変拍子を操る未曾有のアイドルユニット
Masion book girlとは?

Masion book girl

今までに味わったことのないようなワクワクを求めている人にぜひ聴いて欲しいのがMaison book girlだ。この4人組アイドルグループが届けてくれるのは、いわゆる「アイドル」として多くの人が想像するものと大きく異なると思う。音楽家・サクライケンタが手がけている楽曲は、独特な動きを示すメロディ、変拍子、不思議な響きの音色をたっぷりと散りばめつつ、キャッチーな聴き心地に着地するという素敵な離れ業を実現している。このサウンドと呼応して生まれているダンスパフォーマンスは、お伽噺の一幕のような幻想性を醸し出す。シングル『river (cloudy irony)』でメジャーデビューした彼女たちに、「Maison book girlとは、どのようなグループなのか?」について語ってもらった。

インタビュー=田中大

「この編成だったらセンターがいないし、それぞれの個性が出しやすいんじゃないか?」というハッキリした考えがあった

――Maison book girlの初期は、BiS解散後のコショージさんの新しいプロジェクトとして始まったんですよね?

コショージメグミ はい。プロデューサーのサクライさんと私が新しいプロジェクトをやりますということで動き始めたんですけど、最初はハッキリと固まったものはなかったです。ひとりでやるのかメンバーを募集するのかも決まっていなかったですから。でも、ひとりは嫌だったので、「メンバーが欲しいです、4人組がバランスが良いと思うんですけどどうですか?」とサクライさんにお話をしました。

――「4人」というのには、何か明確な理由があったんですか?

コショージ その頃、私は映画をたくさん見ていたんですけど、『時計じかけのオレンジ』が印象に残っていたんです。だから「4人が白い衣装を着ているって、いいんじゃないかな」という軽い思いつきでしたね。

――『七人の侍』を観ていたら、7人組になっていたんですかね?

コショージ 7人組で、衣装も侍だったかも(笑)。でも、サクライさんも元々、「この編成だったらセンターがいないし、それぞれの個性が出しやすいんじゃないか?」というハッキリした考えがあって、4人にしたいと思っていたそうです。

――最初に加入した3人のうちのふたりが葵さんと唯さんですよね。どのような感じでメンバー募集を知って、加入することになったのでしょう?

矢川葵 私はもともと専門学校に通っていたんですけど、就職活動に失敗したので、バイトをしていた時期があったんです。その頃に受けた「ミスiD」のオーディションで、ファイナリストに残ったのがきっかけでした。ある時、「ミスiD」を主催している会社のスタッフさんからメールが来て、「新しく始まるグループがメンバーを募集しているんだけど、オーディションを受けない?」と。それでサクライさんにお会いしました。

――どんなお話をしました?

矢川 「どんなグループを作るんですか?」とお聞きしたら、「Perfumeみたいな」とおっしゃったのを覚えています。今考えると、大分嘘なんですけど(笑)。

――(笑)唯さんは、どういう経緯で?

井上唯 私はももクロとかアイドルが好きだったんですけど、短大生だった頃の就職活動のタイミングで「コショージメグミが新しいグループを始める」ということを知ったんです。就職活動によって履歴書とか志望動機を書くのに慣れていたので、それも活かしつつ応募することにしました。「私は努力をすることができます」とか、素晴らしい文章を書いて送った記憶があります。

コショージ サクライさん、その履歴書、ちゃんと見たのかな?

井上 どうでしょう?(笑)。

――(笑)輪さんは初期メンバーのおひとりが脱退した後、2015年3月の加入ですね?

和田輪 はい。私はガッツリ歌がやりたかったんです。「Maison book girlに加入したら、毎週末とかライブができるんだ」と思っていました。

家でふと口ずさむこともよくありますから。それで「うわあ、サクライサウンドにやられてる!」と(笑)

――輪さんどういう音楽が好きだったんですか?

和田 アーバンギャルドとか、POLYSICSとか、テクノポップが好きでした。最近は渋谷系の音楽も聴いています。そういえば、オーディションの時に小沢健二さんの“いちょう並木のセレナーデ”を歌ったんですよ。

――なかなか渋いところを選びましたね。

和田 サクライさんに「おおーっ」と言われて、私も「ああーっ」ってなりました(笑)。

――(笑)みなさんそれぞれが好きな音楽は、どの辺りなんでしょう?

コショージ 私はシューゲイザーのバンドとかザ・キュアーとかが好きなんですよ。

――海外のロックが好きなんですね?

コショージ はい。リンゴ・デススターというテキサスのバンドも好きです。去年、オープニングアクトをさせて頂きました。

井上 私は学生の頃はAKB48とか、その時に流行っている音楽を聴いて、友だちとMステの話をする感じでした。

矢川 私はずっとアイドルが好きで、ハロプロの中でも松浦亜弥さんが大好きだったんです。可愛い女の子がデートするような歌詞に憧れていたので、Maison book girlの歌詞を見ながらずっと、「全然デートしないなあ」と思っていました(笑)。でも、サクライさんの作ってくださる曲はメロディがすごく印象に残って、どんどん好きになっています。家でふと口ずさむこともよくありますから。それで「うわあ、サクライサウンドにやられてる!」と(笑)。

ダンスも私たちの世界観のひとつとして、ぜひ観て頂きたいです

――その「やられてる!」って、リスナーの僕らも感じるところですよ。いわゆる「アイドルミュージック」として想像されるものとはかなり趣が異なりますけど、活動の初期から手応えはありました?

コショージ 最初の頃はなかったかもしれないですね。いろいろ手探りしながら今に至っている感じです。

矢川 でも、いろんな対バンをしたアイドルさんやバンドさんとかから、「曲がいいね」と言って頂くことが増えていって、ちゃんと音楽として好きになってくださる方々がいたのが嬉しかったです。

――対バンイベントをよくやっていますよね?

和田 青山月見ル君想フで主催イベントをやっているんですけど、ロックバンドのみなさんに出て頂くことが多いです。

コショージ この記事を読んでいるロックが好きなみなさん。オススメのロックバンドがありましたら、ぜひ教えてください!

矢川 バンドさんから直接の「対バンしたいです」という連絡も欲しいです。よろしくお願いします(笑)。

――連絡、あるんじゃないでしょうか。ブクガは、ロックが好きな人がハマる要素が満載だと思いますから。

コショージ どんな音楽が好きな人が関心を持ってくださると思いますか?

――ものすごくザックリした言い方ですけど、UKロックとか音響系とか、どこか翳のあるサウンドが好きな人がハマるかも。

コショージ なるほど。

――そういえば、この前、カナダツアーをやりましたよね(「Next Music from Tokyo Vol.9」に出演した)。現地の反応はいかがでした?

コショージ 今回のシングルの2曲目の“karma”が、カナダで一番盛り上がったんですよ。1音目からモッシュが起こって、私たちは「えっ⁉」と(笑)。想像していたのとは違うことが起きて、「カナダに来て良かったな」と思いました。

井上 「歌詞に英語が入っているわけではない曲が受け入れられるのかな?」と思っていたんですけど、予想していなかった反応でした。

――ダンスの独特な雰囲気も、言葉を越えて伝わるものがあるんじゃないでしょうか。

和田 変拍子の曲が多いですからね。例えば4拍子だったら「右で2回、左で2回」みたいな振り付けで収まりますけど、5拍子だと「1個余っちゃう」みたいなことになりますから。そのことによって独特な動きが生まれているのかなと思っています。

コショージ ダンスも私たちの世界観のひとつとして、ぜひ観て頂きたいです。練習もすごくしています。

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