ザ・ビートルズの"ラヴ・ミー・ドゥ"のドラムを叩いたアンディ・ホワイトが他界

ザ・ビートルズの"ラヴ・ミー・ドゥ"のドラムを叩いたアンディ・ホワイトが他界

ザ・ビートルズが1962年にリリースしたデビュー・シングル"ラヴ・ミー・ドゥ"とB面曲の"P.S.アイ・ラヴ・ユー"でドラムを担当したことで有名なアンディ・ホワイトが自宅のあるニュージャージー州で卒中で倒れ、11月9日に他界した。享年85だった。

ザ・ビートルズはパーロフォンとのレコード契約を獲得する前後にドラムのピート・ベストを解雇し、新しくリンゴ・スターを迎え、1962年9月4日にEMIスタジオで"ラヴ・ミー・ドゥ"のレコーディングに臨むことになった。プロデューサーのジョージ・マーティンはこの時のリンゴのドラムに満足いかなかったとされていて、その1週間後のレコーディングではアンディ・ホワイトをスタジオに呼び、この2曲のドラムをアンディに任せ、リンゴはタンバリンとマラカスを担当することになった。

最終的にこの時の音源が"ラヴ・ミー・ドゥ"と"P.S.アイ・ラヴ・ユー"のマスター音源に使われることになったが、なぜか、シングルのファースト・プレスのみ、A面の"ラヴ・ミー・ドゥ"の音源がリンゴのドラムの4日の音源になっている。その後のプレスの音源はアンディのもので、その後リリースされたファースト・アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』中の"ラヴ・ミー・ドゥ"と"P.S.アイ・ラヴ・ユー"もアンディのものとなっている。しかし、コンピレーション盤『パスト・マスターズ』などではリンゴの音源が収録されている。

この時のアンディの報酬は5ポンド(1962年当時のレートで約5090円、同年の日本の大卒初任給は1万7800円)だったというが、すでにセッション・ミュージシャンとして有名だったアンディはこれを機にさらによく知られるようになり、その後もハーマンズ・ハーミッツなどさまざまなアーティストのレコーディングに参加し、トム・ジョーンズの65年の大ヒット曲"よくあることさ"でもドラムを担当していること有名だ。

また、そのほかにもチャック・ベリー、ビル・ヘイリー・アンド・ヒズ・コメッツ、ザ・プラターズ、ロッド・スチュワート、ルルなどといったアーティストとの共演でも知られていた。その後は引退してアメリカのニュージャージー州でドラムを教えていて、教え子のひとりがブルース・スプリングスティーンのEストリート・バンドのギタリスト、スティーヴ・ヴァン・ザントだという。
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする