イギー・ポップ、アメリカの大統領を志したこともあったと語る

イギー・ポップ、アメリカの大統領を志したこともあったと語る

イギー・ポップはかつて政治家を志したこともあったと明らかにしている。10月9日にBBCラジオに出演したイギーは次のように語っている。

「政治家を志したことも確かにあったんだけど……それもJFK(ジョン・F・ケネディ)が暗殺されるまでの話だったね。それからは……」

そこでインタヴュアーに「自分には向いてないと思った?」と訊かれると次のように返答している。

「向いてないと思ったけど、JFKが撃たれたからじゃなくて、むしろ……その後がいきなり、ニクソン(第37代大統領。69年から就任し2期目の74年にウォーターゲート疑獄で辞任)とか、ヒューバート・ハンフリー(ジョンソン大統領在任時の副大統領で68年の大統領選挙に出馬し、ニクソンに敗れる)、LBJ(第36代大統領リンドン・B・ジョンソン。ケネディの暗殺後、副大統領から大統領に就任し、2期務める)とかがきて、ガキでもこういう連中を一瞥すれば、ろくな連中じゃないってわかったからね」

なお、イギーは10月13日にBBCが主催するジョン・ピール講座で講演を行う予定になっていて、「資本主義社会における無償の音楽」という題でスピーチを行う。ジョン・ピール講座はBBCラジオでロック・アーティストの発掘とライヴ・セッションなどを届けた伝説的なラジオDJ、ジョン・ピールにちなんだ恒例の講座で、毎年音楽業界の傑出した人物が音楽業界の問題点などについての講演を行うことになっている。初年度となった2011年にはザ・フーのピート・タウンゼントが公演を行い、その後、ビリー・ブラッグ、シャルロット・チャーチが続いている。

イギーは今回の公演の趣旨を次のように説明している。

「俺が駆け出しだった頃、俺はまだ自分がレコード会社のために儲けを出さなきゃならないんだという信用義務についてまるで自覚ができてなくて、ほかのことを考えてたんだよね。それから何年か経つと、俺はレコード業界にとって鼻つまみ者になったから、そのことが大きな問題になったんだよ。俺は一つのシステムによって支配されかかっているような社会における自由、それと無償でなにかを提供することの意義を主張したかったんだ。そういう社会では、ふんぞり返って利益を回収したがっている誰かさんに対して投資してもらったお金を早急に返済しなくちゃならないから、一つのシステム(資本主義)がそれ以外のシステムをどんどん脅かすことになっていくんだよ。それはそれで構わないことだし、うまくいくシステムなんだろうけど、ちょっとうまくいきすぎているような時には誰かが押し返してやらないとだめだってことなんだ」

なお、先頃、イギーは『サスペリア』や『ゾンビ』で有名なイタリアのホラー映画監督ダリオ・アルジェントの新作『The Sandman』に殺人鬼役として出演することが発表された。その一方でイギーは今年3月にザ・ストゥージズのスコット・アシュトンが他界したのを機にしばらくはライヴをやる気になれないとしていて、いずれやる日が来るはずだがそれが何年先になるのかはわからないと語っている。

(c) NME.COM / IPC Media 2014

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