7月24日にアメリカで公開されるボクシング映画『Southpaw』のサウンドトラックとなるシングル"Phenomenal"を今月に入ってからリリースしているエミネムだが、トゥパックの母親、アフェニ・シャクールへ宛てて書いた自筆の手紙とトゥパックの絵の存在が明らかになっている。

エミネムは90年代ヒップホップをノトーリアスB.I.G.らと牽引し、銃撃事件が原因で1996年に他界したトゥパックからの影響がとてつもなく大きかったことをこれまでに語ってきていて、その後99年にメジャー・デビューしてプロとなってからはアフェニとも知己になっている。今回浮上した手紙は具体的にいつ書かれたものかは明らかになっていないが、アフェニと知り合いになってからしたためられたもので現在はこの手紙の現物はジョージア州で若者にパフォーマンス・アーツの手ほどきを教える財団法人トゥパック・アマル・シャクール・センター・フォー・ジ・アーツで展示されているという。また、トゥパックの記憶を思い出と写真で綴る書籍『Tupac Remembered』にも収録されているが、今回ソーシャル・ニュース・サイトのレディットでこの手紙と絵の画像が上げられてあらためて話題を呼ぶことになった。

手紙でエミネムは手紙で次のようにアフェニに伝えている。

「アフェニへ

ちょっと雑なように思えたら申し訳ないんだけど、ちゃんとしたデッサン用の鉛筆があったらもっときちんと描けたと思うんだ。でも、手元にペンしかなかったんだ。それと、ちょっといまさらな感じもあるんだけど。でも、俺は10歳の頃から絵を描いてるから気に入ってもらえるかもと思ったんだよ。とにかく、いつもやさしく接してもらえて本当にありがとうございます。あなたは真の意味での女王だし、あらゆる意味合いにおいて俺はそう言いたいんです。あなたから俺にもたらしてもらえたさまざまな機会について忘れることは決してないです。あなたはいつも俺の心の中にいますし、俺はいつもあなたのことを考え、いつもお祈りの中でもあなたのことを唱えています。前にも言ったと思うけど、あなたの息子とその音楽がどれだけ『ヒップホップ』の世界だけでなく、俺自身の代弁者となってくれて、俺のキャリアそのもののインスピレーションとなったか、それはあなたの想像の域をずっと越えたほどのものなのです。トゥパックは、今でもかつても、常に『戦士』たるものを最も正しく体現する人でした。自分がどん底にいたと思っていた頃（有名になって、ドレーと出会う前）、俺にわかっていたのは、トゥパックのテープをテレコに突っ込めば、そんなに最悪でもないと思えてくるということだったのです。『世の中なんかファック!』と立ち上がって言ってやれるだけの勇気をトゥパックはこの俺にくれたんです。『俺はこの俺だ、気に入らなきゃとっとと失せろ!』って言えるようになれたんです。トゥパックの精神とあなたの心意気を俺たちみんなにこれまで伝えてくれてありがとうございます。神様のご加護がありますように!

愛をこめて マーシャル」

なお、映画『Southpaw』はもともとエミネムの主演新作映画として企画が進められていたが、最終的にはジェイク・ジレンホールが主演を務めることになっている。エミネムは7月24日にリリース予定となっている『Southpaw』のサントラ盤のプロデューサーも務めていて、グウェン・ステファニーと共演した収録曲"Kings Never Die"も先頃シングルとしてリリースしている。

エミネムの自筆の手紙とトゥパックの絵はこちらから。
http://imgur.com/a/Y8TNV

"Phenomenal"の公式歌詞動画はこちらから。

『Southpaw』サントラ盤からの新曲"Kings Never Die"はこちらから。