ドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』はこの6つの元ネタをおさえるとますますハマる

ドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』はこの6つの元ネタをおさえるとますますハマる

2016年の7月にNetflixで1stシーズンが一挙配信されて以来、全米では社会現象となるほどの大ヒットとなっているドラマ・シリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』。今年10月には待望の2ndシーズンの配信もスタートし、日本での視聴者&ファンの数も急上昇中。謎が謎を呼び、続きが気になって仕方ないストーリーだけに、一度ハマったら抜けられないのだ。

「1980年代初め」を舞台にしたこのドラマには、「超能力少女!」「『E.T.』っぽいチャリンコ!」「電子音楽サントラ!」などなど、1980年代のSF/ホラー映画で定番だったネタがたくさん埋め込まれていて、その「元ネタ探し」も楽しい。もちろん元ネタを知らなくても充分ハマれるストーリーなのだけど、知っていれば、より深く、よりマニアックに楽しめるはずだ。 

そこで今回は、『ストレンジャー~』の劇中に隠された「80年代ネタ」の中でも、特に「映画&音楽」に関わるネタをまとめて検証してみたいと思う。すでにハマっている人も、「今週末にイッキ見するぞ!」と企んでいるご新規さんも、未知なる元ネタの世界へようこそーー!


○その前に…『ストレンジャー・シングス 未知の世界』は、どんな物語?


物語の時代設定は、80年代初頭。舞台は、インディアナ州の田舎町ホーキンス。マイク、ダスティン、ルーカス、ウィルの4人組は、いつも地下室に集まってはRPGゲームで遊んでいる仲良しキッズ。ところが、ある日ウィルが行方不明になってしまい、ふだんは閑静なはずの町は大混乱に……。

ウィルの母親のジョイスや警察は懸命の捜索を続けるが、手がかりは見つからない。そんな折り、マイクたちは、不思議な少女イレブンと出会う。町のはずれにある政府の研究施設から逃げ出してきた彼女は、テレキネシス(遠くの物体を自由に動かせる超能力)を操ることができ、どうやらウィルの居場所を知っているようなのだけど……!?

シリーズのクリエイターは、マット&ロス・ダファー(通称“ダファー兄弟”。ちなみに双子です)。製作総指揮は、『ナイト ミュージアム』シリーズの監督としても知られるショーン・レヴィが務めている。

元ネタ①:スティーヴン・スピルバーグ


80年代のSF映画界は、数々のスター監督を生み出した。中でも、その頂点に君臨したのは、もちろんスティーヴン・スピルバーグ。『ストレンジャー~』の物語には、彼が監督/製作を手がけた懐かしの大ヒット映画へのオマージュが山のように詰め込まれている。

たとえば、主人公の少年たちの“バディな仲間感”は『グーニーズ』(85年、製作)。郊外に住む一家が謎の怪奇現象に襲われるプロットは『ポルターガイスト』(82年、製作)に似ているし、ウィルの母親のジョイス(ウィノナ・ライダー)が周囲から狂人扱いされながらも、息子の生存を信じ続ける姿は、『未知との遭遇』(77年、監督)の主人公に重なる。

そして、子供たちが自転車で町中を駈けていく姿は、ほとんど『E.T.』(82年、監督)そのままーーそう、90年代以降のアメリカ映画では、クールな子供はみんな「スケボー」に乗っているけど、80年代キッズの移動手段は、いつでもどこでも「Myチャリンコ」だったんだ。

元ネタ②:スティーヴン・キングーータイトル・ロゴ


70年代後半~80年代のアメリカでは、スティーヴン・キングのモダン・ホラー小説が大ベストセラーとなり、映画作品も相次いでヒットした。『ストレンジャー~』の中には、そんな“ホラー界の帝王”=S・キング絡みのオマージュもいっぱい隠されている。

まずは、毎回の頭で必ず登場するオープニング・タイトルーー赤の蛍光カラーが目にまぶしい「STRANGER THINGS」のタイトル・ロゴは、実は、80年代のスティーヴン・キングのUS版ハードカバー/ペーパーバック表紙でよく使われていたフォントへのオマージュだ。

Stranger Things - Stranger Things Theme

今回の『ストレンジャー~』の大ヒットを受け、全米ではこのレトロなフォント(ちなみに、正式名称は“ITC Benguiat”)への注目が再燃中。自分の好きな英語フレーズを入力すれば、瞬時に「ストレンジャー風」にしてくれる「フォントチェンジャー」の特設サイトも人気を集めている。試しに「rockinon.com」も、こんな感じで、すっかり「80年代SF映画ロゴ」風に!?

ドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』はこの6つの元ネタをおさえるとますますハマる

※使い方:①トップページ下部の「MAKE YOUR OWN」をクリック→②上段/下段に分かれた枠内に、好きな英語フレーズを入力→③すぐ右の「STRANGIFY(ストレンジ化)」をクリック!

元ネタ③:スティーヴン・キングーー他にもいっぱい!


ホラー界の帝王へのオマージュは、ロゴの文字だけではない。たとえば、シーズン1の第4話の英語タイトル“The Body”は、おなじみ『スタンド・バイ・ミー』(86年)のオリジナル短編小説の原題とまったく同じ。第5話で少年たちが森の中を歩きながらウィルを探すシーンも、映画『スタンド・バイ・ミー』とそっくりだ(あの「線路」に注目!)。

研究施設から逃げ出した少女イレブンが操るテレキネックな念力パワーの設定は、キングのデビュー作『キャリー』(76年)にも似ているけど、もっと似ているのは『炎の少女チャーリー』(84年)だろう(あの「鼻血」に注目!)。

おまけに、シーズン1でジョイスが家の壁をぶち破るシーンは、巨匠スタンリー・キューブリックが監督した『シャイニング』(80年)のジャック・ニコルソンを思い出す人も多いはず(あの「斧」に注目!)

元ネタ④:伝説のカルト映画&おなじみのエイリアンも!


キリがないので、ここからはどんどんいこう。

マイクの部屋の壁にはジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』(82年)のポスターが貼られていて、のちのエピソードにも“再登場”する。超能力者を集めた研究施設という設定は、デヴィッド・クローネンバーグ監督の出世作『スキャナーズ』(81年)っぽいし、その研究施設での“実験”の描写は『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』っぽいし、マイクのお姉ちゃんの親友、バーブの眼鏡&ヘアスタイルは、どこからどう見ても『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』(86年)である。

さらにシーズン1の最終話には、リドリー・スコット監督の『エイリアン』(79年)&ジェームズ・キャメロン監督の『エイリアン2』(86年)への「さすがに似すぎじゃね?」的なオマージュもーーどれも80年代の映画史を代表する名作ばかりなので、オリジナルを知らない人は、これを機に、一度は観てみることをおススメします。

※ちなみに、どこをどう「オマージュっている」のか、もっとわかりやすく知りたい!という人向けには、こちらの「検証ビデオ」もおススメ。シーズン1の該当シーンとその元ネタを、隣同士に配置した「スーパーカット編集」で対比しているので、一目瞭然でわかる。ただし、若干のネタバレも含まれるので、最低でもシーズン1を観終わっていない人は、くれぐれもご注意を。

References to 70-80's movies in Stranger Things from Ulysse Thevenon on Vimeo.


元ネタ⑤:エレクトロなスコア音楽


タンジェリン・ドリーム、ヴァンゲリス、ゴブリン、ジョルジオ・モルダー、そして(自らの監督作で音楽もマルチに手がけた)ジョン・カーペンター……70年代後半~80年代のSF/ホラー映画では、当時の音楽シーンで大流行していたシンセサイザー・サウンドを主体とした「電子音楽」風のサントラが定番だった。

『ストレンジャー~』の劇中音楽も、もちろん「80s電子魂」全開! 全編に散りばめられたエレクトロなスコア音楽は、時におどろおどろしく、時にロマンティックに物語を彩り、まるで「もうひとりの主人公」」のようだ。

ちなみに作曲を担当するカイル・ディクソン&マイケル・スタインのコンビは、テキサス州オースティン出身のエレクトロ・バンド「S U R V I V E」のメンバーとしても絶賛活躍中。ドラマの音楽にハマった人は、そちらのチェックもお忘れなく。

S U R V I V E - Wardenclyffe

元ネタ⑥:コンバット・ロック!


シーズン1には、ウィルが謎のモンスターに連れ去られてしまう前に、お兄ちゃんのジョナサンから手作りの「ミックステープ」をプレゼントされる素敵なシーンがあるーーそう、スマホはおろか、CDさえも存在しなかった1980年代、世界中のキッズはカセットテープにお気に入りの曲をダビングしては、仲間同士で交換し合って音楽を楽しんでいたんだ。

このミックステープ、選曲がなにげに『rockin'on』っぽくて、ジョイ・ディヴィジョン、デヴィッド・ボウイ、テレヴィジョン、ザ・スミスなどの曲が収録されているという設定。中でも、のちのちの物語で何度も再登場し、ウィルと現実世界のコンタクトを保ち続ける上で重要な役目も果たすのが、クラッシュの“ステイ・オア・ゴー(Should I Stay or Should I Go)”(※81年のアルバム『コンバット・ロック』収録)ーーメインの音楽はエレクトロだけど、感情的な絆の部分では、実はとってもエモいパンク魂も秘めたドラマなのだ。(内瀬戸久司)

※『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン1&2は、Netflixにて配信中。シーズン3の製作も決定済みで、公開は2018年(のどこか!)を予定。
https://www.netflix.com/jp/title/80057281

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