6月10日にリリースされる新作『ドローンズ』の詳細について明らかにしたミューズだが、来るツアーでは観客の頭上でドローンを飛ばしたいと構想を明らかにしている。
ロサンゼルスのラジオ局アルト98.7の番組に出演したマット・ベラミーは新作用のツアーの構想について次のように語っている。
「ぼくたちはライヴに今時のテクノロジーを導入するのが大好きなんだよ、それが最新型のヴィジョンだろうが、照明だろうが、レーザー装置だろうが、なんだろうとね。そして、ドローンは明らかにライヴに組み込んでみたら面白そうな要素だから、それをやってみようと思うんだよ」
「ただね、人の頭上にものを飛ばすとなると健康面や安全面でいろいろ規制があってそれが問題になってくるんだけど、要するにツアーが始まったら、ぼくたちはなんかを飛ばそうと思ってるということなんだよ」
その一方で新作『ドローンズ』はコンセプト・アルバムなのかどうかという問いには次のように答えている。
「うん、かなりの度合いでそういうもんだよね。でも、ピンク・フロイドがやっていたような厳密な形でコンセプト・アルバムだとはいえないんだよ。曲はそれぞれでもう一つの作品として完結してるんだけど、アルバムとして合わせてみると、ドローンというコンセプトとして一つにまとまってくるんだよ」
「ゆるい感じではあるけどストーリーラインはあって、主人公はある旅を通してすべて喪失する経験をして、どこか洗脳されたような感じになって、軍隊に入隊させられることになって、魂を失った人のような感覚に捉われることになるんだね。けれども、やがて魂を取り戻すことになって、最初から自分たちを抑圧してきたシステムと闘うことになるんだ。この旅路が頭からの8曲で繰り広げられて、そしてアルバムのエンディングはそれとはちょっと離れたテーマでのエピローグとなるんだよ」
さらに『ドローン』は『オリジン・オブ・シンメトリー』の"シチズン・イレイスド"の続編となる10分に及ぶ大作の"ザ・グローバリスト"を収録し、また、"【JFK】"ではジョン・F・ケネディ大統領の演説の一部を音源として使っているが、この曲は「人間の強さ、人間の精神、そしてぼくたちが全員持っている自由への希求」をテーマにしているという。
「基本的に技術的な意味でドローンにどういうことができるのかということに興味があって、それはこういう機械がちょうど登場して勢いを増しているからなんだよ。つまり、ぼくなんかは『ターミネーター2』なんかを観て育った世代で、そういう映画ではいずれこういうことになるということになってて、それが今こうやって現実になってるわけだからね、だから、こうしたことを歌ったり話題にしたりすることが面白いんじゃないかと思ったんだよ。人間にとってどういう意味を持つものなのか、人間が関わっていくとどういう意味を持つのか、あるいは戦争行為という方程式から人間的な感情が排除されていくとどうなるのかとか、そういうことを考えてたから、取り組んでみたら面白いテーマになるかなと思ったんだけど、でも、別にそんなことわかってなくてもアルバムは楽しめるわけで、というのもかなりイケてるリフがいくつも詰まってるからなんだよ」