WANIMA、これまで「頑張れ」と歌ったことのない彼らが《まだ頑張れよ ただ踏ん張れよ》と歌った“旅立ちの前に”。その強い覚悟を語る

WANIMA、これまで「頑張れ」と歌ったことのない彼らが《まだ頑張れよ ただ踏ん張れよ》と歌った“旅立ちの前に”。その強い覚悟を語る

今まで「頑張れ」という言葉を使わずに表現してきた。でも、今僕たちが覚悟を持って、小さなきっかけに変わればという想いで《まだ頑張れよ ただ踏ん張れよ》って歌ったんですよ(KENTA)

――で、“旅立ちの前に”。モードはちょっと違うんだけど、人の力になるような歌を凝縮した一曲になっていて。これはどういうふうにして生まれてきたんでしょうか。「ファイト!九州」のテーマソングですよね。

KENTA ソフトバンクホークスが「ファイト!九州」っていうプロジェクトを立ち上げて、そのテーマソングの依頼をもらって。九州から東京に移り住んだ今も、どっかで九州に対して恩返しすることができないかなっていう気持ちがあったので、ソフトバンクホークスの想いも聞いたうえで、WANIMAにできることは音楽で表現することだから、楽曲を提供することになりました。

――自分たちにとっては、どんな手応えがありますか?

KENTA まずメンバー3人、そしてチームの全員が同じ方向を向いて、この曲を押していける曲にする必要があると思って。この曲のサビで、《まだ頑張れよ ただ踏ん張れよ》って言葉を使っているんですけど、僕らは今まで「頑張れ」っていう言葉を使わずに表現してきたんですよね。普段から頑張っている人に「頑張れ」って言葉は必要ないと思うし、やっぱ大丈夫じゃないのを知っているし。マイナスにもプラスにもなる言葉やから、あえて使ってこなかったんですよ。でも今回、根っこにそういう気持ちがある僕たちが、今しっかりとした覚悟を持って歌うことで、小さなきっかけに変わればっていう想いで《まだ頑張れよ ただ踏ん張れよ》って歌ったんですよ。まず自分の中にある責任、自分が歌うんだって思うまでに時間がかかったし。この曲は、ただの応援歌じゃないから。僕は、現実は複雑で冷たくて深いものやと思っているので、Aメロの入り口はしっかりしたこと――現実的なことを歌いたかった。だから、頭から聴いていただいて、明るいとかポップというよりも、どっしりした内側にくるような曲に聴こえているんだったら、3人が作りたかった音楽、表現したかった音楽になっていると思います。

――そうなっていると思いますよ。

FUJI 今KENTAが「ただの応援歌じゃない」って言いましたけど、自分の中で、WANIMAの曲は応援歌って言われることに対して、どこか嫌悪感があったんですよ。なんでだろうなって思った時に、おそらく「応援歌」っていう言葉がすごくポジティブに感じるというか。でもWANIMAの歌って、ポジティブじゃないじゃないですか。すごくネガティブな部分があって、だからこその《まだ頑張れよ》。ただ《頑張れよ》だけだったらポジティブなんですけど、《まだ》がつくことによって、すごく意味のある言葉になる。だから、この歌詞をKENTAが書いてきて、曲に乗った時に、この言葉は使わないほうがいいんじゃないかっていうことは一切思わず、スッと入ってきました。これだったら、自信を持って演奏できるし歌える。そういう気持ちでした。

KO-SHIN 今のこの状況――何度も言いますけど、こういう状況になって、一人ひとりが求めていることって複雑なことじゃなくて、シンプルに背中を押してほしいとか、そういうことだと思うので、それをリアルに僕らが表現できた曲だなと思っています。たとえこういう状況が改善されて、ライブが普通にできるようになっても、きっと誰かのためには絶対になる歌だなって。この先もずっと、僕らが歌い続けていくことに意味がある曲になっているので。「WANIMAのこの曲があるから頑張れる」って思ってもらえるような曲になったなって思います。

――シンプルに背中を押すのって、非常に難しいじゃないですか。

KO-SHIN はい。

――曲を作るうえで、その大変さはありましたか?

KO-SHIN それこそ、《頑張れ》っていう言葉ですよね。マイナスにもなるとは思うんですけど、この曲は聴いた時に、マイナス要素を一切感じなかったので。シンプルな言葉でも、きっと今を生きている人に刺さる曲に仕上がっていると思います。

――それは、音楽の力っていうことですよね。《頑張れよ》っていう言葉を成立させるためには、このコード進行でなければいけない、このメロディじゃなきゃいけない、みたいなことをすごく突き詰めたと思うんですよね。

KO-SHIN そうですね。すべてが重なって、それで背中を押せるというか。

FUJI ただの応援歌だったら、頭から《何をやっても上手くいかず》なんて言葉は出てこないと思うんです。

KENTA 作っていた時は気持ち的に落ちていたし、なんとかそこから這い上がりたかったので、自分に歌っているところもある曲なんですよね。なので、大勢に向けてというよりは、今そういう現状にいる人、ひとりに届いたらいいなって思っています。


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