星野源の音楽はこれから世界のスタンダードに羽ばたく、その新章について

星野源の音楽はこれから世界のスタンダードに羽ばたく、その新章について
星野源の新章の幕開けを感じさせるニュースが続々と飛び込んできた。8月30日、星野源はインスタグラムアカウントを開設し、自身のコメントを写真とともに発信するようになった。初めてのコメントは「今日から色んなことを始めます。僕の好きな人達や、まだ会ったことのない誰かと、出会い、そして繋がり、楽しむために」と書かれていて、その言葉に心が躍った人も少なくなかったはずだ。開設からわずか2時間でフォロワーが7万人を超え(現在はもう桁数が違うほどの数になったが)、その注目度の高さを目の当たりにした。そしてこの言葉は、まさに星野源の新たなスタートを告げるものだったのだ。

何より大きな話題となったのが、星野源の全楽曲「サブスク解禁」のニュースだった。Apple Music、Spotify、YouTube Music、Amazon Music 、LINE MUSICなど、主要音楽ストリーミングサービスに対応して、これまで以上にカジュアルに星野源の新旧作品を聴くことができるというわけだ。さらにこのサブスク解禁のニュースとともに、もうひとつ、星野源の新たなシーズンの幕開けを感じさせるビッグニュースが飛び込んできた。それは、ついにワールドツアーを実施するというもの。そのツアーは、最新アルバム『POP VIRUS』をタイトルに掲げたものとなるということ。いよいよ、星野源が生み出したポップのウイルスが、国境を超えて本格的に拡散していくことになるのだ。

サブスク解禁はまさにそのための布石であり、とても重要な第一歩となる。星野の生み出す音楽の魅力を世界中に拡散させるためには、ストリーミング配信という手段を選ばない手はないし、星野源の楽曲が持つポップネス、特にアルバム『POP VIRUS』で築き上げたメロディの普遍性とビート&サウンドの時代性(しかも世界標準の)は、もはや日本だけに押しとどめておくのはもったいないというか、変な言い方だけれど、その楽曲たちが早く、もっと、外へと拡散したがっているような、そんな感覚を先の五大ドームツアーなどを体感するにつけ、いちリスナーとして感じていたのだった。だからワールドツアーと、そしてこのサブスク解禁のニュースはとても嬉しかった。

そもそも、星野源は世界で同時期に聴かれる「ポップミュージック」の在り方を音楽活動を始めた当初から意識していたはずだ。おそらくシングル『SUN』リリース前後には、その思いはより強くなり、日本のポップ、世界標準の時代を映すビート、そして様々に受け継がれてきたルーツミュージック――それらを飲み込みながら、オリジナルな発想で新しいポップを生み出していく過程で完成させたのが、アルバム『YELLOW DANCER』であった。そう、星野の作り上げる音楽は、ジャンルだとか国の「壁」、「境界」を超えることに、早くから自発的だったということだ。アルバム『POP VIRUS』に感じたのは、その「境界」を、その音楽自らが壊していくような、穏やかな破壊力でもあった。

今回のワールドツアーは、11月23日(土)の上海を皮切りに、ニューヨーク、横浜、台北と、4都市5公演の予定が組まれている。この「ワールドツアー」の中に「横浜」が組み込まれているあたりにも、星野の現在の「音楽の在り方」への思いを感じ取らずにはいられない――と言ったら大げさかもしれないが、ワールドツアーとは、「日本」と「それ以外の国」とを分けて考えるものではなく、日本も上海もニューヨークも台湾も、同じく「世界」であり、同じ時代を生き、同じくポップミュージックを愛する人たちが音楽を楽しむために行われるのだということ。もちろん、東京で生活し、そこで音楽を紡ぐミュージシャンのアイデンティティが楽曲に反映されていて、それこそが星野源のポップミュージックを形成する核のひとつであることは間違いないとして。

星野源のアーティストとしての存在感(つまり、彼に内在するポップのウイルス)は、この一連のトピックにより、日本国内でもさらに拡散していくことだろう。彼の過去曲に改めて触れることによって、このウイルスがどのような進化を経て、現在のような威力を持つに至ったのかを、改めて知る人も増えると思う。そして間違いなく、それは海外でも広がって、もしかしたら、私たち日本のリスナーとはまた違った部分で、楽曲の魅力が語られることになるのかもしれない。ワールドツアーの成果も含め、この星野源の新章を、興味深く見つめていきたいと思う。そして、その後にまた生み出される新たな音楽、その変化・進化にも期待が高まるばかりなのである。(杉浦美恵)
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