RPG的に言うと、「そうびをはずした」っていう言い方できんじゃん(笑)(gari)
──ライブの話、ひとついいでしょうか。僕は4月29日の「ARABAKI ROCK FEST.18」で魔法少女になり隊のライブを観たんですけども、映像を使ってなかったですよね。
gari そう!
火寺 その前の「COMING KOBE 18」も、映像なしで。
gari それは、あの、MONEYの問題で(笑)。昼間の野外だと、LEDを持ち込まないと太陽の光に負けちゃうんですけど……前は屋外でもテレビを持ち込んでたんですよ。でも、ステージが大きくなってくると、テレビを持って行ったはいいけど思ったように効果が出ない。でもLEDを持ち込もうとすると、かなりのお金がかかってしまうんですね。じゃあ今年は生身で勝負していこう、っていうふうに決めて。ライブバンドとして確実にレベルアップしてきているので、映像演出っていう装備を外した状態で、どこまでやれるかっていうことに、今年のフェスではトライしてみようと……あ、RPG的に言うと、「そうびをはずした」っていう言い方できんじゃん(笑)。
火寺・ウイ・明治 ははははは!
gari 今ナチュラルに「そうびをはずす」って言って気がついた! うまいことRPGみたいに落とし込めたね(笑)。
ウイ で、映像なしでフェス2本やってみて……gari本人は、VJとして実際はどう思ってるのかはわからないですけど、観てくれてるお客さんの一体感があって、「ちゃんといいライブできたな、喜んでもらえたな」って感じたので。手応えとしては全然問題なかったな、っていう。
火寺 あと逆に、フェスではそういうスタイルだけど、ライブハウスとかのワンマンに来たら映像もあってすげえんだぜ、っていう。また違う演出があるっていうのが、ライブハウスに来てくれるきっかけになったらいいな、っていうのもありますね、映像がないことをポジティブに捉えるとしたら。
人生の楽しみのひとつとしてライブハウスを取り入れる、そのきっかけになれればいいな(明治)
──映像のこと以外でも、ライブでもっとこうしたいとか、こういう新しいことをやりたいというのはあります? っていうのがですね、最近、ほかのバンドのライブでバジルさんにやたらしょっちゅう会うんですよ(笑)。
火寺:ね、ほんとによく会いますよね(笑)。月イチぐらいで会ってません?
──だから、「友達だから」とか「観たいから」ってだけじゃなくて、人のライブを観て参考にしたい、というのもあるのかなあと。
火寺:いや、それもあるんですけど……私がライブハウスに行くのは、ただ好きなのもあるんですけど、お客さんの気持ちを忘れたくなくて。自分がやっている側だから、気持ちがだんだんそっちに向いていっちゃうけど、ちゃんとお客さんの気持ちを持った上で、お客さんのことを考えながらライブしていたいから。「こういうところに感動した」とか「これをかっこいいと思った」っていう、純粋な気持ちを大切にしたいんですよね。だから、ライブを観ていると、ほんとに入り込みすぎて、MCでめちゃくちゃ泣いちゃったりとか……私、今、ハンブレッダーズがめっちゃ好きで。ライブでもうボロ泣きしました。この間の四星球もめっちゃよくて、めっちゃ泣いたりして……その、お客さんはこういう気持ちで自分たちのことを観てるんだな、っていうのは、ちゃんと、ずっと覚えておきたいな、っていうのはあります。もちろん「あ、こんな演出やってるんだ、うちならどうできるかな」とか、そういうことも考えますけど、それよりもお客さんの気持ちのままでいることのほうが、私は大事ですね。
gari あと、ライブに関しては、キャパシティが上がれば上がるほど、もっとエンタメチックなことができるな、とも思っていて。前に「KNOTFEST」(2016年)に出た時に、SLIPKNOTのステージセットは本当にエンタテインメントだなと思って。ああいうのを観ちゃうと、「ああ、僕らもやりたいなあ」と思うし。魔法少女になり隊のカラーとして、そういうのは合うと思うので。それこそ最近、フェス用にトランポリンを買って。まだ使ってないけど。
ウイ ああ、あのトランポリン、そうなんだ?(笑)。
gari っていうか、会場がでかければ、トランポリン使えんじゃね?と思って。
火寺 大ジャンプだ。
gari まずはそういうところから始めて(笑)、どんどんでかくなっていったら、めっちゃおもしろいな、っていう。
火寺 gariさんいつかワイヤーアクションしたいですもんね?
gari ワイヤーは絶対やるっしょ。妖精だから。
ウイ 空飛べないとね。
gari 最近そういうのでワクワクはしてますね。
明治 あと、「ライブハウスに来るお客さん」っていう人たち以外のところからも来てほしいな、っていうのは思っていて。ライブ行ったことなかったけど、初めてのライブを魔法少女になり隊にしました、って言ってくれる人がいて。それはすごいうれしいんですよ。ライブハウスに行くっていう人生の楽しみ方を、今までしてこなかった人が、うちを観て「あ、意外と楽しいんだな」って思ってくれるのがうれしいし。そういう、遊びに行くとか、何か食べに行くとか、そういう選択肢のひとつとしてライブハウスを取り入れる、そのきっかけになれればいいな、っていうのは思っていますね。