「せっかくの大阪でのワンマンだから新曲を作ろうと思った。大阪のみんなのために持って来た曲がある」と、いよいよ“ゴーストタウン”の初披露へ。もちろんリリース前の新曲ゆえ、ファンが耳にしているのはSNSにショートでアップされていたフックのみのはずである。にもかかわらず、ギターロック的なエモーショナルなトラックと確信に満ちたビートが熱く響くと、フロアは波打つように大きく揺れ、この日のライブのクライマックスをさらに更新するように一気に熱が充満していく。高く拳が突き上げられ、コールの声が高まる。SHO-SENSEI!!の歌が響き渡ると、その「言葉」にフロア中が引き込まれていった。そして、曲の途中でSHO-SENSEI!!は突然「みんな低くしゃがんで」と呼びかけた。オーディエンスはこのあとに「来る」フックへの高揚感を抑えながら屈む。待ちきれない。その瞬間に放たれた歌の爆発力は凄まじかった。全員がこの日いちばんの高いジャンプで熱狂を表現し、《腕の中/眠るんだ/全部全部終わったみたいにさ》と、とびきりのシンガロング。未発表にして初披露の楽曲が、すでに最大熱量のアンセムと化していた。SHO-SENSEI!!の新境地とも言えるこの楽曲は、誰とも共有できないやりきれなさ、寂しさ、儚さを歌う。SHO-SENSEI!!のこの「歌」は、今後J-POPシーンにも広く浸透していくものになるだろう。この日のライブはそれを確信させた。
https://x.com/Shosensei/status/1841050243494003082
その熱狂の余韻を残したまま、「次は、これもまだライブで一度もやっていない曲、“THOUSAND LIGHTS”」とタイトルを告げると、フロアからは悲鳴のような歓声が起こる。楽曲に合わせてスマホの光が揺れる美しい光景を生み、“ミシン”“サザン”と続く流れには、客席からも「最高!」の声が飛ぶ。そして「10年くらい前、曲を作ったときには誰も聴かないだろうと思って出した曲。最近やってないので、久しぶりにやります」と“LEGO”をドロップ。SHO-SENSEI!!初期の軸ともなっていたトラップサウンドがダークにフロアの空気を塗り替えていく。初期のトラップ要素の強い展開は“where u at”、そして“Map”へと続き、ベースミュージック的なヒップホップサウンドでクールに観客たちを踊らせる。これもまたSHO-SENSEI!!のライブの魅力だ。
「アンコールはないから」と素っ気なく告げたあとには、現在アルバムを制作中であること、そして来年1月にはツアーが始まることを告知。全国5ヶ所を巡るツアーで、大阪はBIGCAT、東京はSpotify O-EASTと、これまでで最大の規模となるとのこと。この知らせにフロアからは大きな歓喜の声が上がった。そして「あと2曲。マジで2年半くらいやってない曲をやる」と言って、“始発列車”をドロップ。まっすぐに突き刺さるようなロックナンバーで、SHO-SENSEI!!の歌声も、この終盤にきてさらに力強さを増していく。そして「今日は来てくれてありがとう。また1月のツアーで会いましょう」と語りかけたあとは、ラストの“最終列車”。心を震わせるようなビートに乗せて、ライブの終わりを惜しむようなシンガロング。歌い終えたSHO-SENSEI!!は、まだトラックとドラムがアウトロ的に響く中、「ありがとう。また」と言ってステージをあとにした。
宣言通りアンコールはなし。余韻の冷めない会場にBGMとして“ゴーストタウン”が流れ出し、出口へと向かう人たちが例のフックを思い思いに口ずさんでいた。鮮烈だった初披露のパフォーマンスを反芻するかのように。振り返れば全26曲、駆け抜けるように披露したSHO-SENSEI!!。まさに彼の「これまで」と「これから」を刻みつけるような、熱いライブだった。何より“ゴーストタウン”の熱狂は、現在進行形でSHO-SENSEI!!の音楽が多くの人にとっての「自分の歌」となっていることを実感させた。このモードで制作される新作アルバムがどんなものになるのか、とても楽しみだ。(杉浦美恵)
●セットリスト
「SHO-SENSEI!! OSAKA ONE MAN LIVE 2024」
2024.9.25 大阪・梅田クラブクアトロ
01. Years&Years
02. だから一枚だけ盗んだ
03. shutter
04. サテライト
05. Oil
06. エレキ
07. メトロポリタン20.905
08. 電子レンジ
09. 望遠鏡
10. Orion
11. Thunder
12. 国道
13. Diamond
14. 道路工事
15. ゴーストタウン
16. THOUSAND LIGHTS
17. ミシン
18. サザン
19. LEGO
20. where u at
21. Map
22. 夏に嫌われている
23. ハナレバ
24. Hundred Thousand
25. 始発列車
26. 最終列車
●ライブ情報
「SHO-SENSEI!! THE GHOST TOUR」
2025年1月5日(日) 宮城・darwin
2025年1月11日(土) 福岡・DRUM Be-1
2025年1月17日(金) 大阪・BIGCAT
2025年1月18日(土) 愛知・ElectricLadyLand
2025年1月25日(土) 東京・Spotify O-EAST●SHO-SENSEI!!オフィシャルSNS
提供:SHO-SENSEI!!
企画・制作:ROCKIN'ON JAPAN編集部