「『酔杯』ご来場ありがとうございます。『フォーエバー』――一応、『あぶない刑事』のタイトルをなぞって『リターンズ』とかやってたんだけど、誰も気づいてくれなくて。そしたら今度、最後の映画化でしょ? 吉川晃司がライバル役で。次の『酔杯』では、うちの王子(喜多建介/G・Vo)がシンバルを蹴るんで(笑)」。冒頭から“ソラニン”“アフターダーク”“それでは、また明日”と名曲連打で歓喜のレッドゾーンに叩き込まれた満場のZepp Tokyoが、後藤正文(Vo・G)のMCでさらに熱く沸き返っていく――。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONが2004年から開催しているツアー・シリーズ『酔杯』の約5年ぶり開催となる、「ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2015 ~酔杯フォーエバー~」。3月16日の大阪・堂島リバーフォーラム公演と名古屋/札幌/福岡/東京のZepp4会場を巡る全5本のツアーのファイナル、3月25日・Zepp Tokyo公演。約2年ぶりのシングル『Easter』を3月18日にリリースしたばかりということで、開演前から最高潮だったオーディエンスの熱気を、ラフでラウドな「アジカン最新型」があっさりと凌駕して高揚の新次元へと導いていった。
下村亮介(the chef cooks me)をサポート・キーボードに擁した5人編成でライヴに臨んでいたアジカン。伊地知潔(Dr)のシュアなドラミングが力強くビートを牽引する中、ゴッチ/喜多/山田貴洋(B・Vo)のプレイがダイナミックかつダイレクトに観る者の衝動を射抜いていく。この日のZepp Tokyoで鳴り響いていたのはまさに、ロサンゼルスのフー・ファイターズのプライベートスタジオで行ったというアルバム制作を通して、自らのロックの肉体性を最大限に解き放ったアジカンの「今」のモードそのものだった。
特に、フロア激震のキラーアンセム“リライト”から、ロック王道ど真ん中を爆進するような最新シングル曲“Easter / 復活祭”、さらに「5月に新しいアルバムを出します! ツアーも発表になると思いますんで」という告知を挟んで、その次作アルバムからの躍動感に満ちた新曲“Little Lennon / 小さなレノン”“Planet of the Apes / 猿の惑星”を立て続けに炸裂させてバンドの充実ぶりを体現してみせた中盤の流れは、全編クライマックス的な一夜の中でも感激必至の名場面だった。そして、そんな最新モードのままに、高らかなシンガロングを呼び起こした“ブルートレイン”など過去曲も、観客ひとりひとりと分かち合うような開放感と連帯感をもって響かせていたのも印象的だった。
2013年のシングル“今を生きて”、2013年の横浜スタジアム2DAYS公演で披露された“スローダウン”“ローリングストーン”、2014年の『NANO-MUGEN COMPILATION 2014』収録曲“スタンダード”など「『ランドマーク』以降」の楽曲を積極的に盛り込んでいた彼ら。そんな中、「『ファンクラブ』っていう……我々の暗黒期の曲で(笑)。地方を回りながら、楽屋でいっぱい曲を作って、みんなでね」というゴッチの万感の述懐とともに鳴らした“タイトロープ”の音像が、ひときわ雄大な風景を描き出していた。
アンコールでは『Easter』カップリングの喜多ヴォーカル曲“シーサイドスリーピング”から「もう1曲、春の曲を……」と“海岸通り”、さらに“君という花”の晴れやかなサウンドスケープでZepp一面のハイジャンプとシンガロングを巻き起こしたアジカン。「一見の価値のあるツアーにしますので」「ツアー楽しみにしててください。アルバムも、本当にいいものができたんで。自信を持ってお届けしますから」と、来るべきニューアルバムとツアーへ向けての意気込みをライヴの中で繰り返し語っていたゴッチ。日本のロックの在り方を幾度となく更新してきたアジカンの「その先」への期待感が抑え難く高まる、最高のロック・アクトだった。(高橋智樹)■セットリスト01.ソラニン
02.アフターダーク
03.それでは、また明日
04.ブルートレイン
05.ブラックアウト
06.イエス
07.マジックディスク
08.リライト
09.Easter / 復活祭
10.Little Lennon / 小さなレノン (※新曲)
11.Planet of the Apes / 猿の惑星 (※新曲)
12.スローダウン
13.さよならロストジェネレイション
14.今を生きて
15.ローリングストーン
16.スタンダード
17.タイトロープ
(encore)
18.シーサイドスリーピング
19.海岸通り
20.君という花
ASIAN KUNG-FU GENERATION@Zepp Tokyo
2015.03.27 12:00