なお、グレンフェル・タワーの防火対策を疑問視する声は以前から上がっていたとのことで、この火災を機に再び政府への非難の声が大きくなっているという。
過去100年で最も多くの犠牲者を出したと言われている今回の火災だが、複数のアーティストや著名人たちが様々な形で被害者支援のための行動を起こしている。
中でもロンドン出身のアデルが火災の発生当日に現場に駆けつけ、その場にいた被害者たちとハグをして話しをしたり、犠牲となった人々に祈りを捧げる様子は一般のSNSアカウントで公開され話題になっている。
https://twitter.com/AdeleClubFan/status/875166255350784000
それだけではなく、アデルはこの火災の消火に尽力したロンドンの消防署をケーキを持ってサプライズ訪問し、犠牲者への1分間の黙祷に参加したという。
消防士達とアデルの写真は、消防署の公式ツイッター上で公開されている。
「昨日、アデルはチェルシーの消防士達とお茶を楽しみ、消防署への感謝を表してくれました。皆さん、今回の火災を支援してくださってありがとうございます」Adele enjoyed a cup of tea with Chelsea firefighters yesterday and thanked them for their work. We are so humbled by everyone's support pic.twitter.com/R1Ny4pGq9i
— London Fire Brigade (@LondonFire) 2017年6月20日
また消防署のマネージャー、ベン・キング氏は「ケーキを持ったアデルが署の窓をノックしたんだ。私たちがドアを開けると、彼女はサングラスを外して『こんにちは、アデルです』って言うんだよ。そりゃ皆で驚いたね」と話しており、消防署にもアデルの訪問は予告されていなかったようだ。
なお、アデルの他にも、ロンドンにレストランを構える人気シェフのジェイミー・オリヴァーは、被害者たちへ無料で食事を提供することをインスタグラム上で発表している。
「グレンフェル・タワーの火災で被害にあった皆さん、僕のレストランに来ていただければ、食事を無料でご馳走します。『Jamie's Italian』のチームが皆さんをお待ちしております。レストランはウェストフィールドのすぐ近くです。マネージャーのユアンに一言かけてください。被害者の皆さんへ、大きな愛を。ジェイミー」
そして、火災現場の近くに住んでいるというリタ・オラは、支援を求めるシェア画像をインスタグラムに投稿。
「私の近所よ。現実に起こっているなんて信じられない。私の心は被害者の皆さんと共に。動悸が止まらない。子どもの頃、すぐそこの道で遊んでいたわ。できることは何でもするつもりでいます」とのキャプションをつけている。
また、グレンフェル・タワーの近所に馴染みがあるというデーモン・アルバーンは、BBCの「Radio 4」の番組に出演した際、この火災に対して「政府の誠実で現実的な、心のこもった対応が求められていると感じる」、「政府はこれを、普段にも増した責任を負う機会にしないといけないんじゃないか」と発言している。
英「BBC」などによると、メイ首相はこの火災での被害に対し500万ポンド(約7億円)の支援を行うことを発表しているものの、直接の慰問などは行っていないとのことだ。