そして、人と人との出会いも、きっとそうだ。
6月9日、渋谷O-EASTでセンチミリメンタル初の主催対バンライブが開催された。
ゲストとして迎えられたのは、いま勢いのあるバンド、NELKE。
センチミリメンタルは、バンドから温詞のソロユニットへと形を変え、
NELKEは、シンガーソングライターRIRIKOの歩みの先に生まれたバンドだ。
対照的なようで、どちらも「変わること」と「続けること」を同時に引き受けながら、音楽を紡いできた。
対バンのタイトル「相対人 -あいたいひと-」は、“相対する”と書いて“会いたい人”と読む。
この言葉には、人と人が向き合うことへの、静かな願いと強い意志が込められていた。
2組の音楽には、いくつかの共通点がある。
まっすぐで、少し痛くて、それでも誰かと繋がろうとすることを恐れないところ。
そして、立ち止まり、迷いながらも、その過程で出会った人や感情が、確かに音に刻まれているところだ。
すべてが順調だったわけではないだろう。
いろんな回り道もしただろう。
でも、だからこそ出会えた景色があり、選び取れた表現がある。
そして、だからこそ──
彼らは今、こんなにも素晴らしいアーティストになったのだと思う。(古閑英揮)