ブッチ・ヴィグ、自身のスマート・スタジオでのニルヴァーナとの作業について語る

ブッチ・ヴィグ、自身のスマート・スタジオでのニルヴァーナとの作業について語る

ニルヴァーナの『ネヴァーマインド』のプロデューサーとして知られるブッチ・ヴィグが、自身のスマート・スタジオでニルヴァーナと重ねた作業について振り返っている。

ブッチは『ネヴァーマインド』のほか、スマッシング・パンプキンズの『ギッシュ』、L7の『ブリックス・アー・ヘヴィー』などの作品をスマート・スタジオで手がけたほか、自身のユニット、ガービッジの最初の4枚の作品はこのスタジオで制作してきた。さらにフォール・アウト・ボーイ、デス・キャブ・フォー・キューティー、ジミー・イート・ワールドらがこのブッチのスタジオでレコーディングを行ってきたが、経営面での採算が合わなくなったため2010年に閉鎖へと追い込まれることになった。

スタジオの閉鎖を知って、地元ウィスコンシン州マディソンの映像作家のウェンディ・シュナイダーがそのドキュメンタリー製作を思い立ち、さまざまなミュージシャンとのインタヴューを取り付け、『The Smart Studios Story』という作品としてまとめあげたが、そのおかげでブッチはあらためて、このスタジオの話の取材に応じることになっている。

ブッチはこれまでデイヴ・グロールの『サウンド・シティ - リアル・トゥ・リール』やフー・ファイターズの『ソニック・ハイウェイズ』などおびただしいドキュメンタリー作品に出演してきた経歴を持つが、自身のスマート・スタジオについてはドキュメンタリー製作など思いつきもしなかったと語っていて、「特に聞いてもらうべき物語もないように思えたんだよ」とビルボード誌に説明している。

「ハリウッド的には語りのつかみとなるものが必要だし、そういうものはないんじゃないかってぼくたちには思えたんだよ。実際、これはあるシーンについての物語で、アメリカの中西部のある時代のスナップショットみたいなもので、ぼくたちがどうやってこのスタジオをはじめたかという内容なんだ。スタジオに来たバンドはどれもみんなすごくアンダーグラウンドな活動をしていて、かなりDIYなバンドばかりだったんだ。東海岸からも西海岸からもあまりにもかけ離れてて、自分たちのやり方でやるしかなかったんだけど、だんだんとこのスタジオを使ってたバンドの音が聴かれるようになって、それがニルヴァーナやスマッシング・パンプキンズのようにメインストリームで爆発したバンドへと繋がっていったんだよ。でも、本当に素晴らしいのは監督のウェンディがそういう事実をすべてひとつの面白い物語へと語り直してくれたということだと思うな」

さらに『ネヴァーマインド』のセッションについては「ぼくの人生を根底から変えてしまうことになるアルバムを作ってるっていう意識はまるでなかったからね。誰もそんなこと思ってもいなかったから。なんにも期待しないでやってたから、あの時のセッションは本当に楽しかったよ」と振り返っている。また、カート・コバーンの気分の激しい振れ方については次のように回想している。

「ちょっと面倒な瞬間もいろいろあったよね。カートは本当に気分の浮き沈みが激しくて、いきなり塞ぎ込んじゃったりするんだよ。すると部屋の隅っこに行って存在を消したようになっちゃうんだよね。そうなるとクリス(・ノヴォセリック)が『カートはこういう気分に入ってっちゃうものなんだ。しばらくしたらまた戻ってくるよ』って教えてくれるんだ。それでそうなったら、それから数時間はなんか別なことをやるんだよね、ドラムの調律をしたり、ベースのサウンドの調整したりとかね。すると、突然、カートがギターを手に取って、『じゃあ、行こっか』ってなるんだよ。気持ちもしっかり入った状態で戻ってくるんだよ。だから、テイクを取るのに一番いいタイミングっていうのをぼくはいつも計ってなきゃならなかったんだね」

なお、『The Smart Studios Story』はテキサス州オースティンで開催されている今年のサウス・バイ・サウスウェスト映画祭で3月16日に初公開となった。

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