HYDE、黒執事になる! 「HALLOWEEN PARTY 2015」幕張2日目レポ!

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2015年10月23日~25日にVAMPS主宰のライヴイベント「HALLOWEEN PARTY 2015」が幕張メッセ国際展示場9・10・11ホールにて行われた。この記事ではその2日目となる2015年10月24日のレポートをお届けする。

初日の白いウェディングドレス姿とは打って変わって、黒いドレスをまとったオープニングパフォーマー=Tommy heavenly6は、フードを脱ぐと手鏡を見ながら猫耳のカチューシャを装着。「元気か~? 私はしんどい」とマイペースで自由なMCで笑いを誘うと、頭上でのハンドクラップを自ら先導し、“Hey my friend”を披露し会場の空気を柔らかくほぐした。

続くトップバッターのBREAKERZは、SHINPEIの金太郎、AKIHIDEの浦島太郎、DAIGOの桃太郎の順に一人ずつテーマソングに乗せて登場し、3人揃って顔を見合わせると、「せーの、パッカーン!」のアクション。コンセプトは某携帯電話のCMだと分かると会場にドッと笑いが湧いたものの、その直後、「行くぞ!」とロックミュージシャンモードに豹変した。「僕たちの人生、死ぬまで決めてることは、ハロウィンのスケジュールは絶対あけておくってこと」とDAIGO。「もし依頼が来なくてもお客さんとして絶対来る」と、愛の深さを示した。

2番目のアクトは氣志團。赤いライトに照らされると、スクリーンには、X JAPANのロゴに似たK ISHIDAN(ケー イシダン)の文字が。1曲目に披露したのは“Rusty Nail”。綾小路 翔と早乙女 光の2人のTOSHIがツインボーカル状態でハモる。MCでは、「俺たちは千葉県出身のロックバンド、ここは千葉県。その大先輩がX(JAPAN)です」と語りながら、同郷のYOSHIKIに、「『外房に負けるんじゃねーぞ!』って言われました」と明かし、内房・外房間の対抗意識にまつわる超ローカルネタで笑いを誘った。続けて、キラーチューン“One Night Carnival”、新曲“我ら思う、故に我らあり”を披露し終えると、“ENDLESS RAIN”が流れ、2人のTOSHIが抱き合い、氣志團はステージを後にした。

暗転した会場に色とりどりのサイリウムが一気に灯ると、ももいろクローバーZのステージが始まった。奥の扉からアリス姿の百田夏菜子が姿を現すと、「かわいい!」の声が上がる。有安杏果が時計を首から下げたウサギ、玉井詩織がチェシャ猫、高城れにがマッドハッター、佐々木彩夏がハートの女王に扮し、『不思議の国のアリス』の世界観に基づいて、自虐ネタを取り入れた寸劇も盛り込んだステージを繰り広げた。 “PUSH”ではフロアに降りて客席にお菓子を投げ入れながら練り歩き、最後は“蒲田行進曲”に乗せ、深く長いお辞儀をしてステージを去った。

ほどなくして、SPECIAL PERFORMER、との文字がスクリーンに映し出されると、サブステージで“Ghostbusters”のテーマを歌い始めたのは、“レディー蛾蛾”anis(MONORAL)。一つマイクに身を寄せ踊りながらコーラスをするのは、名探偵コナン姿のken(L’Arc~en~Ciel)、軍服の明希(シド)、花嫁姿のオバQのShinya(DIR EN GREY)。この日のために結成されたHalloween Men’s Only Club Bandの登場だ。ユーリズミックスの“Here comes the rain again”を哀愁たっぷりに披露したかと思えば、続くブラーのカヴァー“Song 2”ではanisが「Louder(もっと大きく)!」と煽る。「これは、あなたしかいない、という曲です」(anis)との曲紹介の途中からkenがギターを爪弾き始めたのは、U2の“All I Want Is You”。やまだに結成の経緯を尋ねられると、「明希ちゃんと飲んでて、“スペシャルバンドやりたいよね”って。なのに、明希は忘れてて…」(anis)「お、ぼえてるよ?」(明希)というやり取りも。kenの仮装コンセプトは“ダークなコナン”だそうで、変声器仕立ての蝶ネクタイを口に近付け「中学受験を失敗しまして、来年頑張ろうと思います!」と宣誓。やまだから「ツアーを廻れば?」との提案も飛び出したが、kenは蝶ネクタイ越しに「えっ!?」と言い淀み、笑いを誘っていた。

余韻冷めやらぬ中、暗転した会場にカノンが鳴り響くと、アリーナ後方から、『黒執事』のキャラクターに扮したVAMPSのメンバーが馬車に乗って登場。ランウェイに出現した車椅子の背を執事セバスチャン姿のK.A.Zが恭しく押し、メインステージに到着。1曲目は“MIDNIGHT CELEBRATION”。MCでは「シエル・ファントム・HYDEです。だいぶ分かって来た、黒執事。勉強してるもん」とHYDE。「皆ハロウィン・マジックかかって、かわいくなってる。僕もそうでしょ?」と観客に語る。「(難病)ALSの友だちが、今日は遊びに来てくれてるから、氷水かぶろうと思って」とHYDEは語り、ランウェイに用意されたビニールプールへ向かい、帽子の上からバケツの水をかぶった。「やりたかったのに、誰も誘ってくれなかったから」(HYDE)と、この舞台を選んでアイスバケツチャレンジを実践したのだ。水をかぶり終えると投げキッスをし、「これで少しでも注目されて(病気への認知が)広まるといいけど…」と小声でつぶやきながら、ギターを背負い、披露したのは“JESUS CHRIST”。K.A.Zは床に跪いてギターを掻き鳴らす。“REVOLUTION Ⅱ”ではゾンビがひしめく馬車のてっぺんにHYDEが乗り、フラッグを振り回しながらアリーナ通路を周遊、“HALLOWEEN PARTY-ROCK Ver.-”ではランウェイを車椅子で進みながら、襲い掛かるゾンビをクールに鞭で追い払う。“VAMPIRE’S LOVE”を優しく歌い終えると、開いた奥の扉の向こうへと背中を向けて去って行き、まるで舞台演劇を観たかのような深い余韻を残してステージを終えた。

締め括りはHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA。Shinyaと同じくおばけのQ太郎をコンセプトとした純白の出でたちの逹瑯(MUCC)、“ツキナミなゾンビナース”(毎回ネーミングにもセンスが光る!)の分島花音もここで加わった。anis進行のもと繰り広げられたリズムゲームの罰ゲームは、“箱の中身は何だろな?”。ももいろクローバーZの高城れには、しらたき、HYDEは特大のウナギを素手でつかむ羽目に。「びびってねーから!」と強がりながらも心底怯えた不安な表情を浮かべ、ウナギと判明した際は「うわー!」と絶叫、肩を落としていた(有安杏果の代役となった明希は、カエル2匹を掴んだ)。再び招き入れられたコナン姿のkenは、かぼちゃのバッグを小脇に抱え、「チョコいる? あげる!」と観客に語り掛けたのを見て、「…すっごい怖いんだけど(笑)」とHYDE。「受験に失敗したんだよね?」(HYDE)「目にクマができて、“今後どうしようかな?”と思ってるコナンです」(ken)といった会話で笑わせた。「これは“HT”だな。ハロウィン(H)、たまらん(T)!」と、DAIGO流語り口を取り入れてHYDEが叫ぶと、最後はメンバー全員で“HALLOWEEN PARTY”を歌い、客席内に降り会場内を練り歩いた。バラエティ豊かな出演アーティストに彩られ、笑いから深い感動まで、参加者の心を揺り動かす幅のあるイベントとなった幕張2日目だった。

カメラマン:今元秀明、緒車寿一、田中和子
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