サラウンドDJって何だ!? ロックDJイベント 「渡り鳥」の主催者が語る新たな音楽のあり方(2)

音楽はまだまだ楽しいことができる。音によって景色が変わっていくような感覚を知って頂きたい

――ロックDJの魅力は、どういうところだと考えています?

Jimi 何でもありなところですね。例えばテクノのDJだったらテクノのマナー、EDMだったらEDMのマナー、やり方みたいなのがあると思うんですけど、ロックDJはヒップホップの要素だろうが、EDMの要素を入れようが自由。そういう間口の広さは、大きな魅力なのかなと感じています。

インドウ 最近、ロックDJって、音楽の楽しみ方のひとつとしてすごく市民権を得るようになっているんじゃないですかね。ロックをかけている人たちって、好きなようにやっているのも感じますし、その楽しみがさらに広がっていったらいいなと思っています。

――「渡り鳥」は日本のロックを主にかけるパーティーでもありますが、このジャンルに絞った理由は何だったんですか?

Jimi クラブのフロアってスピーカーで囲まれていますけど、ロックのライブってステージ側に置いてあるスピーカーからしか音が来ないじゃないですか。だから後ろからも音が鳴るサラウンドの楽しさって、ロックだとより分かりやすいんです。サラウンドDJの面白さは、テクノとかに比べるとロックの方が分かりやすいと思います。あと、間口の広さという点でも、邦楽ロックをメインにしています。

――サラウンドで聴くと、よく知っている曲の新しい発見もあるわけですよね?

Jimi それはものすごくあると思います。サカナクションがサラウンドでライブをやったことがありましたけど、こういう表現の可能性は、まだまだたくさん見つけられそうですね。音楽って、まだまだ楽しいことがいろいろできるんですよ。音によって景色が変わっていくような不思議な感覚も味わえますし。それをぜひみなさんに知って頂きたいです。

インドウ オーディオが好きな人の中には、マイ電柱を立てる人もいますよね。音楽は追求しだすといろんなこだわりが生まれるし、奥がとても深いんだと思います。

Jimi 僕も新鮮な楽しさを見つけるために、常に変なことばっかやってきました(笑)。

インドウ 僕はJimiのアイディアが形になるように、いろいろ具体的なやり方を考えるのが好きなんです。

――スタッフ気質のインドウさんと、アーティスト気質のJimiさんということですね。

インドウ まさにそうです。

Jimi そういう点でも僕らはバランスがいいチームなのかもしれないですね。これからも一緒にいろんなことを実現して、「渡り鳥」もどんどんやっていきたいです。

海外でやるからには、日本の文化の面白さを伝えられたらと思う

――「渡り鳥」は、今のところ2016年の9月に札幌、12月に大阪で開催されましたが、次回は2017年1月14日の台湾なんですね。これは意外だったんですけど。

Jimi 「なんで?」っていうことになりますよね(笑)。サラウンドの仕事の関係で、台湾のある展示会を手伝ったことがあったんです。現地の人といろいろ話したら、すごく親切で。そこから台湾に興味を持つようになって、やり取りをするようになったことから実現しました。台湾では日本の音楽の人気が高いですし、「サラウンドDJをやってください」という話になったんですよ。

――機材は、日本から持って行くんですか?

Jimi いや。現地で借りることにしました。海外に持っていくとなると、いろいろ大変ですから。

――空港で「この奇妙な機械は何だ?」って訊かれても、専門機材って説明が大変なんですよね。

Jimi そうなんですよ。「サラウンドだ」って言って、「兵器か?」とか思われても困りますし(笑)。台湾ではサラウンドDJって初みたいなので、気合入れてやってきます。

――そこからまた何かに繋がるかもしれないですね。

Jimi そうなったら嬉しいです。こういう面白さを日本から発信できるようになるって、十分にあり得る未来なのかなとも思っていますし。以前、欧米の人たちにも聴いてもらったことがあったんですけど、「もっとくれ! もっとくれ!」というびっくりするくらいの反応だったんですよ(笑)。だから、可能性はありそうです。

――「渡り鳥」は、クールジャパンも背負っているということですかね?

Jimi クールなのかは分かりませんが(笑)。まあ、勝手にそんな気持ちでいるところもあります。海外でやるからには、日本の文化の面白さを伝えられたらいいなあと思っていますよ。そして、日本国内でも、どんどんやっていきたいです。その場所だからこその面白さって、各地にあると思うので、何が起こるのか楽しみにしています。

――「渡り鳥」の全国行脚を実現するためには、たくさんの人にメルマガに登録して頂くことが必要なわけですが、何かアピールしておきたいことはありますか?

Jimi 「一緒に遊んで欲しいという気持ちでやっています」ということですかね。Twitterとかも友だち感覚でやっているので、ぜひ絡んで頂きたいんですよ。何か分からないことがありましたら、どんどん質問もしてください。

――「こういう音楽との関わり方、表現の仕方もあるんだ」っていうのも、おふたりの活動を通して発見できるのかも。

Jimi そういうことにもなったらいいですね。実際、僕らのTwitterとかメルマガを読んで専門学校に進学した人とか、DJを始めた人もいますから。何か興味があればTwitterとかで絡んでくれれば、いろいろ話せると思います。

――メルマガに登録するとなると、不安に思う人もいそうなので、「怖くないよ」ってことも、この記事を通してアピールしておきましょうか? 

Jimi ぜひ(笑)。ちゃんと管理しながら運営しているので安心してください。ニックネームで大丈夫ですし、住所や電話番号とかまでは登録しないで大丈夫です。あと、解除したければいつでも簡単にできます。ハードルは極力下げてやっていますよ。

――「渡り鳥」を今後、どのようにしていきたいですか?

Jimi 今はまだ全国に挨拶をしに行っているような段階なので、次に各地に行った時に、さらに面白い何かに発展させたいです。その気持ちが一番大きいですね。想像もつかないような発展を想像しながらワクワクしています。

インドウ 「これから先、さらにどれだけの人に会えるのか?」というのも楽しみにしています。気持ち的な面で限界はないと思っていますし、好きでやっていることでもあるので、可能性をこれからも突き詰めていきたいです。

提供:鳥クルッテル.inc

企画・制作:RO69編集部

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