ジ・インターネット @ 渋谷TSUTAYA O-EASTのライブレポートが公開!

ジ・インターネット @ 渋谷TSUTAYA O-EASTのライブレポートが公開! - Photo by Masanori NarusePhoto by Masanori Naruse

昨年は紅一点のボーカル、シドが初のソロ・アルバム『フィン』をリリースするなど各メンバーのソロ活動を経て今年バンドとして再始動したジ・インターネットだが、1月25日(木)に渋谷TSUTAYA O-EASTにて行われた東京公演のライブレポートが公開された。

レポートはこちら。



日本列島が記録的な寒波に見舞われた中で行われた、ジ・インターネット3度目の来日公演。

“Gabby”からスタートしたのも意外だったが、バンドの配置が独特だった。キーボードのマット・マーシャンズ、ギターのスティーヴ・レイシー、ベースのパトリック・ペイジ・セカンドがほぼ横並び。ドラムのクリストファー・スミスこそ少し下がっていたけれど、顔がばっちり見える位置だ。そのゆるやかな線の前を、ボーカルのシドが浮遊するように動く。

今回のアジアとオセアニアを回るツアーは、個々のソロ活動を経て、バンドとしての4作目をドロップする前のタイミングで組まれたため、セットリストも『エゴ・デス』などからの曲が半分、ソロ作からの曲が半分という構成。自分の曲で前に出やすいための横並びにしていたわけだ。

3曲目でスティーヴの“Thangs” と“Ryd”を投入。弱冠19歳の天才トラックメーカーで、張り切って歌う姿が好ましい。ほかのメンバーが歌う間、シドは傍でコーラスをつけたり、にこやかに立っていたり。何かとお騒がせなオッド・フューチャー一派に属しているけれど、ジ・インターネットの面々は穏やかでクールな雰囲気だ。

ベッドルームとスタジオで作り込まれた重層的な音を、ドラムマシーンに頼らず再現できるのは、屋台骨を支えるドラムのクリスが凄腕だからだ。レゲエのダブを取り入れた曲での切り替えも見事だった。

ジ・インターネット @ 渋谷TSUTAYA O-EASTのライブレポートが公開! - Photo by  Masanori NarusePhoto by Masanori Naruse

そして、何よりも高音なのに芯があり、でも柔らかに響くシドのヴォーカルの心地よさ。ブランディ〜アリーヤの流れをくむウィスパー・ボイス唱法を完成させていて、 “Just Sayin”のコーラスで「You fxxcked up」と、かなりキツイ言葉をみんなに叫ばせても下品にならない珍しい人だ。

実は、一派に属するフランク・オーシャンがR&Bシンガーとしてほぼ初めてバイ・セクシュアルをカミングアウトしたあと、シドも続いた。ソロ作『フィン』は女性目線のまま、恋人を「ガールフレンド」と歌っている点でも歴史的な作品なのだが、それも瑣末なことだと思えるほど、シンガーとして素晴らしく、ひとりの人間としてチャーミング。センシュアルに歌い上げた“Body”が個人的にハイライトだった。今回のステージでそれぞれの魅力もよくわかった夜だった。次のアルバムが待ちきれない。
(文: 池城美菜子 Minako Ikeshiro)



今回の来日公演を記念した日本限定デジタル・ベスト・アルバム『ジ・インターネット-ジャパン・ヒッツ・コレクション』の詳細は以下。

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