現地時間6月23日のグランストンベリー・フェスティバルでヘッドライナーを務めたレディオヘッドのステージを「BBC」がレポートしている。
バンドは『ア・ムーン・シェイプト・プール』の収録曲“Daydreaming”のピアノ・リフのループとともに登場し、“Karma Police”で締め括るという内容となり、グラストンベリーの歴史の中でも史上最高の内容だったという声が上がっている。
なお、これまでのツアーではステージ上のモニターが爆発し、自分たちの演奏が聴けなくなるというアクシデントにも見舞われており、トム・ヨークはそのままステージを降りてライブを取りやめようと考えたこともあったことを「BBC」に明かしている。
「エド(・オブライエン)のところへ行って、『もう引き上げるから。あとでね』と伝えたんだ」とその時のことをトムは振り返っている。
「でも、エドはぼくに向かって『それをやったら一生それを後悔するよ』と言われて、『それもそうかもしれないな』って思ったんだ」
しかし、この日そうしたトラブルは一切なく、セットリストはバンドのキャリアを総括するものになり、実験的な側面もアンセム曲もどちらも持ち合わせた内容だった。
“Airbag”、“Pyramid Song”、“Everything in It’s Right Place”とバンドのさまざまな側面を披露しつつ、初期の大ヒット曲となったものの近年では滅多に演奏されなくなっていた“Creep”を披露する一幕もあった。
“No Surprises”では「Bring down the government / They don’t speak for us(政府を引きずりおろせ/ぼくたちを代弁していない)」というくだりで観客の大歓声を呼ぶ展開となったが、トム・ヨークは曲を演奏し終えると「テリーザ、じゃあね。出ていく時はちゃんとドアを閉めてね」とメイ首相へのコメントを加えている。
トムはそれ以外のMCはほとんどとらなかったが、ただ、グラストンベリーのオーガナイザーであるマイケルとエミリー・イーヴィスに向けて「今日はこの素敵な牧場にお招きいただいてありがとう」とメッセージを伝え、さらにアンコールでは観客に向けて「今日はぼくたちを聴きにこの原っぱに来てくれてありがとう」と感謝の意を伝え、さらに「会場のどこかでまた会えるね」とも語った。
セットリストは以下の通り。
1. Daydreaming
2. Lucky
3. Ful Stop
4. Airbag
5. 15 Step
6. Myxomatosis
7. Exit Music (for a Film)
8. Pyramid Song
9. Everything in Its Right Place
10. Let Down
11. Bloom
12. Weird Fishes/Arpeggi
13. Idioteque
14. You and Whose Army?
15. There There
16. Bodysnatchers
17. Street Spirit (Fade Out)
Encore:
18. No Surprises
19. Nude
20. 2 + 2 = 5
21. Paranoid Android
22. Fake Plastic Trees
Encore 2:
23. Lotus Flower
24. Creep
25. Karma Police
レディオヘッド出演の直前にはザ・エックス・エックスがメイン・ステージのピラミッド・ステージに登場し、楽曲の数々で日没の会場を埋めていった。
さらにその前の出番はロイヤル・ブラッドだったが、最新作『How Did We Get So Dark?』がイギリスでチャート1位に輝いたのをバンドはステージ上にてシャンパンで乾杯したという。
バンドのマイク・カーはチャート1位とグラストンベリー出演が同時に起きたことにびっくりして感激したと次のように「BBC」に語っている。
「これは本当に特別なことなんだという感じがするんだよ。将来きっと特別な思い出として振り返ることになると思うよ」