正装に身を包み、荘厳なステージセットに立ったTOOBOE。
ホーン隊やストリングスも迎え、映像や特効演出が加わることで、空間全体がひとつの作品として緻密にデザインされていた。
そんな特別で、装飾されたライブだったにもかかわらず、その中に立つTOOBOE自身は、どこまでも自然体だった。一声目のMCからして肩の力が抜けていて、そのゆるさが、彼のありのままの魅力を際立たせていた。
きっちり作られたステージで、自由に暴れる音。
完璧に整えているのに、どこまでもラフ。
その矛盾が、TOOBOEというアーティストの“らしさ”なのかもしれない。
終演後の関係者挨拶では、素晴らしかったライブの感想を伝えるつもりでいたが、編集部スタッフが着ていた『龍が如く』のTシャツの話でほとんどが終わってしまった。(古閑英揮)