THE BEAT GARDEN 3Vo+1DJが放つ
エレクトリック・ダンス・ロックの正体に迫る

THE BEAT GARDEN

作詞・作曲、トラックメイキングを自ら手がけ、3Vocal + 1DJという独特の編成で活動を続けているTHE BEAT GARDEN。四つ打ちのエレクトロなダンスミュージックに、ロックのビートを融合させ、「エレクトリック・ダンス・ロック」というスタイルを確立させた彼らが、1stシングル『Never End』を提げて、ついにメジャーデビューを果たす。EDMの要素が軸にありながら、哀愁を感じさせる歌メロや共感性のある歌詞などは、J-POPのフィールドにも通ずるキャッチーさがある。それこそが彼らの武器であり可能性である。その音楽性の背景を探る。

インタビュー=杉浦美恵

一番出したかったのは、やっぱり熱量なんです。ボーカルが、2人と3人とではすごく違うし、3人でのユニゾンっていうのはやっぱり熱量が全然違うので(U)

――まずはTHE BEAT GARDEN結成のいきさつを教えてください。

U(Vo) 僕は埼玉出身なんですけど、大阪の専門学校に行って、そこでREI(Vo)とMASATO(Vo)に出会いました。それで、3人で自然と音楽の話をするようになって、1曲、試しに一緒に作ってみようということになったんです。その曲ができた日にグループ結成と上京することを決めて、その日から本当に1週間くらいで引っ越しをして、上京しました。それが、THE BEAT GARDENの前身となるPEEK A BOO!!!というグループです。

――最初は3人での活動だったんですね。

U 上京してライブ活動を始めて、でも、頼れるスタッフさんとかもいなくて、もちろん事務所にも入っていなかったから、毎回、機材搬入とかグッズの会計とかを、全部ひとりでやってくれてたのがSATORU(DJ)で(笑)。SATORUはもともと僕の地元の後輩で、もう8〜9年つきあいがあったこともあって、自然とこの4人でごはん食べに行ったり、仲良くなって。

――それでSATORUさんがDJとして加入することに?

U DJがいたほうが僕ららしいライブができると思って、他にも何人かDJの人にお願いしてライブをやってみたりもしたんですけど、どうもしっくりこなくて。それで、そもそも僕ら3人は友だちから音楽活動がスタートしてるんで、グループ名をTHE BEAT GARDENに変えるタイミングで、人間性で一番信頼できるSATORUにお願いしたいっていうことになったんです。

――SATORUさんはそれまでDJとしての活動は?

DJ SATORU(DJ) いえ、やったことはなかったです。だから、オファーされて、1ヶ月くらいはすごく悩みました。毎日考え続けて、1ヶ月間悩んだ末に、やっぱり一緒にやりたいなと。

――決め手は?

SATORU 僕はUさんとはつきあいが長いんですけど、昔から一番仲が良くて信頼できて、で、その人が選んだ2人がいて、この人たちと一緒に人生を歩んでいきたいなっていう思いがありました。

――そもそも、Uさんはなぜ埼玉出身なのに大阪の専門学校に?

U 当時、僕はすでに東京でボイトレや曲作りをしてたんですけど、ステージングとか作曲のことを、もう一度勉強し直そうと思って、ネットで探していたらその専門学校のページを見つけたんです。それですぐに行くことに決めて。

――そこでREIさんとMASATOさんに出会ったと。3人ともシンガー志望で、当初はどういうグループにしたいと思っていたんですか?

U 具体的なイメージもないまま、勢いというか、思いだけが先行していたので、楽曲の方向性を決めて結成したというわけではないんです。ただ、EDMだけが、共通して好きな音楽ジャンルとしてあったので、なんとなくEDMの雰囲気を取り入れた楽曲をやるのかなっていうふうには思っていました。

――EDMをベースにやっていこうとすると、トラックが非常に重要になるし、DJが必要ですよね。

MASATO(Vo) もしSATORUがいなくて3人でやるってなってたとしても、3人のうちの誰でもDJになれたし、DJになったからって歌から離れるわけじゃないって思ってたから、僕がDJになってもよかったし、たぶんみんなもそう思ってたと思います。

REI(Vo) なんか懐かしい。昔、そういう話をしてたよね。

――結果としては、3Vocal+1DJという、今のスタイルに定まったわけですが、やはり3人がボーカルをとるっていうのはすごい強みになっていますよね。

U 一番出したかったのは、やっぱり熱量なんです。ボーカルが、2人と3人とではすごく違うし、僕ら、サビは基本的にはユニゾンしてるんですけど、それは結成当時から意識していて、3人でのユニゾンっていうのはやっぱり熱量が全然違うので。ロックが持つ熱量のようなものを当時から意識していました。

夢が叶った!っていう感覚はもちろんあったんですけど、喜びよりも現実的な課題のほうが見えてきた(MASATO)

――トラックはREIさんが作っているそうですが、やはりトラックもロックを意識して作っている?

REI そうですね、意識しているんですけど、生のバンドとはやっぱり区別をしたくて。たとえばギターの音色もそうですけど、オケ中で発生する音としてどう作るかというのを重視していますね。DJから出される音がどんだけかっこいいか、どんだけお客さんがわいてくれるかっていうのを意識して制作しています。

――そして、この7月に、THE BEAT GARDENはついにメジャーデビューを果たすわけですが、デビューが決まった時の率直な気持ちは?

U 正直実感がわかなくて、メジャーに行ったら何が変わって、どう動いてくの?っていうのが正直な気持ちでした。でも、単純に僕たちの音楽を聴いてくれる人がたくさん増えるんだろうなっていうのは、その時から思っていたので、今はシングルのリリース日がすごく楽しみですね。

――MASATOさんは?

MASATO 夢が叶った!っていう感覚はもちろんあったんですけど、いざ、これから自分がそこでやっていくんだって考えたら、責任を感じるというか、戦う姿勢のほうが強かったです。わー決まったねっていう喜びよりも、すぐに現実的な課題の方が見えてきて。僕らに携わってくださる方も増えますし、聴いてくださる方も増えると思うので、みなさんを納得させられるような活動をしないといけないなって。

――楽曲のクオリティひとつとっても?

MASATO 本当に。ライブでも作品でも、すべてにおいてそう感じます。

――REIさんは?

REI 僕は、やっときたなっていう感じでしたね(笑)。中学生の頃からずっと音楽をやってきたので、ひとつの目標じゃないですか、メジャーデビューは。だからやっとこの時が来たなって。わくわく感とかうずうずしてる気持ちが強いです。自分たちの楽曲がいろんな人に聴いてもらえる環境になるっていうのはすごく嬉しいです。

――描いていた道が少しずつ見えてきたっていう感じ?

REI そうですね。もっと早く先に進みたいですけどね。もっともっと先に。

――SATORUさんはいかがですか?

DJ SATORU 日を追うごとに環境の変化を感じています。去年までは全然出られなかったイベントに出られるようになったり、そういう変化に、あ、これがメジャーデビューっていうことなんだっていうのを感じて、気持ちが高まりますね。フェスはいろんな人に聴いてもらえる機会なので、そういうのはすごく楽しいです。

修正後
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