ザ・ドアーズの幻のドキュメンタリー『Feast of Friends』、11月に公式リリース決定
2014.09.16 19:08
1968年にザ・ドアーズが自ら製作したドキュメンタリー作品で長く失われた映像となっていた『Feast of Friends』が初めて11月11日にオフィシャル・リリースされることになる。
『Feast of Friends』は「ドアーズがドアーズについて製作した最初で最後の映像作品」だとされていて、製作費もバンドが捻出して製作されたものだった。監督を務めたのは数々のドアーズとジム・モリソンの写真で有名なポール・フェラーラで、1969年から70年にかけてさまざまなフェスティヴァルで上映されることになった。
その後、ジムが抱えていた訴訟問題などの関係で映像そのものはお蔵入りとなってしまい、海賊盤映像のみが出回って来ていたが、2009年の『まぼろしの世界』など「数多くのドアーズをめぐるドキュメンタリーやミュージック・クリップのインスピレーションの源泉となってきた」と作品のプレス・リリースは説明している。
その後の海賊盤の出所はジム・モリソン自身だったとも言われていて、ジムは死の数か月前にパリへ渡仏した際にもこのフィルムを紙袋に入れて持ち歩いていたという。ジムはそのフィルムを友人宅に残したまま、1971年7月に急死し、その後フィルムはさまざまな形でファンの間を転々とし、近年になってネットで映像が公開されていた。今回映像はリマスタリングを経て、DVDとブルーレイでリリースされ、サウンドトラックについては長くドアーズのエンジニアやプロデューサーを務めたブルース・ボトニックがリマスタリングとリミックスを手がけている。
内容は1968年のツアーでのドアーズの姿を捉えたものになっていて、ライヴ映像とバンドの素顔を構成した作品になっている。
なお、今回のリリースにあたって特典映像が3点ついてくるとのことで、その一つは『Feast of Friends: Encore』という今回のリマスタリングの際に製作された新しいドキュメンタリーで、『Feast of Friends』製作時のバンドの動向を掘り下げた内容になっているという。映像としては"ワイルド・チャイルド"のレコーディング風景、ロビー・クリーガーによる未発表ソロ演奏、これまで未発表となっていた写真家のリチャード・アヴェドンとバンドとの間で闘われる言い争いの様子などが収録されているという。
二つ目は1968年にイギリスで製作されたドキュメンタリー『The Doors Are Open』で、こちらはロンドンのラウンドハウスでのライヴ映像とヴェトナム戦争やアメリカの学生による反戦運動などのニュース映像とを織り交ぜた内容になっていて、当時の世相を反映してドアーズが帯びていた政治的な重要性が浮き彫りになった作品になっているという。
三つ目は『The End』という"ジ・エンド"のライヴ映像で、1967年にカナダのテレビ番組『ジ・オキーフ・センター・プレゼンツ』用に行ったもの。ロビー、ジョン・デンスモア、レイ・マンザレク、ダニー・シュガーマンらのインタヴューも併せて収録されているが、ライヴに関してはファンの間でもドアーズの映像作品としては最高の部類に属するものとして知られているものだという。
『Feast of Friends』の予告編はこちらから。