日本最大級のヘヴィ・メタル/ラウド系ロック・フェス『LOUD PARK』、今年もいよいよ開幕! そして、2006年のスタートから数えて早8回目となる今年は、2010年以来3年ぶりの土日2日間での開催! ヴォーカルにチェスター・ベニントン(LINKIN PARK)を迎えたSTONE TEMPLE PILOTSをはじめ、古豪EUROPEから全員10代(!)のLOST SOCIETYまで多彩な北欧勢、さらにブラジルのメロディック・メタルの雄:ANGRA、UKメロディック・デスの豪傑CARCASS……などなど充実のラインナップとなった1日目。昨年の3ステージ制(メイン・アリーナとは別に可動式スタンドの裏に3つ目のステージ=「EXTREME STAGE」を設置していた)から、再び2ステージ制での開催となった『LOUD PARK 13』。2つのメイン・ステージ「ULTIMATE STAGE」(ステージ向かって左)「BIG ROCK STAGE」(向かって右)が左右に隣り合う形で設置されたアリーナで、計12組が轟音の限りを尽くす響宴が展開されていった。
この日、「ULTIMATE STAGE」でヘッドライナーを務めたのは、『LOUD PARK』初登場・STONE TEMPLE PILOTS! スコット・ウェイランドに代わりチェスターの加入が発表されてから約半年。まさに今月リリースされたばかりの、「Stone Temple Pilots with Chester Bennington」名義の最新EP『High Rise』から“Out Of Time”“Black Heart”を披露する一方で、1stアルバム『Core』の“Dead & Bloated”“Sex Type Thing”、2nd『Purple』の“Meatplow”“Vasoline”など初期曲まで含め、再結成後の6th『Stone Temple Pilots』以外全作を網羅するセットリスト。びりびりとアリーナの空気を震わせる、ロバート、ディーン、エリックの超硬質オルタナティヴ・サウンドに、チェスターのハイ・ヴォルテージなヴォーカルがさらなる生命力を吹き込んでいく。メタル・フェスのラインナップの中にあっては異色のブッキングながら、新たに「最新型」に生まれ変わったそのフォーメーションの強烈な存在感を十二分に披露してみせた。LINKIN PARKでのシリアスな佇まいとは違い、ステージを軽やかに動き回り緩急自在の歌声を披露するチェスターのエモーショナルな躍動感も印象的だった。
その一方で、ヘヴィ・メタルのスター性の塊のようなアクトを展開したのが、「BIG ROCK STAGE」のトリとして登場したEUROPE!(こちらも『LOUD PARK』初出演)。いきなり最新アルバム『Bag Of Bones』から叩き付けた“Riches to Rags”でのジョーイ・テンペストの天を裂くようなハイトーン・シャウトといい、“Scream For Anger”で飛び出したジョン・ノーラムの華麗なギター・ソロといい、“Ninja”“Rock The Night”など出し惜しみなしの最強セットリストといい、まさに死角なし。何度もマイクスタンドをぶん回し、「イッショニウタッテ!」と熱く呼びかけるジョーイのコールに応えて、名バラード“Carrie”で高らかなシンガロング&ハンドウェーブを巻き起こしていく。2007年・2010年と単独来日公演を観ているのだが、メタルの祭典たるこの日のステージで観るその演奏はやはりどこまでも破格のスケールに満ちている。それこそ“The Final Countdown”1曲を目当てで観ている人にすら、“The Final Countdown”の存在を危うく忘れかけさせるだけの威力が、その1音1音には備わっている。そこへ満を持してラストに“The Final Countdown”である。大合唱するなというほうが無理というものだ。「ファンタスティック! マタアオウゼ!」と意気揚々と去っていったジョーイら5人に、熱い歓声が降り注いだ。
各ステージのトリ前も強豪揃い。「ULTIMATE STAGE」には2006年・2010年に続いての登場となるANGRA! 昨年脱退したエドゥ(Vo)に代わってファビオ・リオーネ(RHAPSODY OF FIRE)をシンガーに迎えたこの日のアクト。序盤の機材の不調もどこ吹く風とばかりに“Nothing to Say”“Winds of Destination”などを連射して会場丸ごとメロディック・スピード・メタルの嵐に巻き込んでいく。“Sprouts of Time”で湧き起こったクラップを貫くように鮮烈に響いたラファエル・ビッテンコート&キコ・ルーレイロのツイン・ギター・ソロ。「ミンナニ、アエテ、ウレシイ!」と感激を伝えつつ、終盤には日の丸の旗をマントのようにまとって“Carry On”“Rebirth”を絶唱していたファビオ。極彩色のサウンドだけでなく名場面満載のアクトだった。そして「BIG ROCK STAGE」のCARCASS! マイケル・アモット&ダニエル・アーランドソンのARCH ENEMY組が昨年脱退、新たにベン・アッシュ(G)&ダニエル・ワイルディング(Dr)を加えたラインナップで臨んだ5年ぶりの『LOUD PARK』出演。“Unfit for Human Consumption”“Captive Bolt Pistol”といった最新作『Surgical Steel』の楽曲もがっつり盛り込みつつ、“Buried Dreams”など、ビル・スティアー(G)らによる凄絶なデス・サウンドとジェフ・ウォーカー(B・Vo)のスクリームを轟かせ、巨大な空間を暗黒狂騒空間の真っ只中に叩き込んでみせた。「ニホンゴハ、ハナセマセン! スミマセン!」と言いつつ「コニチワ『LOUD PARK』!」「アリガト!」「サヨナラ、オヤスミナサイ!」と随所に日本語MCを盛り込んで、熱気あふれるアリーナを沸かせていた。
この日の幕開けを飾ったのはフィンランド新鋭4人組=LOST SOCIETY。“Thrash All Over You”など1stアルバム『Fast Loud Death』からのナンバーを畳み掛け、全員10代とは思えない堂々たるスラッシュ・メタル・ソルジャーっぷりと、全員10代ならではの荒ぶる衝動を開演早々から見せつけていった。ダンサブルなメタルコア・サウンドから最後の“Leviathan”の雄大な音風景まで壮絶なアクトを、「4年ぶりにここに戻ってきました!」と気合いあふれまくりのKENTA KOIE(Vo)のMCとともに熱く放っていったのは、2009年以来の『LOUD PARK』出演となるこの日唯一の日本のバンド=Crossfaith。そして、“The House Of Wolves”“Can You Feel My Heart”をはじめ、人力/エレクトロ含めありとあらゆるラウド・ロックのDNAを受け継いだかのような獰猛な爆発力で、『LOUD PARK』に新たなページを刻んでいったのはUK精鋭:BRING ME THE HORIZON。続くDEVIN TOWNSEND PROJECTは、“Juular”などミューズあたりのスタジアム感にも通じるマッシヴでプログレッシヴなウォール・オブ・サウンドでもってオーディエンスを高揚の彼方へ導き、“Grace”の荘厳なアンサンブルでそれこそ人智を超える勢いの音空間を生み出してみせた。
中盤は異形バンドひしめく阿鼻叫喚の轟音響宴からスタート。スウェーデンの雄=THERIONの白塗りVo・スノーウィ(トーマスの代役として出演)のデス・スクリーム&ハイトーン・シャウトと女性ヴォーカル×2の麗しのアリアがアリーナ狭しと響き渡り、ゴスな楽曲もフレンチ・ポップスもそのシンフォニック・サウンドでもって壮麗なメタル・オペラの世界へと叩き込んでみせたところに、さらに総帥Mr.ローディ率いるフィンランドの豪傑LORDIが、人外魔境からそのまま抜け出してきたような佇まいで登場! 聴く者の身体も心も震撼させるメロディック・メタルを炸裂させながら“Who's Your Daddy”で勢いよくCO2を噴射し、“I'm The Best”でアリーナ丸ごと揺さぶるほどの爆音とシンガロングを巻き起こし――といった妖気あふれまくりのアクトで、初登場となる『LOUD PARK』に深々と爪痕を残していった。
LAメタル直系の華麗なるハード・ロックのダイナミズムを見せつけていたのは、ジョージ・リンチ率いるLYNCH MOB。2009年以来2度目の『LOUD PARK』出演となる今回は、脱退したオニー・ローガン(Vo)に代わりBURNING RAINのキース・セント・ジョンを加え、“Wicked Sensation”などLYNCH MOB曲だけでなく“Tooth and Nail”“Alone Again”といったジョージ古巣・DOKKENのナンバーまでエネルギッシュに披露していた――と思ったら、続いてのステージには再び死神とその使徒の如き姿が。そう、2010年に白血病に倒れたネルガル(Vo・G)率いるポーランド発エクストリーム・メタル=BEHEMOTH、ネルガル完全復活後では初となる来日が実現! インフェルノの超高速ツーバスが轟く中、“Demigod”“Alas, Lord Is Upon Me”など熾烈なる爆音を噴き上げながら、さいたまスーパーアリーナ丸ごと黄泉の国に引きずり込むような熱演を見せつけてくれた。(高橋智樹)
LOUD PARK 13(1日目) @ さいたまスーパーアリーナ
2013.10.19