僕は2日目しか行けなかったんだけど、1日目のセットリストも入手したので、合わせて書きます。
/ のうしろが、ゲストです。ゲストというか、「この曲でVERBALと一緒に歌う人」と言ったほうが正確か、m-floの場合。
1.Love Long and Prosper
2.SOUND BOY THRILLER/LISA
3.How You Like Me Now?/LISA
4.SO EXCLUSIVE/Sowelu
5.1日目:Astrosexy/CHEMISTRY 2日目:VANESSA/Bloodest Saxophone
6.1日目:Love Me After 12AM/ALEX(CLAZZIQUAI PROJECT) 2日目:flo jack/LISA
7.Love Don’t Cry/Crystal Kay
8.正門~prism/LISA
9.the Love Bug/BoA
10.1日目:Mirrorball Satellite 2012/LISA 2日目:Come Back To Me/LISA
11.1日目:Summer Time Love/日之内エミ&Ryohei 2日目:Mirrorball Satellite 2012/LISA
12.1日目:DOPEMAN?/Emyli&Diggy-MO’ 2日目:Summer Time Love/日之内エミ&Ryohei
13.1日目:Love Song/BONNIE PINK 2日目:DOPEMAN?/Emyli&Diggy-MO’
14.1日目:she loves the CREAM/DOPING PANDA 2日目:Float’n Flow/Rie fu
15.Beat ~ love comes and goes/日之内エミ・Ryohei・Emyli・YOSHIKA・Lisa
16.REEEWIND! ~ gET oN!/Crystal Kay
17.A.D.D.P./MONDAY満ちる
18.1日目:Lotta Love/MINMI 2日目:Picture Perfect Love/MONKEY MAJIK
19.Love To Live By/CHARA
アンコール1
20.1日目:Hands/LISA 2日目:Cosmic Night Run/野宮真貴&CRAZY KEN BAND
21. 1日目:L.O.T/LISA 2日目:orbit-3/LISA
22.been so long
アンコール2
23.let go/YOSHIKA
24.come again/LISA
以上です。このようなセットリストなのですが、とりあえず、どうでしょう。
ややこしいでしょう。
特に、10曲目から13曲目あたりが。なんで曲をただ入れ替えるだけじゃなくて、こういうふうに、1曲ずつずらしていったりしたのか。
そこなのだ。実はそこにこそ、この日のライブが、(私、昨日ブログにも書きましたが)「これ以上ない」って言いたくなるような、ほとんど究極と言っていいくらい、すばらしかった理由がある。と、僕は観ていて思った。
これだけの豪華ゲストを集めてライブをやること自体、もちろんすごいけど、前例がないわけではない。いや、世間にじゃなくて、m-floに。
2007年7月21日だったから2年前か。あの横浜アリーナでのライブの時は、確か、この2日間のゲストの多くが1日で出演した上に、melodyや加藤ミリヤや安室奈美恵まで登場した。つまり、ゲストは2年前の方が豪華だったということになる。
にもかかわらず、「うわあ、すごいもん観ちゃった」という驚きや、「ああっ、これ楽しいなあ」「わあ、気持ちいいわこれ」という喜びを感じる瞬間は、2年前よりも今回の方が多かったのだ。
なんで。照明や映像、ステージセット、レーザー光線や銀テープなんかの演出全体が、よかったから。……違う。よかったけど、それは2年前の時も、よかった。
じゃあ何が決定的に違ったのかというと、選曲と、曲順と、曲と曲とのつなぎかただ。要は、構成がすばらしかったのだ。
ゲストが登場する立ち位置が、ステージ上に何ヵ所かある。で、曲が終わってゲストが去ると、次の曲が始まると同時に、その立ち位置のいずれかにパーンとスポットが当たって、次のゲストが登場。その「曲終わる」「次に誰が歌うどの曲が、このタイミングでこういうふうに始まる」「で、ゲストがどこからどう現れる」というのが、ノンストップでつながっていく。
そのさまがすべて、もういちいち完璧というか、絶妙というか、最高なのだ。さっき書いた「うわあ、これうれしいなあ」という瞬間というのは、その瞬間のことです。
曲が終わる。曲が始まる。ゲストが現れる。リズムが響き始める。客席、いや、フロア、すごい勢いで踊りだす。なんというか、もう、まんまDJだった。
だって、☆TakuってDJじゃん。いや、そうなんだけど、ライブとDJは本来別のものだ。ゲストがいっぱい出て、照明や映像など演出上の決め事がいっぱいあって、ステージセットもあるし、客席には万単位の人がいる。そんな中で、普段代官山AIRやスタジオコーストでやっているのと同じように、「この曲の次にこれかけたらみんなびっくりするぞ」とか「次はこういったらみんな喜ぶぞ」ということを優先して、ライブの構成を考えることは、不可能だ。もっとさまざまな要因を考慮に入れた上で、構成せざるをえない。
極端なたとえだけど、ケミカル・ブラザーズのライブとDJ、両方を体験したことのある人ならわかると思う。全然違うでしょ? いい悪いではなく、単に、そういうものだということです。
しかし。m-floは、それを同じにしたのだ。僕は、☆TakuがDJをやり、そこにVERBALや他のボーカリストが入ってくる、m-floのクラブ・ライブを何度か体験したことがあるが、もう、まったくあのまんまだった。いや、あのまんまじゃない。もっとだ。あの快楽が、代々木第一体育館超満員のキャパでくり広げられることによって数十倍になる。そんな3時間弱だった。
もちろんしっとりとしたバラードなんかもあるわけで、そういう意味ではクラブまんまじゃないけど、選曲・曲順・プレイのしかた全体に流れている思想そのものが、クラブまんまのそれだったのだ。
クラブまんまなら優れているとか、そうじゃなきゃいけないとか、そういう話ではない。というか、そもそも、別にそんなことはない。
ただ、事実、m-floがそういうものを目指し、実現した結果として、この10周年の代々木第一体育館は、その場にいるだけで脳からドーパミンがだーだー出るような、もんのすごく気持ちいい空間になっていた。ということです。
とにかく、よかった。そして、こんなことをやれる奴らがいるということに、仰天した。
m-floってすげえなあ。今さらだけど、改めてそう思った。それなりに長いこと聴いてきたし、ライブも観てきたし、何度かインタビューしたこともあるのに、全然わかってなかったんだなあ、と痛感しました。(兵庫慎司)
