メタリカ、動物愛護の観点からグラストンベリー・フェスへの出演中止を要請される


ミュージシャンの間で賛否を呼んでいるメタリカのグラストンベリー・フェスティヴァルへのヘッドライナー出演だが、ネットではメタリカの出演を中止にしてほしいという請願運動が起こされている。

ただし、この請願は動物愛護の立場からメタリカの出演を禁じてほしいとするもので、メタリカのジェイムス・ヘットフィールドが熊の猟を扱ったテレビ番組のナレーターを務めていることへの抗議だという。

自身も猟を趣味にしているジェイムスはヒストリー・チャンネルの『The Hunt』という8回シリーズの番組のナレーションを務めることになっている。番組の内容は、猟を趣味とするグループの一団がアラスカのコディアック島に赴きコディアックヒグマを仕留めていく姿を紹介するというもの。

番組は6月8日に放送開始になるが、この番組へのジェイムスの出演に対する抗議としてフェイスブックでは「Remove Metallica from Glastonbury Festival for their Support of Bear Hunting(熊猟を後押ししているメタリカをグラストンベリー・フェスティヴァルから追放しよう)」というページが開設されている。サイトはすでに2万5千人を越える「いいね!」を獲得している。

このページの代理人によれば、このキャンペーンはメタリカに対するものではなく、スポーツとして行われている大型動物の狩猟をメタリカが支持していることへの抗議だという。匿名を望んでいるこの代理人はさらに次のようにNMEに語っている。

「これは食卓のために、あるいは食糧やサヴァイヴァルのために行われる猟ではないのです。熊の肉を食べることはできますが、滅多に食べられることはありません。かといって、この猟は環境保全のために行われるものでもないんです。また、コディアックヒグマ猟は伝統的な手法をとると称して、コンパウンド弓と黒色火薬を使った単発式ライフルを使って行われますが、こうした道具を使った猟では、精度や弾丸速度の速いライフルを使った時とは違って、獲物を即死させることは滅多にできないんですよ。たいていの場合、獲物はまず手負いとなって、相当の痛みを強いられますが、そのまま生き残るか死んでしまうかもよくわからないんです。手負いとなった野生動物は健康な状態の動物よりもはるかに危険な存在となります」

「猟をするのは問題ないことだという考え自体が、たくさんの人にとって理不尽なものとなっています。これに疑問を挟むことさえすでに馬鹿げています。わたしたちはこの惑星をほかの生き物とともに分かち合っているのです。そうした動物を彼らにとっての最大の脅威、つまり、わたしたち人間から守ることが、わたしたちに課せられている義務なのです。また、この抗議については特にメタリカだけに向けられたものではないことも断っておきたいと思います。もし、ほかのバンドが同じような立場にあったら、わたしはそのバンドに対しても同じような行動をとります。名声には責任もまたついてまわります。ジェイムスとほかのバンド・メンバーがこれとは別の分野で達成したことについては称賛したいと思いますが、だからといって、これが帳消しになるわけではありません。むしろ、今こそ新たな動機のために立ち上がって、大型動物猟に反対する声を上げていく機会なのです」

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