WANIMA、これまで「頑張れ」と歌ったことのない彼らが《まだ頑張れよ ただ踏ん張れよ》と歌った“旅立ちの前に”。その強い覚悟を語る

WANIMA、これまで「頑張れ」と歌ったことのない彼らが《まだ頑張れよ ただ踏ん張れよ》と歌った“旅立ちの前に”。その強い覚悟を語る

今まで通りやることもできたけど、自分たちもアップデートしていかないとこの状況にはついていけない。ただ、こういう状況が収まるのをじっと待つという選択にはならなかった(FUJI)

――久々のリリースとなる6枚目のシングル『Chilly Chili Sauce』、4曲入りで、めちゃくちゃかっこいいですね。

KENTA(Vo・B) ありがとうございます!

――思えば前作のミニアルバム『Cheddar Flavor』も、めちゃくちゃかっこよかったんで、俺の印象としては、いわゆる「かっこいいWANIMA現象」が起きている感覚があって。さらに、そこから花が咲いたような“旅立ちの前に”が配信されて。これは、『Cheddar~』や『Chilly~』とは方向性が違うと思うんだけれど、まずはこのふたつについて、しっかり聞きたいと思います。まず『Chilly~』は、どういう手応えがあるのかを、ひとりずつ聞きたいんですが。

KENTA 『Cheddar~』の最後の曲が“Milk”なんですけど、その流れで聴いてもいいように『Chilly~』は作ったんです。この4曲を残せたことが、自分たちでも誇らしいし。これから先振り返っても、今やっていること、今出せている音に、後悔はないと思います。

――たしかに、的が絞れているというか、やるべきことが見えて、そこに向かって全力で集中している感じが出ていますよね。

FUJI(Dr・Cho) 『Chilly~』は、自分たちが描いているストーリーも途中なので、まだ完結していないんですけど、次へのバトンをつなぐ、素晴らしい曲が揃ったっていうふうに自負しています。

KO-SHIN(G・Cho) 自分でも、この4曲は傑作だと思っていて。今、世の中はこういう状況じゃないですか。こういう状況において、不安になっている人の声を代弁する曲もあり、そういう人たちに光をあげるような曲もありっていう。まさに今の僕たちの願いが、すべて込められた一作だと思っています。

――FUJIくんがストーリーの途中って言ってましたけど、今俺の目の前には『Chilly~』のCDが入っていながらも、さらにあと2枚のCDが入る形になっている謎のパッケージが置いてあって。もしかしてこれは3枚で1組の作品なのか?という感じもあるんですけど、そのあたりも教えてもらえますか。

KENTA 「COMINATCHA!! TOUR」が終わったあとに、ほんとうはフルアルバムを出す予定でいたんですよね。でも「COMINATCHA!! TOUR」が半分中止になって、予定も白紙になって。だから、いちから3人で考えたんです。コロナでこの先の状況がわからなくても、お客さんと少しずつ楽しみを共有できないかな、って思って。そんな中で、フルアルバムを3部作として分けたら、状況がこの先わからなくなっても、楽しみを少しでも長く共有できるかなって思ったので、そうやっていこうっていう考えになったんですよ。なので、FUJIくんが言った「途中」っていうのは、『Cheddar~』、『Chilly~』、で、次っていう。僕が最初に、『Cheddar~』の最後の“Milk”から流れもすんなりいって聴けるようにって言ったのも、そういうことで。しっかり連動したものを自分たちで打ち出して、進んでいこうって考えたことで、僕たち自身も気持ちが保てたところもあるし。

――それ、すごく素晴らしいと思う。これまでもWANIMAは、その場の思いつきの楽しい企画とかアイディアはあったけど、こういう計画みたいなものはなかったなって。なんか、似合うようで似合わないようで(笑)。

KENTA そうですね(笑)。意外かもしれないですね、WANIMAをずっと見ている山崎さんからすると。

――でも、ワクワクする。何よりも、『Cheddar~』は音を聴いた瞬間からすごくかっこよくて、いいモードにいることがわかるし、音楽的な新しいワクワクがあって、さらにそれを展開するプランがあって。二重の意味でいいなって思える。ただの企画じゃなく、新しいことを音楽とともに始めようとしているようにも感じるんですよね。

KENTA 『Cheddar~』の時は、「誰かに歌うな、自分に歌え」っていうテーマがあって。この『Chilly~』では、そういう気持ちも根っこにはあるんですけど、聴いた人に少し寄り添うような曲が作れないかなって思ったんですよ。シングルって、基本A面、B面じゃないですか。でも、1曲目から4曲目まで流れで聴けるような、3部作の真ん中でシングルの考え方が変わるようなことができたらいいなって思ったんです。

――そうなってると思いますよ。

FUJI 今まで通りやることもできたんですけど、自分たちもアップデートしていかないと、この状況にはついていけない。ただ、こういう状況が収まるのをじっと待っていなきゃいけないっていう選択にはならなかった。そうやって、今のこの状況を打破するためには、自分たちが変わらなきゃいけないっていうところに行き着いてからは、そういうところもサウンド面に出ていたりするのかなっていう感じはします。技術的なところで言うと、やっぱり時間があったので、今までやってこなかった、レコーディングの時のマイクの立ち位置や、マイクにどの成分を乗せるともっと熱く聴こえるのかとか、そういう細かいところまで考えていって。気持ちがそのまま乗るサウンドにするにはどうすればいいかを模索した時間が、今回は長かったです。

KO-SHIN 今回は、今までになかった、1個先を見据えた挑戦ができたと思います。というのも、今まではスタジオで3人で合わせて、自分たちが納得いくものを形にしていたんですけど、今回はプラスで、メロディと歌詞がより自分たちらしく、よりよく表現できるようにっていうことを考えて作ったんですよね。詳しく言うと、歌うんだったらこの高さのキーが気持ちいいんだけれど、よりよく表現するならこのキーだな、とか。そういうことを最近は考えるようになりました。あとギターのことで言うならば、今までは、たとえば軸となるギターを2本入れたりしていたんですけど、今回は、この曲がより活きるのはギター7本だなとか、いろいろ試しながらできたので、曲たちをより理想に近づけることができたと思います。

次のページ今まで「頑張れ」という言葉を使わずに表現してきた。でも、今僕たちが覚悟を持って、小さなきっかけに変わればという想いで《まだ頑張れよ ただ踏ん張れよ》って歌ったんですよ(KENTA)
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