SPECIAL OTHERS @ 赤坂BLITZ

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SPECIAL OTHERS @ 赤坂BLITZ - pics by iGa-cpics by iGa-c
『QUTIMA Ver.11 ~シングル配布センター~』というタイトルだけあって、入場時にはスペアザの2010年第一弾シングル『wait for the sun』が手渡されるという斬新な試みのもと開催された今回のワンマン2デイズ。いつものワンマンと同じチケット代でシングルがゲットできるとあって――そして存分にスペアザを堪能できる久々の単独公演ということもあって ――BLITZは文字通りのチョー満員! 2009年4月のアルバム『PB』からしばらくリリースがないにもかかわらずこのキャパを即完できるなんて、スペアザ人気はもうすっかり定着したようだ。

定刻になると、喝采を浴びて4人がオン・ステージ。いつものように左からキーボード・芹澤、ギター・柳下、ベース・又吉、ドラムス・宮原が半円状にスタンバイ。まずはお互いの波長を確かめるように、奔放に音と気持ちを重ねていくメンバー。4人の音の輪がゆっくりと、しかし力強く場内にスプレッドしていき、お客さんは興奮を抑え切れず歓声を上げるなか1曲目になだれ込めば、すぐさまみんなジャンプ・アップ!

7月4日の横浜BLITZ公演があるので詳しく曲目は明かせないのだけれど、序盤からタイトなグルーヴで熱狂を引き起こしていくスペアザである。彼らのライブ・パフォーマンスにおいては、リード・ギターの“ヤギー”こと柳下のギター・プレイの立ち上がりに成否がかかっている部分がかなりデカいのだが、この夜のヤギーはしょっぱなから饒舌かつ快活にギブソンを掻き鳴らし、ぐいぐいバンド・サウンドを牽引。4人の親密な演奏は、ある場合には心がとろけそうなほど優しく、温かなハーモニーを響かせ、またある場合には腕を突き上げずにはいられないくらいスリリングに、アッパーに畳み掛けもして、とにかく一時も飽きさせない。バンド初期から驚くほど変わらないスタンスのスペアザながら、個々のスキルは格段の進化を見せているのだ。

再びのブレイクで宮原と芹澤がオーディエンスに語りかける。

宮原「みんな、ちゃんとシングルもらいました? 俺らまだもらってないんだけど」
芹澤「『忙しいから後にして』って言われて(笑)。でも、俺らも初の試みでね」
宮原「そうだね。みなさん、CDの使い方わかりますか? デッキに入れて、再生を押すんです」
芹澤「あと、畑に吊るしてカラスが来ないようにする、とか(笑)」
宮原「メガネにしてもお洒落だよね」
芹澤「カート・コバーンみたいでカッコいいかも!」

そんなふうに配信世代に向けてのレクチャーも交えて(笑)、ニュー・シングルについてMC。そして、そのニュー・ソング“wait for the sun”をライブ初披露! “AIMS”に通ずる弾むようなリズムと躁的なギター・フレーズが両輪となって疾走するアッパー・チューンに駆られて、初聴ながらオーディエンスは盛大にハンズ・アップして身体を揺らしていた。

いつものスペアザのワンマン同様、この夜も1stセットと2ndセットの二部構成で進行。その第二部では、ニュー・シングルのカップリング曲“Smile”の誕生秘話もご開陳――。

宮原「みんなで公園で練習してたんですよ。したら、じいちゃんとばあちゃんの集団がやってきて、俺たちの前で止まって『一曲やってくれ』って言って。で、演ってみたら気に入ってくれたみたいで、デイ・サービス(老人ホーム)でもやってくださいってなって。『わかりました!』つって。で、『この楽器はキューバの楽器でボンゴと言って』みたいに説明しつつ(笑)、何曲かやったんだよね。帰りに『ジュース代です』って3,000円いただいて(笑)。そのデイサービスの名前が“スマイル”だったんで、その時に作ってた曲のタイトルを “Smile”にして」(この新曲“Smile”が、スパニッシュ風味のガット・ギターがクールな、しかもメロディが童謡的にシンプルでアドラブルな佳曲!)

いつの間にやら少子高齢化社会対応型バンドとして躍進しているスペアザですが(笑)、とくに本編ラストのフェーズは目の前が真っ白になってしまうほどの高揚感と一体感でヤバかった! そう、アンコール含めて2時間半近くにわたってスペアザ・ワールドを堪能できた、実に贅沢な一夜だったのだ。なお、新曲の“wait for the sun”は7月21日からiTunesや着うたなどで配信予定なので、会場に行けなかった方はぜひ!(奥村明裕)
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