木村カエラ、スタジオポノック最新作に書き下ろした無邪気なポップソング“ちいさな英雄”に込められた願いとは?

木村カエラ、スタジオポノック最新作に書き下ろした無邪気なポップソング“ちいさな英雄”に込められた願いとは?

背伸びした5歳の男の子がマイクに向かって一生懸命歌ってるイメージで歌いました。だから歌入れは楽しかったし疲れましたね(笑)


――渡邊さんとは約4年ぶりのタッグということですが、サウンドやアレンジ面含め、どんなやり取りの中で“ちいさな英雄”が生まれましたか。

「いつも通りすぎてどんなやり取りだったのかわかんないんですけど(笑)。でもなんか、もうお互いに『これが好き/これが嫌い』っていうのがわかっているので、歌詞を一緒に作っていく作業もめちゃくちゃ早くて。もう小一時間でワンコーラス目を書き上げて、それを西村プロデューサーに聴いてもらって、『子供目線と大人目線が両方欲しい』って話を聞いて、『じゃあ一緒だね』ってことですぐにツーコーラス目を書いていって」

――その辺は、渡邊さんとカエラさんだからこその息の合ったやり取りというか。

「そうですね。作詞自体は自分で書くことのほうが多くて、ふたりで書くのはシノッピとやる時くらいなので。でもすごいスムーズでしたよ」

――このビート感も早めに決まったんですか。

「悩んでいましたね。デモを作っている時に、このビートでいいのかなって。シノッピは気にしていたけど、私は全然気になんなくて。前にどんどん進んでいく感じがして『いいじゃんいいじゃん!』って」

――その辺もおふたりならではの化学反応なのかもしれないですよね。最初にスタジオポノックさんと同じように、曲作りでも挑戦したいとおっしゃっていましたが、どんなことが一番挑戦でしたか。

「やっぱり自分自身もどんどん大人になってきて、声のトーンも落ち着いてきたりとか、逆に高い声が出るようになったりとか。デビュー当時とは違うので、昔から子供っぽく歌うことも多かったけど、今までの楽曲の中で一番子供っぽく歌わなきゃいけない曲だったんです。その無邪気さとか、天井までテンションが届きそうな子供のあの感覚で歌うっていうのが、ちょっとでも天井からテンションが離れると声のトーンに大人が出ちゃうから(笑)。なので歌っている時に、《あそぼ》という一言がすべて納得できるようにするまで時間がかかりましたね。《いたいのいたいの飛んでったね》というのはお母さんの感覚で歌うけど、《へっちゃらだ》って歌う声は周りが見えてない状態の5歳児の男の子の感覚で出せるまでやるっていうのは新しい挑戦でしたね。曲は流れていくから皆さんに引っかかるかどうかはわからないですけど、自分の歌う時の感覚が今までになく子供じゃないといけなくて、それがすごく新しい挑戦ではありました」

――歌を歌う時のほうがコントラストをつける感じだったんですね。

「そうですね。すごく大変でしたね」

――なるほど。《こわいもんなんてひとつもないんだ》をどれだけ無邪気に歌えるかっていう。

「そうそう。大人っぽく歌っても全然響かないじゃないですか。本当に背伸びした5歳の男の子がマイクに向かって一生懸命歌ってるイメージで歌いました。だから歌入れは楽しかったし疲れましたね(笑)」

――(笑)。でも、そのぶん子供が聴いても楽しめるものになってますよね。

「そうなってるといいなと思って歌いました」


誰かに求められて曲を作っていく作業はすごくいいものだなと思います


――そして、すごくキャッチーで楽しい“ポノック短編劇場のテーマ”も聴かせていただきました。この曲に関してはいかがでしょう。

「これも西村プロデューサーと話している時に『オープニングテーマもお願いしたいんです』って言われて、『オープニングテーマも!?』と思ったんですけど(笑)。実は西村プロデューサーがスタジオの中でずっと口ずさんでいる『ポノックのテーマ』というのが既にあったんですよ。それを歌っていただいてスタッフの方が携帯に録音したものを聴かせてもらったんですけど、もう《ポノック ポノック》というメロディもリズム感とかもそのまんまで。それをシノッピに聴いてもらって、私が歌って、今の状態に仕上げたんです」

――そうだったんですね。カエラさんの歌とのハマり具合がすごいから、てっきりこれも書き下ろしかと思いました!

「ね、なんだかね(笑)。上手く歌うのも違うかもっていうので、デモの状態で行こうみたいな話になり、あんまり上手いテイクじゃないものが使われていますけど(笑)。なので“ポノック短編劇場のテーマ”は、楽曲クレジットとしてはスタジオポノックと私とシノッピで作った形になります」

――アニメ作品とのコラボというのも縁深いカエラさんですが、今回“ちいさな英雄”ができあがってみて、いかがですか。こうして楽曲を書き下ろす面白さはどのように感じていますか。

「誰かに求められて曲を作っていく作業はすごくいいものだなと思います。自分の中にあるものをそのまま出すのとはまた違って、誰かのために一緒に作品を作るという感覚がすごく楽しいなって。映画『ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-』を観に来た人が、みんな笑顔になって帰っていくっていうのをスタジオポノックさんも私も望んでいて。その中で曲もできあがっていく、それってめちゃくちゃいいなって。だから本当に映画の公開も楽しみだし、もしかしたら劇場に何回も子供を連れて偵察に行っちゃうかもしれない(笑)。みんなどんな風に観てくれてるかな? 帰りに歌ってくれてるかな?って」

――ちなみにカエラさん、来年はデビュー15周年ということですが、何か計画していることとかありますか?

「ライブをしたいなと思っています。デビューが6月23日なので、そのあたりでやれたらいいですね」

――5周年での横浜赤レンガパークや、10周年での横浜アリーナ2days公演も、すごく印象深いです。15周年も期待しています。

「これまでの周年ライブは私にとっても本当に印象深いです。ただ子供の時の方が自分の誕生日って嬉しかったみたいに、周年も重ねてくるとだんだん落ち着いてくるっていうか(笑)。本当に感謝の気持ちしかないです。でもライブは本当にやりたいと思っていますし、また新しく歌える曲もたくさんあると思うので、楽しみにしていてください」



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リリース情報

配信シングル“ちいさな英雄”発売中
木村カエラ、スタジオポノック最新作に書き下ろした無邪気なポップソング“ちいさな英雄”に込められた願いとは?
映画「ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―」予告編映像


提供:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント
企画・制作:ROCKIN’ON JAPAN編集部
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