実写映画『東京喰種 トーキョーグール』が、7月29日(土)より公開される。
『東京喰種 トーキョーグール』とは、石田スイの同名漫画(集英社『週刊ヤングジャンプ』連載)が原作で、コミックスは累計2300万冊の発行部数を誇り、アニメ化、舞台化、ゲーム化もされている作品である。
ここでは公開前に『東京喰種 トーキョーグール』について知っておくとより映画が楽しめる7つのポイントについて解説する。
1 そもそも「喰種」(グール)とは
人の姿をした、人間の肉しか食べることのできない化け物。リゼやニシキによると喰種には「喰場」としてテリトリーがあるらしい。しかし、笛口親子のように、自分で食糧調達ができない喰種もいる。
なお、人間の肉しか食べることができない喰種が唯一人間の食すもので美味しく感じるのが「コーヒー」である。芳村が喫茶店「あんていく」を商っているのもわかる。
また、攻撃態勢や飢えている時など、目が赤くなり赫眼(かくがん)と言われる状態になる。これは喰種の特徴で、通常の喰種は両目が赫眼になるが、カネキは半喰種のため、片目だけが赫眼になる。また身体能力が高い上、傷や骨折などはすぐに治る。
2 その「食事」について
人肉しか食べられない喰種がどう生活しているか。前述した「喰場」やテリトリーで狩りを行う者もいれば、自分で食糧調達できない喰種は、「あんていく」から「肉」を支給される。これは、ヨモが自殺者を回収し、処理したもの。
しかし、人の中で生活するにあたって、人間が食しているものを食べないわけにはいかない場面もある。その時のコツは、「食べる」のではなく「飲む」こと(芳村談)。噛んでしまうと吐き気を催すので、一口目で噛み切って一気に飲み込むという。そして10回ほど咀嚼音を出しながら噛むとそれらしくなると。表情や表現も加えるとなお良いとのこと。だが、消化が始まる前に吐き出さないと体調を崩してしまう。ニシキはたい焼きを美味しそうに食べ「絶妙な甘さ」と表現しているが、その後、手を喉に突っ込んで吐き出している。一方、トーカは、依子が一生懸命作った肉じゃがを頑張って食べ、親友が作ってくれたものだからと吐き出さずに飲み込むのである。
3 「あんていく」
マスターの芳村、アルバイトのトーカ、店員の古間円児、同じく店員の入見カヤが働く喫茶店。前述の通り、喰種はコーヒーは飲めることもあり、20区の喰種が集まる。なお、20区は「あんていく」が取り仕切っているため争いが少ないという。また、ヨモは店の業務は行わず、情報収集や人間の自殺者の遺体集めなどを担当している。この店には笛口リョーコ・雛実親子が度々訪れ、「肉」を頼っている。さらに、半喰種になって苦悩しているカネキも芳村に助けられ、ここで働くことになる。
この作品の舞台は「あんていく」から始まる。最初は人間として訪れていたカネキが、この店でよく会うリゼに好意を抱き、同じ読書愛好家として「高槻泉」という作家が好きな者同士とカネキが知り、デートに誘う。そこから、カネキの運命の歯車が狂っていくのだ。
ちなみに20区とは作品内における「東京」の一部の地区。
4 喰種のマスク
喰種が狩りなどを行う際に着ける仮面。普段は人間として生活しているのだから、喰種として行動する時には必須となる。また、喰種捜査官と遭遇する際にも必須。カネキはウタに眼帯モチーフのマスクを作ってもらった。ちなみにトーカのマスクはウサギ。その見た目から、CCGには「ラビット」と呼ばれる。
5 赫子(かぐね)
喰種の捕食器官。カネキは腰の辺りから出る鱗赫(りんかく)。これはリゼのものと同じ。またトーカは肩の周辺から翼のように出る羽赫(うかく)。羽根を飛ばすような攻撃が多い。ニシキは尾骶骨周辺から出る尾赫(びかく)。笛口リョーコは肩甲骨周辺から現れる甲赫(こうかく)で、花弁のような形状の赫子を出す。そしてヒナミは、この母の甲赫と父の鱗赫を併せ持つ。
6 CCG(喰種対策局)
喰種対策法を背景に活動する国の行政機関。喰種の駆逐を主な任務としており、喰種からは「ハト」と呼ばれている。真戸や亜門などの喰種捜査官は、クインケを収めたアタッシュケースを常に持ち歩く。
7 クインケ
喰種捜査官が所持している、対喰種用の生体兵器。これは何で作られているかというと、喰種の赫包(喰種特有の器官、赫子の素となるもの)を加工して作られている。つまり、駆逐した喰種の赫包を使用する。真戸は鱗赫のクインケを使用していたが、これを見てリョーコは絶望してしまう。なぜなら、夫の赫子から作られたものだからだ。つまり、夫はすでに真戸らによって駆逐されてしまったのである。そして、ヒナミは真戸に立ち向かう際、母の花弁のような甲赫と父の鱗赫を出すのである。なお、亜門は、棍棒状の甲赫のクインケを使用している。また、喰種はクインケで攻撃されて受けた傷は治りづらい。
◯おまけ
カネキは、人間だった時は普通に人間の食事を美味しく食べられていたわけだが、半喰種となってしまい、人間の食事がとても不味くて食べられず、でも、人間として、ヒトの肉は食べられないと拒否し続けるため、飢餓寸前になってしまう。
原作では、半喰種になって人間の食事を食べて感じる不味さの表現が、とても緻密に書かれている。ハンバーグは「豚の内臓を舐めている」ような感覚らしい。そのくらいの不味さを想像して映画を観てみると、喰種の気分が味わえるかも……。(中川志織)
映画『東京喰種』を観る前にあなたが知っておくべき7つのポイント
2017.07.23 12:00