映画『ファントム・スレッド』で第90回アカデミー賞の作曲賞にノミネートされ、4月に全米公開となるホアキン・フェニックス主演の『ビューティフル・デイ』でもサントラを担当しているジョニー・グリーンウッドが、「The Guardian」の企画にて映画音楽やギター、そしてレディオヘッドのメンバーなどに関するファンからの質問に答えている。
以下に、「The Guardian」に掲載された11個のQ&Aから6つを抜粋して紹介する。
Q:自分がサントラを担当したかった、という映画はありますか?
それに答えるのは難しいな。良い映画にはすでに良い音楽がついているから、その良い音楽を改良しようなんていうことは望まないね。
でもサイレント・フィルムであれば、『HAXAN 魔女』なんかは大好きだし、音楽をつけるのが楽しそうだなとは思う。もしくはピアノの音がない『ピアノ・レッスン』をやってみるとかね。分からないけど。
ただ、リン・ラムジーとポール・トーマス・アンダーソンと組むことができたのはとても光栄だったよ。
Q:レディオヘッドの中で一番強いのは誰?
みんな強いとは言えない……ただ、エド(・オブライエン)はボクシングのトレーニングをしてるよ。この前のツアーでは、セキュリティ・スタッフのリーダーとスパーリングをやってたし。だからまあ、彼はなかなかなんじゃないかな。でも僕たちの中で一番穏やかで平和的な性格してるね。
あとはフィリップ(・セルウェイ)も、誰かと喧嘩なんかすることになったらうまくやるんじゃないかと思ってるよ。そんな状況にはならないと思うけど、いじめないであげて。
その他のメンバーに関しては……まったく危険な存在ではないね。
Q:レディオヘッドの音楽を一本の映画に例えるとしたらどの映画?
やっぱりポール・トーマス・アンダーソンなんだけど、彼の『パンチドランク・ラブ』はとてもレディオヘッド的だ。
Q:最近感動して泣いた歌か曲は?
Thames Vale Youth Orchestraにいた時は(ジャン・)シベリウスの作品をよく演奏していたんだ。でも何年かの間そのことを忘れていてね。それで最近、また演奏するようになったんだよ。特に交響曲第2番と5番、7番をね。
大昔の10代のころの思い出が詰まっているから、僕にとっては感情的になる曲なんだ。
Q:一緒に仕事をする上で、2人の偉大な監督、ポール・トーマス・アンダーソンとリン・ラムジー(『ビューティフル・デイ』でサントラを担当)の違いは何?
ポール・トーマス・アンダーソンとリン・ラムジーは、実はとても似ているんだ。とても献身的だし、音楽に対して情熱的で、映画に関するオタク的な知識を持っているからね。僕もその要素を全部持っていれば、と思うよ。きっと飲み仲間として最高だよね。
それから、(質問者の「偉大な監督」という表現に対し)君がリンのことを偉大だと思ってるのは正しいよ。彼女はものすごく過小評価されている。彼女以上のイギリスの映画監督は知らないよ。それに、素晴らしい写真家でもあるんだ。
Q:レディオヘッドから自身のソロ作品に生かした要素と、逆にソロ作品からレディオヘッドの楽曲に生かした要素は何?
僕は弦楽器奏者たちとのコネクションがあるから、彼らのためにスコアを提供する機会もある。それで、最初に手掛けたスコアは『ザ・ベンズ』の“My Iron Lung”のミドル・エイト(Cメロ)に使ってるんだ。
このあとのアルバムでは、こういうスコアがもっと長めに、そして目立つように使われている。(弦楽器奏者へのスコア提供は)とても勉強になったよ。