【コラム】the telephones、トリビュート盤に浸る。盟友たちと燃やしたDISCO魂の軌跡

【コラム】the telephones、トリビュート盤に浸る。盟友たちと燃やしたDISCO魂の軌跡

11月3日の「the telephones Presents “Last Party ~We are DISCO!!!~”」を最後に無期限の活動休止へと突入したthe telephonesに対し、盟友バンドから大先輩まで幅広いアーティストがオマージュを捧げたトリビュート盤『We are DISCO!!!~tribute to the telephones~』。世に数多あるトリビュート盤やカバー盤の中でも屈指の「参加アーティスト陣キャラ炸裂ぶり」を発揮していて、聴くたびにワクワクが止まらない。いやあ、最高。

“Urban Disco”をメーター振り切れまくった激烈テクノパンクとして爆発させてみせたPOLYSICS。
“HABANERO”をクール&ハイブリッドなグルーヴで再構築したFRONTIER BACKYARD。
テレフォンズのロックンロールサイドの極致=“sick rocks”を野性全開で疾走させるTHE BAWDIES。
“Love&DISCO”を男の迫力あふれる濃密なロックバラード(!)に変身させて力強く歌うのはJ。
“Vampiregirl”ばりのラウド&ポップ感で“Monkey Discooooooo”を轟かせる9mm Parabellum Bullet。
“A.B.C.DISCO”のポジティヴな加速感を激走パンクビートと熱唱で歓喜の果てへとぶん投げるdustbox。
“Kiss Me, Love Me, Kiss Me”をザ・ドアーズ直系のディープ&サイケな質感で歌ったKoji Nakamura。
“I Hate DISCOOOOOOO!!!”をメロウなファンクブルースとしなやかに織り合わせたストレイテナー。
“Just One Victory”をめくるめくエレクトロの桃源郷へと編み上げてみせたJames Iha。
“Odoru-朝が来ても-”をインディーポップの祝祭感と狂騒感で鮮烈に塗り替えたYogee New Waves。
“Fire, Fire, Fire”のガレージ感をHR/HM的美学に変換したVOLA & THE ORIENTAL MACHINE。
“Say DISCO”を鋭利なエレクトロヒップホップへと昇華してみせたFragment×DOTAMA。

……といった具合に、the telephonesの全身全霊傾けたDISCO道邁進ぶりに対し、各アーティストがそれぞれのDISCO魂を熱く燃やしていることが、その音からもはっきり伝わってくる。そして、そのワクワクは取りも直さず、初めて彼らのライヴで「We are DISCO!!!」のコール&レスポンスを目の当たりにした時の、あのワクワクとそのまま地続きのものだ。

突き抜けまくったダンスとロックの楽しさをその楽曲に盛り込み、誰もが笑い出すくらい執拗に「DISCO」のコールを繰り返しながら、the telephonesはその5文字にロックもパンクも理想も情熱も(ありとあらゆるルサンチマンも含め)、持てるヴァイタリティのすべてを注ぎ込んできた。このトリビュート盤のやりたい放題感満載の12曲が、どれも胸震わせるほどのエネルギーに満ちているのは、the telephonesが「DISCO」という言葉にこめた想いの途方もない大きさに、参加したアーティストのすべてが力の限りを尽くして応えようとした結果に他ならない。あなたの中にあるありったけの「DISCO」を解き放って、隅から隅まで楽しみまくってほしい。そんな1枚だ。(高橋智樹)
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