THE BAWDIES、新春爆走! 青スーツ&新曲お披露目のツアーファイナルレポ!

all pics by AZUSA TAKADA

2016年1月に開催されたTHE BAWDIESによる東名阪ツアー「BRINGING IN THE ROCK & ROLL NEW YEAR」。2016年1月17日、その最終公演がEX THEATER ROPPONGIにて行われた。RO69では、その模様をロングレポートでお届けする。

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新たな1年を、全速力のロックンロールで邁進することを約束する東名阪ツアー。大阪・なんばHatch(1/10)、名古屋・DIAMOND HALL(1/11)と駆け抜け、今回レポートするファイナルは東京・EX THEATER ROPPONGIである。お馴染みの登場SEが響き渡ると、「BRINGING」「IN THE」「ROCK & ROLL」「NEW YEAR」とツアータイトルが記された巨大な立て看板を、青いジャケットの新調スーツをまとった4人が担いで姿を見せる。そしてレンガ塀を背景にしたステージにしっかり看板を立てかけると、いよいよパーティの幕開けだ。

MARCY(Dr・Cho)のスネアが小気味好く転がり出し、オープニングを飾るのはこんな新年会に相応しい“A NEW DAY IS COMIN’”だ。前線に躍り出て、いきなりフリーキーなギタープレイを放ちまくるJIM(G・Cho)。そのままの勢いでTAXMAN(G・Vo)のギターを主旋律に4人がプレイするのは、なんと『暴れん坊将軍』のテーマ。ROY(Vo・B)は自分自身の尻を引っ叩いて早駆けの素振りを見せ、「殿! 何者かが江戸城に攻め込んで参りました!」「何者じゃ!」「THE・・・BAWDIESでーす!!(爆叫)」と名乗りを挙げるのだった。

“JUST BE COOL”でハンドクラップを誘っては、“EMOTION POTION”でフロアを激しく波打たせる。パンキッシュなスウィング感で叩きつけるTAXMANシングス“SO LONG SO LONG”は実にスリリングで、懐かしめの選曲にも4人の経験値が落とし込まれていていることが窺える。「年の初めから転がって、一年転がり続けるのがいいんじゃないかと!」とヴォルテージ高くまくし立てるROYは、年明けにまず4人で練習したのが先程の寸劇だったことを語り、笑いを誘っていた。

“ROCK ME BABY”に続いては、スピード感の中にも熱いコーラスとTAXMANの味わい深いギターフレーズが余韻を残してゆく“SOMEBODY HELP ME”(スペンサー・デイヴィス・グループ)のカヴァーだ。「初日の出はもう見たと思いますが、もう一度、1月1日から始めてもいいんじゃないかと!」と繰り出されるのは“SUNSHINE”。ROYの歌唱力がミドルテンポに映え、MARCYのコーラスや温かみのあるサウンドが、心地よさそうに身体を揺らすオーディエンスの歌声を導き出していた。

ROYは、青いスーツの話題に引っ掛けて小学生の頃から濃かったという青ヒゲについて語ったり、ひときわ大きな看板を担いで不満を漏らしていたTAXMANを「『モンスターハンター』でこれぐらいデカい武器振り回してるじゃねえか」とたしなめたりすると、ここで「お年玉的な新曲」ということで“POPULAR GIRL”が披露される。チャーミングで狂おしいメロディのR&Bチューンであり、“SUNSHINE”の柔らかなサイケ感を引き継ぐ味わいもナイスな一曲であった。

そして“KICKS!”がロックンロールの愛嬌を繋ぎ、再びTAXMANが歌う“LOVER BOY”の疾走の後には、シャウト一発から引き締まったドライヴ感の“SHOW ME UP”へ。“LEMONADE”のフォーキーソウルがまた心地よくて、フロアでは自然にハンドウェーヴが揺れる。こうして新旧の楽曲に触れてみると、ロックンロールは、そしてTHE BAWDIESのサウンドは、なんて表情豊かなのだろう、と痛感せざるを得ない。

中学生時代に、JIMとROYのスターウォーズごっこ(チャンバラ)で審判役を頼まれたMARCYが、なかなか自分を出せない性格の割に「ガンバッテクダサイネ」と(恐らくはC-3POのモノマネで)参加したという思い出話の後には、椅子に腰掛けての「冬だからこたつコーナー」と題されたアコースティックセットに向かう。TAXMANのコードストロークに、JIMがアコギを寝かせてフォーキーなスライド奏法を重ねる“GOOD MORNING”、感謝の思いを込めた“I WANT TO THANK YOU”、そして申年にかけたザ・モンキーズのカヴァー“DAYDREAM BELIEVER”は、笑い混じりのMCと共にのんびりと過ごす贅沢な時間を育んでいた。

もちろんこれで終わるはずはなく、“NO WAY”からは再び灼熱のロックンロールの中へと叩き込まれる。“YOU GOTTA DANCE”はファストなファンクグルーヴで繋ぐメドレーと化し、“SING YOUR SONG”ではJIMがフロアにマイクスタンドを向けて見事な沸騰ぶりを見せていた。そしてMARCYが「おかわり! おかわりをください!」と叫んで(リハーサルでは決して叫んでくれないらしい)、本編を締めくくるのは“HOT DOG”。「ロックンロールが好き」の一心で探求を続ける4人のハングリーさが、そのまま表現の深みとして伝わるステージだ。

アンコールに応えると、こちらも未音源化の“SHAKE, SHOUT & SOUL”が濃いグルーヴで駆け抜け、まだまだ必殺曲は残されているぞ、と言わんばかりの“IT’S TOO LATE”、そして“KEEP ON ROCKIN’”が放たれる。大阪・東京での初野外ワンマン開催(詳細ニュース記事はこちら→http://ro69.jp/news/detail/137381?count=4&topic=2)も発表され、2016年の快調な滑り出しを見せるTHE BAWDIESであった。このニューイヤーパーティーは恒例にしたいということで、TAXMANが仕切る「ワッショーイ」コールは、「ハッピー・ニュー!!」(ROY)「祝(いわ)ッショーイ!!」(オーディエンス)という特別仕様に。爆音のソウルが、何ともめでたく響く一夜であった。(小池宏和)

●セットリスト

01. A NEW DAY IS COMIN’
02. I’M A LOVE MAN
03. JUST BE COOL
04. EMOTION POTION
05. SO LONG SO LONG
06. ROCK ME BABY
07. SOMEBODY HELP ME
08. HOLD ON
09. SUNSHINE
10. POPULAR GIRL
11. KICKS!
12. LOVER BOY
13. SHOW ME UP
14. NICE AND SLOW
15. LEMONADE
16. GOOD MORNING
17. I WANT TO THANK YOU
18. DAYDREAM BELIEVER (THE MONKEES COVER)
19. NO WAY
20. Medley YOU GOTTA DANCE~YEAH~LEAVE YOUR TROUBLES~YOU GOTTA DANCE
21. SING YOUR SONG
22. HOT DOG
(encore)
23. SHAKE, SHOUT & SOUL
24. IT’S TOO LATE
25. KEEP ON ROCKIN’

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