2007年に結成され、ライヴとリリースを続けながら、アマチュア・アーティスト・コンテスト『RO69JACK2011』の優勝アーティストとしてROCK IN JAPAN FES. 2011に出演。今年8月にJACKMAN RECORDSからミニ・アルバム『彗星の仕組み』をリリースしたshepherd。9/21からは関東圏各地と大阪、名古屋を巡るリリース・ツアー全8本が行われ、そして辿り着いたファイナルはShibuya O-nestの、バンド史上初となるワンマン・ライヴだ。フロアは駆けつけた数多くのファンで見事な盛況ぶりである。
中野誠之(Vo./G.)は序盤、「昨日も、遠足の前の日のような、でも受験の前の日のような気持ちで……ちょっとやってみて、そういうたとえでは表せない気持ちだなって思ったんですが……僕たちは最後まで精一杯やって帰るだけなので、どこかでみなさんと繋がれたらいいなと思います」と語っていた。この「どこかでみなさんと繋がれたらいい」という感覚は、自己表現をする人なら多かれ少なかれ持っている気持ちだとは思うし、表現者としての欲求と謙虚さが綯い交ぜになった一見普通の言葉なのだが、shepherdの場合はその後が普通じゃなかった。
さらに、「アンコールというのは普通、その日のライヴを締め括るためにあると思うんですけど、今日はちょっと違って、僕に時間をください」と前置きして、いわゆるアンコールの時間にソロの弾き語りを見せる。「音楽って、ウソみたいな事でも歌だとスッと入ってきて、それって凄いなと思うんですけど、僕は歌だけが正しいとは思っていなくて、本当に伝えられるべきことはメロディがなくても伝えられるべきなんじゃないかって、自分に対して思っています」と“僕のための君の詩”を披露する。実はその曲自体が、極めて美しいメロディで成り立っていたのだけれど、単にシンガー/ソングライターではなく一人の人間としての中野の「言葉使い」のスタンスが表れていた。
序盤に配置された“Sea Side Psychedelia”を聴いたときにROCK IN JAPAN FES. 2011の鮮烈なステージのことを思い出し、本編後半に『彗星の仕組み』収録曲群の高揚感の中でバンドの成長を見せつけたステージ。なおshepherdは今後、12/22に、渋谷DESEOと渋谷club乙-kinoto-(同じビル内にある2会場)で行われるカフカ×club乙-kinoto-コンピレーション『pulse』のリリース・パーティに出演する予定だ。shepherdは同コンピに新曲“虹のない空”で参加している。(小池宏和)
01: モノワカリ
02: リビング
03: primrose
04: Sea Side Psychedelia
05: nameless silhouette
06: 分別
07: 虹のない空
08: irony
09: 舞姫
10: 彗星のしくみ
11: virgin in clinic
12: ヒロイン
13: 再生回数
14: camouflage
15: アマレット
16: atelier
17: 無敵のスーパーヒーロー
En1-1: little anniversary (弾き語り)
En1-2: 僕のための君の詩 (弾き語り)
En2: Roller coaster