the chef cooks me @ 渋谷クアトロ

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10月にリリースされた2ndミニアルバム『HOMESTAR, HOMETOWN, HOMESONG!! CD』を引っ提げての東名阪ツアー『the chef cooks me presents“HOMESTAR, HOMETOWN, HOMESONG!! TOUR 〜TYO of the HOMESTAR!”』の初日渋谷クアトロ。まだこれからツアーが続くということもあって、すべてを書きたいけど書けないのがもどかしいほどにエンターテインメント性に溢れるライブだった。初っ端から会場はリズミカルなクラップ音と歌声と笑顔とダンスとハイジャンプで満たされた!

場内が暗転すると「tccm」という一文字ずつの電飾がピカピカと光り、3分クッキングのテーマソングとカーペンターズのシングをミックスしたオリジナルのSEで登場するメンバーたち。オープニングからハンドクラップで煽るシモリョーに会場中が応える!ハンドクラップもコール&レスポンスもバッチリ。

「せっかくお金払って観に来てくれるんだから、僕らも楽しんでもらえるようにいろんな事をやろうと思って」とシモリョーが言っていたけど、本当にその通り。ステージ横にはお立ち台のようなミニステージが作られていたり、メンバー紹介もソロコーナーもグッズ紹介もシェフ流のやり方。オーディエンスもそんなシェフの気合いに応えるようにちゃんとついていってる。この時間を待ち遠しく思っていて、思い切り楽しむことにかける気迫が伝わってきた。

だけど、このバンド、ただ楽しませて終わりのバンドじゃない。彼らのライブには怒りほんの少し、少し離れたところから傍観するようなクールさほんの少しが入り混じっている。闘争心とまでは行かないけど、静かなる反抗という感じ。それで、急にそっぽを向いて捻くれたかと思えば、最後はギュッと抱き締めてくれるような温かさで包み込んでくれる。ライブを観ている自分からしたら翻弄されているということにすら気付かないのだけど・・・。でも、元々the chef cooks meの音楽ってそういう音楽だ。「POP」への答えを自分たちなりの解釈で音にした結果、ジャズとかヒップホップとかダブとか何でもありの雑多でごった煮のサウンドで攻めながら、最終的にはリスナーに寄り添うようなハッピーでハートフルなメロディーで笑顔にさせてくれる。勢いよく盛り上げたその熱を持続せずに、急にせつないバラードで一気に聞かせる体勢に入っていくという抑揚の効いたセットリストの流れもそう。ライブだとそんなthe chef cooks meのスパイスがより効いていて癖になりそうだ。

後半では新曲も披露。シモリョーがステージの去り際で「新曲、いっぱいあるんでこれからに期待していてください!」と言っていたのだけど、この新曲がまた良い!弾むようなリズムに乗ったちょっぴり切ないメロディー。そして、そのメロディーを自ら破壊していくようなラスト。次作もかなり期待できる!

そういえば、シモリョーが「やっぱ楽しいですね、音楽って。それがすべてじゃないけど」とボソッと言っていた。「すべてじゃない」っていうのがシモリョーらしいなと思った。楽しいだけじゃないと言えるシモリョーほど音楽と、ポップと、真っ当に向き合ってる人はいないんじゃないかなとも思う。その辺りの冷静さを持ち合わせていながら、これだけオーディエンスを楽しませているのだから、やっぱりthe chef cooks meって凄いバンドだなと思った。

あと、ライブ終了後も少し会場に残っていた方がいいですよと、お伝えしておきます。某メンバーのご家族の方がエンディングで爆笑アナウンスをしますので! これから観る方はお楽しみに! そして、11月28日(金)にはJAPAN CIRCUIT-vol.44-@Zepp Tokyoにも出演するので、そちらも是非!(阿部英理子)
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