【本人の言葉で紐解く】開催直前! UVERworldはなぜ男祭りに「夢」を見るのか?

【本人の言葉で紐解く】開催直前! UVERworldはなぜ男祭りに「夢」を見るのか?
2019年末を完全燃焼させる、目下開催中の「UVERworld UNSER TOUR」。各地でのアリーナ公演のほか、12月19日(木)・20日(金)には2010年以来となる東京ドーム公演が2DAYSで開催され、そのうち12月20日(金)は前人未到・4万5000人規模の男性限定ライブ「KING’S PARADE 2019 男祭り FINAL」となる。2年前に自ら打ち立てた男性限定ライブ動員記録(2017年2月11日さいたまスーパーアリーナ公演)を更新することになるはずの「男祭り FINAL」は、熱狂の予感に掻き立てられる一方で、公演タイトルどおり「男祭り」にひとつの節目をもたらす機会となるか、という部分についても気になる。本稿では『ROCKIN’ON JAPAN』誌面インタビューでTAKUYA∞(Vo・Programming)が残してきた発言を元に、UVERworldが「男祭り」に託してきた思いを再確認しておきたい。

●なぜ「男祭り」を始めたのか?

デビュー当時、女性ファンが99%で。デビューしてから急に黄色い声が増えて、すげえ嬉しかったんですけど。めっちゃモテてると思って。でもある時点から、年齢も国籍も性別も関係なくアウトプットしてるつもりなのに、なぜか男性には引っかかってもらえてないところに違和感を感じて。自分の気持ちを書いてるから、なんだったら本来、自分と同世代の男の人がいちばん反応するんじゃないかなと思うんですよ。でもそこに全く引っかかってなくて(中略)きっと女性たちも、UVERworldが好きって言うと、まわりの男から、あんなん全然ロックバンドじゃないよみたいに言われたこともあったと思うし。でも、自分ロックバンドですって言ってるバンドを見てても、いや、俺のほうが全然かっこいいし、もっとロックなことやってるし、音楽に対しても真剣に向き合ってるって自信があったから、すげえ悔しくて。(『ROCKIN’ON JAPAN』2019年6月号)

TAKUYA∞は、「男祭り」を開催する意図について、ステージ上からも頻繁に説明してきた。「デビューしてからの数年間、UVERworldは女性CREW(ファンの呼称)に育ててもらった」という発言もあった。しかしそこに満足して歩みを止めるのではなく、次の避けられないステップとして「男性にも認められたい」という表現者としての欲求と反骨精神が高まっていたのである。「男祭り」開催は、リスクを伴う勝負であった。安定したライブ動員を望むのならば、当然性別の制限など設けないライブの方が良いに決まっている。限りなく我が儘に近い強烈なモチベーションを抱いて、興行としてのリスクを背負い、UVERworldは男性たちに挑戦状を突きつけたのだった。

●UVERworldが抱く「男祭り」への憧れとは?

男祭り——やっぱりあれができてこそかっこいいロックバンドやと僕は思っちゃうんすよ。今回7回目で。初めてやった時は300人のキャパのライヴハウスでやったんす。で、2年半前、ZEPP大阪で2500人のキャパの箱に500枚チケット余らせちゃったんですよ、僕ら。2000人しか入らなかったんですよ。でもこの2年半で2000人が1万2000に化けるっていうのは僕らの夢、いや、バンドマンの夢でいいと思うんですよ。東京ドームで本気で僕やりたいと思ってるんすよ。(『ROCKIN’ON JAPAN』2015年3月号)

このインタビューで振り返っているのは、2011年に故郷である滋賀のライブハウス・B-FLATでファンクラブ会員の女性限定ライブと男性限定ライブを行った、その翌年2012年に開催した「男祭り」についての話題だ。理想は現実に追いつくことなく、彼らは苦渋を味わうことになる。しかし、そこで凄いのは「男祭り」を諦めなかったことだ。さらに駆り立てられた反骨精神は作品やパフォーマンスをより研ぎ澄ませ、次第に「男祭り」の規模を拡大させていった。「東京ドームで男祭りをやりたい」という思いはステージ上で語られ、バンド内だけでなくCREWと共有する夢となった。

●なぜ2019年12月20日東京ドームでの男祭りが「ファイナル」なのか?

ここ(東京ドーム)で僕は終わっていいと思ってるんですね。タイトルにファイナルってつけてるんですけど。もうやっと、僕が感じてた、ナメられてるというか、ごめんね女子たちっていう呪いからも解放される気がしてて。自分たちの理想にとどめを刺せるなと思ってますね。だからこっから先、野外で10万人集めてとか、そういう夢も持つ気ないし、しっかりと東京ドームでひとつやりきって、解放されたいですね。(中略)僕が強く言っておきたいのは、男性を増やしたかったんじゃなくて、イーブンにしたかったっていう。ここでやっとイーブンになれる気がするんですよね。これでフラットになりますね、気持ちが。(『ROCKIN’ON JAPAN』2019年6月号)

先にも書いたように、「男祭り」とは我が儘だ。「男祭り」の熱狂が大きくなればなるほど女性CREWは忍耐を強いられてきたし、そもそも性の価値観が多様化している今日、性別で限定するライブというのも時代にそぐわない。TAKUYA∞はそのことをよく理解しているからこそ、男祭りにかけるただならぬ思いを「呪い」と呼んでいる。「女性に育てられたUVERworld」は「男性とも対等に向き合い、熱く語らうUVERworld」となり、そして次のステップに踏み出そうとしている。

その「次のステップ」が見え始めていたのが、2017年12月21日の横浜アリーナにおけるTAKUYA∞生誕祭「男祭りVS女祭り」であった。男性と女性がきっちりイーブンになり、異様な楽しさが立ち込める空間。あれからちょうど2年後となる今年のTAKUYA∞生誕祭も横浜アリーナでの「男祭りVS女祭り」だ。東京ドーム「男祭り FINAL」の翌日である。男同士には、女子の前では恥ずかしくてできない熱い対話が確かにある。「男祭り」の我が儘で特別な熱狂は、その男の子じみたメンタリティに根ざしていた。しかし、そろそろそんな夜を越えて「次の朝」を迎えてもいい頃だ。「男祭り FINAL」には、そんな心持ちで臨むべきなのかもしれない。(小池宏和)
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