KANA-BOONが5年の旅路を経て“ハグルマ”と“まっさら”で示したバンドの未来について

KANA-BOONが5年の旅路を経て“ハグルマ”と“まっさら”で示したバンドの未来について
来る2020年3月4日(水)に自身初となるベストアルバム『KANA-BOON THE BEST』をリリースすることを発表したKANA-BOON。シングル表題曲や代表曲群に新録曲&新曲までコンパイルした同ベスト盤の全30曲の中で、最新シングルの2曲=“ハグルマ”と“まっさら”が、2019年も終わろうとする今もなお、いや今こそバンドの揺るぎない前進のメッセージとして改めて胸に迫ってくる。

《幕開けさ 舞って踊るさ/誰しも最期には涙流す/だからいまは堪え 進む/幕が降りる その時まで/まだ絶えず 歯車が回る》(“ハグルマ”)

ご存知の通り、今年11月にはインディーズ時代から活動を共にしてきた飯田祐馬(B)が脱退。『ハグルマ』、『まっさら』の2作品は飯田の脱退前に制作されたものであり、その表題曲は当然ながらバンドを待ち受ける重大局面の存在は想定していないはずの楽曲である。

しかし――この日常を生きることそのものを「誰もが避けることのできない、今ここにある闘い」として真っ向から描き切ったハードエッジなナンバー“ハグルマ”も、ソリッドで爽快なバンドサウンドに乗せて《街の角 消えそうな声で鳴いている僕らよ/最低な夜から這って抜けるように/千切れた痛みとともにゆけよ》と歌われる“まっさら”も、谷口鮪(Vo・G)・古賀隼斗(G・Cho)・小泉貴裕(Dr)の3人でさらなる「その先」を目指すKANA-BOONの渾身のファイトソングであるかのように響いてくる。

《だんだん遠くなってく/君を追いかけていく/まっさらな想いを伝えに/ひた走っていく/現在 過去 未来/君と繋いでいたいよ/感情を 心の奥を》(“まっさら”)

メジャーデビュー以降のKANA-BOONの軌跡はそのまま、「バンドとして夢を叶える姿が、聴く人にとっての夢と希望になっていく」というサイクルを(ある種の狂騒感とともに)体現するものだった。そんな季節を経て、地に足をつけたクリアな視界の中でKANA-BOONは、リスナー/オーディエンス一人ひとりとよりタフでリアルな「繋がり」を築きながら、ロックとポップの理想をひたむきに追い続けている。
いずれも《過去》、《現在》、《未来》という言葉を歌詞に含む“ハグルマ”、“まっさら”の2曲が指し示すのは、KANA-BOONが辿ってきた道程と現在地と「これから」の正しさと確信そのものだ。どんな困難に向き合っても自分たちは歩みを止めない、というKANA-BOONの基本姿勢の結晶でもあるこの2曲が、今の彼ら自身への何よりのエールとなって、バンドをさらに前へ先へと突き動かしていくことだろう。

来年4月からは初のホールツアーの開催も決定しているKANA-BOON。2020年、彼らが作り出す新たな音楽の風景を、胸躍らせつつ心待ちにしている。(高橋智樹)


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