Ken Yokoyama @ 新木場STUDIO COAST

Ken Yokoyama @ 新木場STUDIO COAST
Ken Yokoyama @ 新木場STUDIO COAST
4度目となる“The Rags To Riches Tour”。このツアーにはひとつのコンセプトがあって、それは一都市で大会場とライブハウスの2公演を行うというもの。東京を例に取れば新木場STUDIO COAST(キャパ3000)公演と下北沢SHELTER(キャパ300)公演が続けて開催されるという具合で、好みに合わせてベニューをチョイスできるという意味では、なかなかオーディエンス・フレンドリーな企画なのだ。一方、今回はバンドにとってはかなりタイトなスケジュールで、11月14、15日は名古屋で2公演、11月17、18日は大阪で2公演、21、22日は東京で2公演、さらに間の19日にはBRAHMANのツアー・ファイナル@幕張メッセという大舞台もあって、いささかバンドのコンディションが気になるところだが、この夜のセミ・ファイナル@新木場STUDIO COASTには早くから血気盛んなキッズが大挙して詰めかけた。

まず、「祭りの用意はできてるかー!? アゲてこうぜー! 騒げー!」(ボーカル・HIRO)と、ツアーの全ヵ所をサポートしたFACTが威勢よくオンステージ! 「Ken Bandとのツアー(ハァ、ハァ)、チョー楽しかったッス!(ハァ、ハァ、ハァ)」とドラムス・EIJIは鼻息荒く語り(後でケニーに散々イジられてましたが・笑)、フロアを幾度も沸点へと導くエクストリームな熱演を繰り広げたのち、午後8時20分、いよいよKen Bandの登場だ。「FACTで盛り上がったから、今日はゆっくりはじめようと思って」とケニーが開口一番に語り、「まったりしつつも、みんなが歌える曲」とおもむろにコードを奏でて歌いはじめたのは……な、なんと、ブルーハーツの「リンダリンダ」! ワンコーラス後に「Ricky Punks」へとなだれ込み、さらに「Ricky Punks 2」「Funny Thing」「Don’t Make Me Pissed Off, Fuckin’ Son Of A Bitch」と一気呵成に疾走。MCとは真逆の猛チャージにフロアは嬉々としてモッシュ&ダイブに湧き、冒頭からドエラい熱戦が繰り広げられることとなったのだった。

Ken Yokoyama @ 新木場STUDIO COAST
今回のFACTとのツアーについては、「ツアーっておかしなもんで、終わっちゃう前に恋しがってんのね。糞味噌だったけど、いいツアーだったと思います。FACTに拍手!」と讃えつつ、「最初、お面なんて被らなきゃよかったんだよ! 実際見たらガッカリすんじゃん。ビークルから何を学んだんだよ!」と辛辣なツッコミも(笑)。そして、中盤も「My shoes」(「オーオーオー!」と場内一丸の大合唱!)、「Kill For You」(今日イチのモッシュ勃発!)と、ツアーの疲れなんて微塵も感じさせないイッケイケのステージを展開。ブレイクでは弾けるような笑顔で埋まったフロアを見渡して、「この前、幕張のBRAHMANのツアー・ファイナルに出たんだけど、スゴい人入ってたね。今日は3000人来てくれてんだけど、ここもいいんだよね~!」とケニー。「サイコーだわ! 俺は、この光景が愛おしいわ」としみじみしたりする場面もあって(さらに、終演後には「あんなに愛おしい空間はない。クソー、言葉じゃ表せないよ」とのツイートも)、汗ばむような高揚感と共に、いつになく温かい空気が場内を満たしていたのが印象的だった。そういったムードもあったからか、別の場面では「ちょっと混乱してる」という明け透けな心情吐露も――「今年震災があって、ずっとツアーを続けてて。やってる時は楽しいんだけど、ちょっと新曲ができねぇなと思って。だから、来年はしばらくライブやんないで曲作るわ(場内から盛大な「えーっ!」が)。いや、ちょっと全部を止めてやらなきゃダメだなと思って。今までそんなことなかったから、たぶん、自分の中がちょっと混乱してるんだと思うんだけど。メドが立ったらツアーやるから、したらまた観に来て!」。「まだ言えないけど、どうやろうかっていうのがパーっと見えてきたから、たぶん早く(曲が)できると思うよ!」とも語り、飾らない生身のヒーローの姿に盛大な喝采が送られた。

Ken Yokoyama @ 新木場STUDIO COAST
Ken Yokoyama @ 新木場STUDIO COAST
もちろん、俺の方がチ●コ固いだとか、先っちょがピンクだといったケニーとJunさんによる大人げなくも猛爆な掛け合いもありつつ(ちなみに前者42歳、後者47歳!笑)、終盤も「Walk」「What Kind Of Love」のカバー・ソング2連発、 からの「STAY GOLD」投下!と怒涛の勢いで攻め立て、「今のKen Bandのテーマ・ソング。震災があって、もっとこの曲の意味が深まったと俺は思ってる。“繋がっていこう、繋げていこう!”って曲――」と鳴らされた「Let The Beat Carry On」は胸に迫って止まないものがあった。アンコールでも「Running On The Winding Road」「The Sound Of Secret Minds」と今一度沸点へと駆け上がって大団円。翌日の下北沢SHELTERファイナルの後も、東北の“We Are Fuckin' One Tour”、そして12月には今年最後となるツアー“MATSUKENANIKI&HIROSHIMA TOUR”が控える。小休止の前に、ナンボでも観とくべし!(奥村明裕)

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