ブライアン・メイが明かす、「同等の相互依存」で成り立つクイーンというバンドの内実とは――メンバーたちの全てを語る75年黄金期のインタビュー

『rockin'on』2019年1月号より

全米では音楽伝記映画のカテゴリーにおいて歴代興行収入1位を記録、そしてここ日本でも大ヒット中の映画『ボヘミアン・ラプソディ』。

『ロッキング・オン』2019年1月号では、社会現象と化している映画の中でも重要な時期として描かれる、アルバム『オペラ座の夜』を発表した1975年に行われたブライアン・メイのインタビュー記事を掲載している。

インタビューでは、自身が書いた楽曲について、また作曲におけるインスピレーションなどについて語っているメイ

その中でも、クイーンの独特なライブ演出について、メイは以下のように答えている。

今の僕らはバンドとしてよりビッグになっているわけで、プレゼンテーションの部分により多くの投資が可能なんだ。僕らがショウの中で重視するのはダイナミクス(メリハリ)なんだ。それがあるからこそ、ファンのための完璧な一夜をお届けできるわけでね。

魅惑的な演出が音楽を損なうなんてことはあり得ないよ。僕らは音楽に対する意識が並外れて高いからね、そんな事態は絶対起こさせない。どうあれ一番最初、最優先に来るのは音楽であって、もしある特定の効果とか特定の照明を付け加えるとしても、それはあくまで音楽を強調する上で、ある種の気分や雰囲気を伝えるために、限定的なスポットでやるだけだよ。


また、フレディ・マーキュリーの勝手気ままな性格をどう思っているのか、と問われたメイは、「その話なら何時間でもできる」と口にし、以下のように続けた。

フレディは生まれながらの看板役者だよ。彼自身、そういう風に利用されることは願ったり叶ったりなんだ。

彼は自分に一番よく似合うものを誰よりも熟知してるんだよ。自分が何を欲しているかを明確に理解しているし、それをどうやって手に入れるかも分かっている。バンドが今いるポジションまで到達することができた最大の理由のひとつは、間違いなく彼というドライビング・フォースがあったからだ。

彼の打ち出しは確かに派手だけど、それを支えるだけの中身も伴っていることを彼自身よく分かってる。自分でそこまで自信がない分野では、彼は決してこれ見よがしな態度はとらないよ。あることに対して、自分にはまだ知らない部分が多いと思っている場合は、そこからさっと離れて一切関わらないようにするか、あるいは征服するかのどちらかだ。

彼の辞書に中途半端はないんだよ。彼のことを傲岸不遜だと思ってる人もいるだろうけど、実際のところ、彼が不遜な態度をとるのは、それが許されると分かっている時だけなんだよ。


そしてインタビューの最後には、メイは自分も含めた4人のクイーンについ以下のように語っている。

クイーンのメンバーひとりひとりが果たしている役割を軽視するのは大きな間違いだよ。このバンドは全員の持つ力が絶妙な形で組み合わされることで成り立っているのであって、誰ひとり欠けてもやってはいけないんだ。もし誰かがいなくなれば、全てが消えてしまうだろうね。


同インタビュー以外にも、公開後に改めてそのヒットの秘密を解き明かす、映画『ボヘミアン・ラプソディ』のレビューも掲載している。

フレディをクイーンに迎え入れ、今なおクイーンを背負い続けるブライアン・メイの貴重なインタビューの全容は、ぜひ『ロッキング・オン』1月号にて確認してもらいたい。



クイーンの特集記事は現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。
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『rockin'on』2019年1月号