UVERworldが過去と決別し自由に満ちた未来へ踏み出した最新作『UNSER』とは?

UVERworldが過去と決別し自由に満ちた未来へ踏み出した最新作『UNSER』とは? - 『UNSER』通常盤『UNSER』通常盤
いよいよリリースされたUVERworldの10thアルバム『UNSER』(アンサー)。既報の通り、ドイツ語の「UNSER」(=俺たちの)と英語の「ANSWER」(=答え)に由来する「俺たちの答え」というタイトルを持つ今作は、常に自由と真実を自らの手で掴み続けてきたUVERworldのマインドをそのまま活写したような、圧巻の名盤だ。


ロックもR&Bもヒップホップも自在に越境し、バンドの生音かデジタルサウンドかという区別すら無効化する勢いで徹頭徹尾ハイブリッドかつハイパーに研ぎ澄まされた今作。前へ先へとつんのめるような性急なドライブ感によってではなく、歌と楽曲、意味とメッセージを極限まで削ぎ落とし鍛え上げることで、スタジアム超級のスケール感と訴求力を内包するに至ったUVERworldの現在地を、冒頭の“Making it Drive”から全15曲に及ぶ今作の楽曲群は如実に物語っている。

《生まれた意味なんてある訳ないじゃん ある訳ないじゃん 作るしかないじゃん》(“境界”)

UVERworldが描く自由は、常に「意味」と表裏一体で存在する。今ここに存在する自分自身の「意味」を穴が開くほど凝視し、批評し、疑い尽くした果てに、それでも残った真実だけを信じ続ける――という姿勢自体が、UVERworldの表現に「自由の強さ」を与えてきた。《すでに終わっている音楽業界?/もう終わっているロックバンド自体?》(“無意味になる夜”)というシビアな問いと《理想を具現化って愚問だ/可能性は無限だ オメェとはちげぇんだ》(“One Last Time”)といった挑発的なまでのバイタリティとが共存して乱反射し合うことで、その音楽世界はより一層の強度と深度をもって僕らの頭と心に立ち昇ってくる。

激烈EDMアレンジに「ROCK!」のフレーズを重ね合わせた、前作『TYCOON』収録の“I LOVE THE WORLD”の時点で、彼らが「ロックバンドとして新しい」という範疇をはるかに超越していたことは明らかだった。が、それこそロックの残像への決別すら感じさせる今作『UNSER』が伝えてくるのは、さらにもっと先の衝動――今この時代に前人未到の、真に唯一無二の音楽を打ち立てようとする覚悟だ。そして、見果てぬ闘いに挑む自らの姿を通して、未来を切り開く無限の希望を体現しようとしている。

《善悪よりもずっと その命何に使うか明確に/出来た者が残る》(“GOOD and EVIL”)

《テレビの中の俳優や大富豪やビッグスターなら/君を満足させれるだろう そして幸せにもするだろう/でも僕は君を想うしか無い》とTAKUYA∞(Vo・Programming)が“THE OVER”で歌ったのは、UVERworldが東京ドーム公演も成功させた後の2012年のことだった。傍目に見ればすでに十分すぎるほどに「ビッグスター」だったUVERworldはしかし、永遠に満たされることのないハングリーな情熱と音楽的探究心を燃やし続け、こうして『UNSER』で破格の新次元へと到達した、ということだ。

不確かな時代の中で、揺るぎないものをひとつひとつ探し、確かめながら邁進するUVERworld。彼らが鳴らす「不屈の自由」を、今こそ感じてほしいと思う。(高橋智樹)
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