Facebookに寄せられた600万「いいね!」の所有権を主張した管理人が敗訴

Facebookに寄せられた600万「いいね!」の所有権を主張した管理人が敗訴 - 『ザ・ゲーム』 オフィシャル・フェイスブックより『ザ・ゲーム』 オフィシャル・フェイスブックより

放送を打ち切られたドラマをフェイスブックやツイッターのキャンペーンで他局にて蘇らせた女性が、この番組のフェイスブックにおける600万以上の「いいね!」を自分の所有物として裁判で主張して棄却されたとビルボード誌が伝えている。

『ザ・ゲーム』というこのドラマはNFLのプロ・フットボール選手と交際する女性とその友人たちの群像劇を描いたコメディになっているが、2006年にアメリカのCWテレビで放送開始となったものの、09年を最後にいったん打ち切りに追い込まれることになった。

そこで普段は保険外交員をしているというステイシー・マトックスは『ザ・ゲーム』のフェイスブック・ページを開設し、さらにフェイスブックとツイッターでキャンペーンを張ったところ、60万以上の「いいね!」を獲得して、番組もBETテレビで2011年から放送再開にこぎつけることになった。

しかし、その後、マトックスの扱いや『ザ・ゲーム』のフェイスブック・ページの所有権をめぐってマトックスとBETの間で紛糾することになったという。もともとBET側は時給30ドル(約3118円)でマトックスにフリーとしてページの管理にあたってもらいたいと考えていたのを固定給の方が都合がいいと方針を変え、マトックスに年棒8万5千ドル(約883万4千円)を提示したというが、マトックスは安すぎるとして提案をいったんは蹴ったという。その一方で、マトックスが番組のフェイスブック・ページをBETに譲ることを拒否した際、フェイスブックの管理側がマトックスのアカウントをいったん凍結させたため、マトックスも軟化し、特にこのページの扱いをめぐる交渉に双方で入り、書簡による合意に達したという。

さらにこのフェイスブック・ページの権利の買取に交渉は移ったというが、BET側が1万5千ドル(約155万9千円)を提示したのに対して、マトックスは120万ドル(約1億2471万円)を主張してまったく折り合わず交渉が難航。交渉が長引くなかでマトックスはBET側のページの管理へのアクセスを制限するようになり、このことがこじれて訴訟にまで発展したという。その訴訟の中での争点の一つがこのページに対する600万「いいね!」はマトックスの貢献によるものでこの600万「いいね!」の所有権はマトックスにあるはずだということだった。

これに対してフロリダの連邦裁判所はフェイスブックにおける「いいね!」の結果は所有できるものではないと裁定し、さらにBET側による番組のフェイスブック・ページへの介入は不当なものではないとの見解も下した。番組そのものがBETの知的財産に当たるので、フェイスブック・ページを管理するべくBETが動くのは当然だと判事は説明し、そこにそれ以外の思惑があったとしても、マトックスが訴えているように悪意が介在した証拠はどこにもないとして、マトックスの訴えは却下されたという。

さらにマトックスは書簡での合意についての違反をBETが冒したとも訴えていたが、もともとマトックスがBET側のフェイスブック・ページへの管理アクセスを制限した時点で契約義務違反を冒していたとしてこの訴えも却下されることになった。

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