ作ってきましたねえ。
要司 このアルバムは取っ掛かりではあるんですけど、もうジャンプ台ではないと思ってるんで。これでひとつの完成形だと。フルアルバム2枚出して、ミニアルバム出して、この4枚目で俺たちは1コ完成したっていう。
―― 確かに、「正解」っていう感じがする、このミニアルバム。4枚かけてそこに辿り着くっていうのはなかなかに不器用な人たちですけどね。
要司 大器晩成って言ってます(笑)。
賢司 今のうちにみんなよくしといたほうがいいと思うけどね、俺らに(笑)。
―― 晩成してからじゃ遅いから、今のうちにチヤホヤしとけと(笑)。
要司 チヤホヤされるために、俺たちももうちょっと頑張ります(笑)!
ミュージックビデオ
リリース情報
『SHINE OR BUST』
2015年9月9日(水) 発売
発売元:GARURU RECORDS
GRRC-40005
1,574円+税
- 1. セイギノシシャ
- 2. Crazy Crazy
- 3. SHINE OR BUST
- 4. Child Play
- 5. ヴィヴィアン
- 6. やがて空に星と月
ライヴ情報
『SHINE OR BUST』リリース・ツアー "shineeeeeeeeee!!!"
- 9月13日(日)
- 東京都 渋谷TSUTAYA O-Crest
- 9月18日(金)
- 千葉県 千葉LOOK
- 9月21日(月・祝)
- 愛知県 名古屋CLUB UPSET
- 9月22日(火・祝)
- 石川県 金沢vanvan V4
- 9月25日(金)
- 広島県 広島4.14
- 9月26日(土)
- 大分県 大分T.O.P.S Bitts HALL
- 9月27日(日)
- 福岡県 福岡Queblick
- 10月25日(日)
- 茨城県 水戸SONIC
- 11月3日(火・祝)
- 大阪府 心斎橋Pangea
- 11月15日(日)
- 宮城県 仙台MACANA
- 11月27日(金)
- 東京都 渋谷TSUTAYA O-WEST [ワンマン]
提供:ズィープラスミュージック
企画・制作:RO69編集部