ねごと@Zepp DiverCity

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4人が、ずっと楽しそうにプレイしていた。でもそれは刹那の楽しさではなく、4人が「辿り着いた」楽しさであって、だからこそドラマティックな、印象深いステージでもあった。アルバム『VISION』のリリース直後、地元・千葉から16公演を駆け抜けた「お口ポカーン?! 初の全国ワンマンツアー2015 〜VISIONは続くよどこまでも♪〜」のファイナル。ドリーミーでコズミックなSEの中、澤村小夜子(Dr)、藤咲佑(Ba)、沙田瑞紀(G)、蒼山幸子(Vo・Key)が順に姿を見せてポーズを決めたりお辞儀したりすると、力強く漕ぎ出すようなアンサンブルで“未来航路”のオープニングだ。

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序盤から場内の加熱ぶりは、蒼山が「やー、東京サイコーですね! どした!?」と問いかけるほどだ。ユーモラスな押韻のフックが弾け、《東京今日は楽しまないと♪》とライヴ仕様の歌詞で合唱を巻き起こす“アンモナイト!”、沙田のファンキーなギターが跳ね上がるアーバンポップ“黄昏のラプソディ”とシングル曲を畳み掛け、更に澤村の熱いドラムソロから傾れ込む“GREAT CITY KIDS”という流れも秀逸だ。藤咲はこの後、今回のツアーで女性&子どもエリアを設けたことについて、彼女自身の身長が低く、ライヴでステージが見えなかったという経験からこのアイデアを提案したことを告げる。フロアからは「ありがとー!」という幼い声も聞こえていた。

ねごと@Zepp DiverCity
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新旧の楽曲を織り交ぜ、ねごとの作曲やアレンジメントの深部に踏み込んでゆく時間帯ののち、これまた今回のツアーで設けられたという沙田のMCタイムへ。「16本回ってきたんですけど……あ、聞こえますか? 16本!!(ひときわ声を張る)」と少々ぎこちない語り口ではあったものの、「いろんな音楽の可能性を、掘り下げて欲しいなってアルバムなんです。横ノリとかさあ、フラフラしてても、ノってるわけですよ」「震える声を、震えないように抑えながら歌うような、感極まる場面が毎回あって。これだけやって、今でも感動できるってことが。本当にありがとうございます」と、生々しい意志や感動の形を懸命に伝える姿には胸を熱くさせられた。

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ねごとの創作活動は一貫してストイックだ。自分たちが全力で楽しめる冒険をし、その上でポップを目指すという、とても難しい活動を続けている。だから公演タイトルには「お口ポカーン?!」というサブタイトルがずっと付けられている。いつでも妥協することなく、「お口ポカーン?!」の向こう側を見たいと思っている。今回のライヴにはその「お口ポカーン?!」の向こう側が確かにあった。急激な展開を見せながらしっかり分かち合われる“エイリアンエステート”。すべての奔放に飛び交う音が歌へと集約されてゆく“endless”。4枚の円盤形プロジェクターを用いた幻想的な映像は楽曲群とシンクロし、会場内の一体感を後押ししてゆく。

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美しい轟音がノスタルジアを描き出す“Time machine”を経て、蒼山はこう語った。「音楽が好きって気持ちとか、待ってるみんながいるとか、分かってるのにさあ。モヤがかかったように前が見えなくなることが、デビューして5年間に何度かあって。でも今日、みんなの顔を見たら、信じてやってきて良かったなと思いました」。そして本編の最後、視界を切り拓く声がそのままフックと化すように響いた“憧憬”は、新たな決意表明として完璧なクライマックスを描き出していた。

アンコールの催促(バンホーテンコール)に応えると、バンホーテンココアを一気飲みした澤村が、グッズを紹介する沙田の脇でショパンのノクターンを奏でている。そしてヴォーカル藤咲、ギター蒼山、ベース澤村、ドラムス沙田という編成で“ループ”をちょっとだけ披露し、楽しみまくった末にニューシングルの“DESTINY”と“夜風とポラリス”も届けられる。まったく、運命さえも楽しみ尽くそうとするねごとは無敵なんじゃないかと思えた。新たな自主企画開催(11/23・恵比寿リキッドルーム)も告知されていたので、ぜひ続報を楽しみにしていてほしい。(小池宏和)

ねごと@Zepp DiverCity

〈セットリスト〉

01. 未来航路
02. sharp ♯
03. アンモナイト!
04. 黄昏のラプソディ
05. GREAT CITY KIDS
06. 透き通る衝動
07. コーラルブルー
08. ドリーミードライバー
09. ふわりのこと
10. エイリアンエステート
11. 真夜中のアンセム
12. 透明な魚
13. ループ
14. nameless
15. endless
16. シンクロマニカ
17. カロン
18. Time machine
19. 憧憬

(アンコール)
01. DESTINY
02. 夜風とポラリス
03. Re:myend!

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