「僕は死ぬまで歌を歌い続けます!」伊東歌詞太郎、決意のツアーファイナルをレポート

  • 「僕は死ぬまで歌を歌い続けます!」伊東歌詞太郎、決意のツアーファイナルをレポート
  • 「僕は死ぬまで歌を歌い続けます!」伊東歌詞太郎、決意のツアーファイナルをレポート
  • 「僕は死ぬまで歌を歌い続けます!」伊東歌詞太郎、決意のツアーファイナルをレポート
  • 「僕は死ぬまで歌を歌い続けます!」伊東歌詞太郎、決意のツアーファイナルをレポート
  • 「僕は死ぬまで歌を歌い続けます!」伊東歌詞太郎、決意のツアーファイナルをレポート
  • 「僕は死ぬまで歌を歌い続けます!」伊東歌詞太郎、決意のツアーファイナルをレポート
  • 「僕は死ぬまで歌を歌い続けます!」伊東歌詞太郎、決意のツアーファイナルをレポート
  • 「僕は死ぬまで歌を歌い続けます!」伊東歌詞太郎、決意のツアーファイナルをレポート
  • 「僕は死ぬまで歌を歌い続けます!」伊東歌詞太郎、決意のツアーファイナルをレポート
  • 「僕は死ぬまで歌を歌い続けます!」伊東歌詞太郎、決意のツアーファイナルをレポート
  • 「僕は死ぬまで歌を歌い続けます!」伊東歌詞太郎、決意のツアーファイナルをレポート
  • 「僕は死ぬまで歌を歌い続けます!」伊東歌詞太郎、決意のツアーファイナルをレポート

5月よりワンマンライブツアー「わざ」を敢行し、全10都市の会場をまわってきた伊東歌詞太郎。2015年6月7日、その最終公演がEX THEATER ROPPONGIにて行われた。RO69では、この模様をライヴ写真とレポートでお届けする。

--------------------------

歌を歌い続けるということ。シンプルでありながら、ただならぬ努力と強靭な意志を必要とするその目標に、伊東歌詞太郎は挑み続けている。初の全国ワンマンツアーのファイナルとなったEX THEATER ROPPONGI公演は、彼がこれまでの活動を通して身に付けた姿勢、そして明日からも続いていく長い道のりと向き合う覚悟の両方を感じさせる、意味深いライヴとなった。

「待たせたな、東京!」という力強い言葉と共に、颯爽とステージに表れた歌詞太郎。4月にリリースした2ndアルバム『二律背反』のオープニングナンバー”夢地図”から、ライヴは勢い良く幕を開けた。彼はもともと、ニコニコ動画の「歌ってみた」カテゴリーから登場してきた歌い手であった。しかし、ヴァーチャルな世界にとどまることは決してせず、47都道府県を巡る路上ツアーを展開するなど、何よりもライヴを大切にする姿勢を貫きながら活動を続けてきた。そして、ついに辿り着いたのが、ワンマンライヴの会場としては最大規模となる、このEX THEATER ROPPONGIだ。トレードマークである狐のお面を取った彼の真っ直ぐな視線からは、目の前の観客と全力でコミュニケーションを楽しもうとする意気込みが感じられる。何度も拳を突き上げながらフロアを煽る歌詞太郎の熱量を受け、会場は1曲目から高揚感に満たされていく。そして、圧倒されたのがその伸びやかでパワフルな歌声だ。ネット音源、CD音源には収まり切らないスケール感と躍動感に満ちた歌声が、1500人規模の会場に所狭しと響き渡る。

続いて、人気ボカロ曲が立て続けに披露されていく。”ホシアイ”の《この夜を待ってたんだ》いうフレーズに、この日のライヴを待ち望んでいた歌詞太郎の想いが重ねられる。歌詞太郎のライヴへ観客が期待するのは、「人気曲を人気の歌い手が歌う」というパフォーマンスだけではない。2ndアルバム『ニ律背反』の半数以上を占めるのは、歌詞太郎自身によるオリジナル曲であり、それらが今回のライヴの一つの軸となっていた。伸びやかなアカペラから始まった”ポプラの丘に風が吹く”、牧歌的なコーラスが会場を多幸感で満たした”Everything’s gonna be alright”。伊東歌詞太郎が思うこと、感じること、知ったこと、そして生きていることがダイレクトに反映された楽曲は、彼の生き様を感じさせる生々しいドキュメントとしての一面がある。しかし、このライヴを見れば、そうしたパーソナルな楽曲が、ステージ上ではポピュラーなものとして響き得る普遍性を内包していることに気づかされる。そして、そうした楽曲を観客と共有する彼の歌の訴求力はやはり見事だ。

MCでは、全国をまわってきて、ついにファイナルの会場である東京に辿り着いた感慨を語った。今回のツアーが終わることは、彼にとっては決して寂しいことではないという。ライヴこそが活動の全てである彼にとっては、今回のツアーファイナルは一つの区切りではあるが、同時に一つの通過点でしかないのだ。「全部のライヴで全力で歌を歌ってきた。今日もそのつもり」と力強く宣言する彼の頼もしい姿に、フロアから歓声が湧き上がる。

時にソリッドなバンドサウンドの中を疾走するように、時に流麗なピアノの伴奏、アコースティックギターの優しい調べに包み込まれるように、表情を変えながら届けられる歌詞太郎の歌声。ステージ上で歌う彼を見ていて気づくのは、過剰に力を込めるでもなく、逆にリラックスしすぎるでもない、その不思議な佇まいだ。彼の言葉を借りるのなら、”無心”の状態なのだろう。ステージ中央に立ち、バンドのグルーヴに完全に身を任せながら放たれるその歌声からは、歌うことのピュアな楽しさ、そしてそれをライヴで共有することの喜びを感じる。

ライヴ終盤、歌詞太郎は「歌が歌えなくなるまで歌を歌いたい」という切実な想いを言葉にした。そして、これまで人と約束をすることが得意ではなかったという彼が、全ての観客と真摯に向き合いながら「僕は死ぬまで歌を歌い続けます! 約束してくれますか!」と叫んだ。歌へ懸ける想い、そして目の前のファンへの誠実な姿勢こそが、歌詞太郎をここまでのスケールの会場へ導いてきたのだ。大きな拍手が鳴り止まない中、ライヴはラストスパートへと進んでいく。歌いながら何度も「ありがとう」と言葉をこぼした”パラボラ~ガリレオの夢~”、観客のタオル回しでフロアの景色が塗り替えられた”I Can Stop Fall in Love”、そして本編最後の”僕だけのロックスター”では、「もっと一つになろうぜ!」という言葉と共に、絶唱ともいえるような怒濤の歌声を響かせた。

鳴り止まない拍手に応え、再びステージに現れた歌詞太郎。最後に披露したのは、イトヲカシ名義で発表した”Share, We are”だった。演奏終盤には、歌と手拍子と観客のコーラス、たったそれだけなのに、それだけで十分といえるほど、幸せなバイブスが会場を満たしていた。歌を歌うことが好きであること。歌を歌い続けたいということ。彼は今回のツアーを通して、その確信を強めたはずだ。これからも続いていく彼の活動に期待したい。(松本侃士)

●セットリスト

01. 夢地図
02. メランコリック
03. ホシアイ
04. ポプラの丘に風が吹く
05. さよならのかわりに
06. rebirthday
07. HEAVEN
08. サマータイムレコード
09. ぼくのほそ道
10. カナリア・シンデレラ
11. 夏の匂い
12. さよならだけが人生だ
13. Everything’s gonna be alright
14. 約束のスターリーナイト
15. パラボラ~ガリレオの夢~
16. I Can Stop Fall in Love
17. 僕だけのロックスター

(En)
18. START
19. Share,We are

--------------------------
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

フォローする