昨年は淡路島の淡路夢舞台野外劇場にて、瀬戸内海を背にした雄大なステージで数々の熱演を繰り広げたBEAT CRUSADERSプレゼンツの“ボイサマ”ことBOYZ OF SUMMERが、五度目を迎えた今回は、ヒダカトオルの地元・千葉にて開催! 出演順にRAZORS EDGE、SCOOBIE DO、bonobos、YOUR SONG IS GOOD、TROPICAL GORILLA、カジヒデキ、ASPARAGUSと、今年もビークルゆかりの(お)面々が結集。真っ昼間から天上知らずの熱狂が展開されたのだ。
当日は真夏の暑さがぶり返したような暑さ。抜けるような晴天である。千葉みなと駅からてくてく歩くこと十数分。会場となる千葉ポートパークに足を踏み入れると、そこにはいくつものBOYZ OF SUMMERの幟、そしてお面のプリントされた巨大なコンドーム型(?)バルーンが立ちならび、いささか珍妙だがスペシャルなお祭り空間が出現。向かって左手にSOTO-BO STAGE、右手にUCHI-BO STAGEというふたつの大きな舞台が設営されていて、バンド主導のイベントという枠を超えた、“ロック・フェス”然とした堂々たるスケールである。
午後1時ちょうどに、盛大な歓声を浴びてビークルの5人がオン・ステージ。高々と右手を掲げてヒダカ、「我々BEAT CRUSADERSは、お面代表としてここ千葉に熱いロック魂を炸裂されることを誓います! BOYZ OF SUMMER、スタートッ!!」と声高に開会宣言。そこから約7時間にわたって、ふたつのステージに立ち代わりバンドが登場。どれも見逃せないアクトばかりで、10分間の転換タイムはあるものの、息つく暇もなく楽しみすぎてヘトヘトになってしまった筆者である。ヤベぇ、クソ楽しい!
「TIME FLIES, EVERYTHING GOES」とはよく言ったもので、ビークル登場の段になると辺りはすっかり夕闇に包まれている。午後6時半。黒山のオーディエンスが待ち受ける中、“SASQUATCH”のSEにのって大きな風船を手に5人が登場。一気呵成にオープニング・チューン“TIME FLIES, EVERYTHING GOES”に雪崩れ込めば、栓を抜いたように同時多発的に沸き立つフロア! ケイタイモが巨大風船を次々とフロアに投げ込み、ギター・タロウはステージを右に左に駆けまわり、尋常ならざるテンションで“JAPANESE GIRL”、“ISOLATIONS”、“DAY AFTER DAY”と畳み掛ける。中盤の“WORK IT OUT”ではゲスト・コーラスにBREMENのエリーが登場。さらに“SUMMEREND”ではbloodthirsty butchers・吉村秀樹氏が駆けつけてあの轟音ギターを響かせるなど、見所も満載。先の開会宣言に違わぬ熱きロック魂を爆裂させ、“キャリア総決算”と言えるような威風堂々たるステージで誰しもを歓喜の渦に巻き込んだのだった。
そう、今夜のビークルからは盤石のバンド・サウンドはもちろん、相変わらずコミカルな居ずまいからも「貫禄」のようなものがビシビシと感じられて、新メンバーでの始動直後から観させてもらっている身としては、見違えるような5人を目の当たりにして「スゲぇなあ」と改めて感嘆を禁じ得なかったです、ほんとに。最後はSCOOBIEのオカモト“MOBY”タクヤ、ユアソン・白石&モーリス(ほぼ泥酔)、そして“カジくん”ことカジヒデキを呼び込んで、千葉県出身者による「Little Bitch」(by The Specials)を大セッション! さらにユアソン・メンバー全員と「FOOL GROOVE」、そして出演者全員をステージに呼び込んで盛大に「BE MY WIFE」を届け、BOYZ OF SUMMER’08は大団円を迎えたのでした。繰り返しになっちゃうけど、マジ楽しかった!!(奥村明裕)
BEAT CRUSADERS presents BOYZ OF SUMMER\'08 @ 千葉ポートパーク 特設野外ステージ
2008.09.13