プリンスが、当時プリンスと名乗らずシンボル・マーク(通称「ラヴ・シンボル」)のクレジットで発表した最後のオリジナル・アルバム、さらに1999年に開催されたスペシャル・ライブの模様を収録した映像作品などをまとめた『レイヴ完全盤』が4月26日に発売される。
『ロッキング・オン』5月号では、1999年、シンボルマーク時代から再び飛躍を遂げる2000年代へ向かう時期に行われた、プリンスへのインタビュー記事を掲載している。
同インタビューでプリンスは、インタビュアーのBarney Hoskynsがプリンスの初代マネージャーのオーウェン・ハズニー、さらにペイズリー・パーク・スタジオでエンジニアとして働いていたスーザン・ロジャースなどを取材して書いた『MOJO』の長編記事に対して、「スーザン・ロジャースが僕をわかっていると思うか?」などとその内容について問いただしてきたという。
彼女が少しでも僕の音楽をわかると思うか? (中略)はっきり言わせてもらう。スーザン・ロジャースは僕の音楽を全くわかっていない。一つもわかっていない。
(中略)僕の音楽がいささかなりともわかっている人間はただ一人……僕だけだ。
また、インタビューの中でプリンスは、今のヒップホップは好きか、と問われると以下のように答えている。
僕はポジティブさが好きだ。真実が好きだ。質を落とすのではなく、豊かにしてくれるブラザーたちが好きだ。雌犬だの銃撃だのについての音楽なんて、どうして聴く気になる?
そんなのは結局、誰かの考える〝雌犬〞でしかない。イヴ(『レイヴ・アン2〜』にゲスト参加しているラッパー)はいつものグルーヴから僕に合わせてアップテンポに変えている。そのことが僕について何かを語っているし、彼女について何かを語っている。それを受け入れるレコード業界についての何かを語ってもいる。そしてそう、僕たち全員、自分が過去に歌ったものについて責任を取らなければいけないんだよ。僕は変化することで責任を取っている。
その他、ノー・ダウト、シェリル・クロウらとのコラボについてや、インタビュアー、ひいては当時の音楽業界について述べた辛辣な考えなど、まさにこの時代のプリンスが放っていた空気感が記事には閉じ込められている。
どんな時代でも、常にオリジナルな存在であったプリンス。彼がその名を再び掲げる前の貴重なインタビューの全容は、ぜひ『ロッキング・オン』5月号を確認してほしい。
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