9月15日(金)に発売される待望のニュー・アルバム『コンクリート・アンド・ゴールド』から“Run”をミュージック・ビデオと共に解禁し、その後もツアーの中で次々と新曲を披露しているフー・ファイターズ。
新作への期待が高まる中、サマーソニックでの来日も来月に迫っている。今のところ、デイヴはどこの骨も折っていないようであるし、新作発売直前とあって非常にテンションの高い公演が期待できるだろう。この夏はフー・ファイターズ一色!という方も多いのでは。
先日“Run”公開記念として「フー・ファイターズ面白MV5選」をお届けした。
この「面白MV」、1枚アルバムを発売するたび、例外はあるものの、律儀に発表していることはファンの方ならよくご存知だろう。そして「面白MV」と対をなすように、「かっこいいMV」も必ず公開されている。
フー・ファイターズ一色!なこの夏、「面白MV」で笑った後はデビューから20年以上が経過し、メンバーチェンジを経ても変わらず「かっこいい」フー・ファイターズに浸ってみてはいかがだろうか。
1stから8thまで、アルバムごとに振り返りたい。
1995年発表の1stアルバム『フー・ファイターズ』より“I'll Stick Around”
バンドにとって初めてのミュージック・ビデオらしく、シンプルに演奏を魅せる内容になっている。
「面白MV」は“Big Me”
フー・ファイターズのミュージック・ビデオを多く手がけることとなるジェシー・ペレツの作品。ミュージック・ビデオ2作目にして既におさげ姿を披露するあたり、デイヴ・グロールのショーマンシップの高さがうかがえる。
1997年発売の2ndアルバム『ザ・カラー・アンド・ザ・シェイプ』より“Monkey Wrench”
このアルバムからはデイヴが“My Hero“と“Monkey Wrench”2曲のミュージック・ビデオを監督している。
本作以降のフー・ファイターズの方向性を指し示した名曲“Monkey Wrench”の映像ではパラレル・ワールドの中で物語が進行する。
「面白MV」は“Everlong”
不思議な世界観が印象的なこの映像は、映画監督デビュー前のミシェル・ゴンドリーが手がけている。当時ミシェル・ゴンドリーはビョークのミュージック・ビデオも手がけるなど、名うての映像監督であった。
1999年発売の3rdアルバム『ゼア・イズ・ナッシング・レフト・トゥ・ルーズ』より“Next Year”
ミュージック・ビデオやコマーシャルを主に手がけるフィル・ハーダーが監督を務める本ビデオではメンバーがアポロ11号の乗組員に扮し、無重力での撮影も決行、とことんリアリティを追求している。後半には同時期に泥沼化していたベトナム戦争や反戦デモの映像が差し込まれ、当時の混乱した様子も反映されている。
「面白MV」は“Breakout”
ジェシー・ペレツが監督を務め、グラミー賞最優秀短編ミュージックビデオ賞を獲得した“Learn To Fly”も名作であるが、“Next Year”とのギャップ、という意味では“Breakout”を取り上げたい。
数多くのミュージック・ビデオを手がける兄弟デュオ、The Malloysが監督を務めた同ビデオでは、垢抜けず、デートは失敗続き、でもチャーミングな役柄にデイヴが扮している。
2002年発売の4thアルバム『ワン・バイ・ワン』より“Times Like These”
今年のグラストンベリーのセットでオープナーとなったこの楽曲、ミュージック・ビデオには3バージョンあったようだが現在YouTubeで観ることができるのはリアム・リンチ監督のこの1本のみ。
「面白MV」は“Low”
度々ミュージック・ビデオに登場するジャック・ブラックとデイヴがモーテルでただ暴れまわる、という内容。ジェシー・ペレツが手がけている。映像の内容に問題があるとしてMTVが放送を禁じていたほどの「問題作」だ。
2005年発売の5thアルバム『イン・ユア・オナー』より“Best Of You”
『イン・ユア・オナー』のリード・シングルであり、現時点でバンドが発表したシングルの中で唯一、アメリカで100万枚の売上を突破している大ヒット曲がこの“Best Of You”だ。
「現実に向き合うことと愛すること」について歌った歌詞を表現したというこのビデオはU2の“One”、パール・ジャムの“Jeremy”を手掛けた映像監督マーク・ペリントンが監督を務めている。
マーク・ペリントンはこのビデオを撮影する9ヶ月前に妻を亡くしており、「(妻が亡くなって)世界はモノクロじゃなく、色に溢れていて、すべてのものが美しく融合しているって気付いたんだ。そしてこの体験が正に曲のテーマと同じなんじゃないかと思ってる。つまり、痛みと美しさを受け入れ、自分の感情を殺さず、でもポジティブでいるっていうことだよ」と語っている。
監督の言葉通り、生と死のカラフルなイメージに溢れたミュージック・ビデオは息を詰めて見入ってしまう。
「面白MV」は“Resolve”
映画監督であるマイケル・パルミアーリが手がけ、奇天烈な料理を出す寿司屋が舞台になっている。寿司屋の看板娘に恋心を頂き白昼夢のような世界に迷い込むデイヴ、それを心配そうに見つめるテイラー・ホーキンスより印象的なのはなぜか生のタコやうなぎをそのまま食べるクリス・シフレットとネイト・メンデルだろう。
2007年発売の6thアルバム『エコーズ、サイレンス、ペイシェンス・アンド・グレイス』より“The Pretender”
フー・ファイターズの「かっこいいMV」といえばこのビデオが思い浮かぶ方も多いのでは。 ライブでも完璧な盛り上がりをみせる中期の名曲であり、ギターの爆音でロックとしての緊張感とカタルシスが最高潮に達する楽曲同様、機動隊とバンドが対峙し、赤い壁が爆発して画面が真っ赤に染まるビデオも文句なしにかっこいい。
「面白MV」は“ Long Road To Ruin”
「コスプレ」シリーズの最高傑作であるこちらもジェシー・ペレツの監督作品。
2011年発売の7thアルバム『ウェイスティング・ライト』より“Rope”
デイヴが監督を務めている作品。モノクロでメンバーの姿が浮かび上がる様が印象的であり、テイラーのヘビーなドラミングとトリプル・ギターが映えるビデオになっている。
「面白MV」は“Walk”
フォトグラファーとしても知られるサム・ジョーンズの監督作品。MTV Video Music Award for Best Rock Video(最優秀ロックビデオ賞)を獲得しており、デイヴの貴重なカンフー姿をみることができる。
2014年発売の8thアルバム『ソニック・ハイウェイズ』より“Something From Nothing”
バンドの演奏風景と手書き文字の歌詞が踊る、今までになくシンプルなミュージック・ビデオが3本公開されている。同アルバムのレコーディングはアメリカの主要8都市で行われ、その様子がドキュメンタリーとして公開されたことも記憶に新しい。
ミュージック・ビデオも“Something From Nothing”はシカゴのElectrical Audio、“The Feast and The Famine”がワシントンD.C.近郊のアーリントンにあるInner Ear Studios、“In The Clear”がニューオリンズのPreservation Hallで撮影されている。
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