“I LOVE...”が教えてくれる。私たちはOfficial髭男dismのラブソングの本当の濃さと深さと大きさを知らなかった

  • “I LOVE...”が教えてくれる。私たちはOfficial髭男dismのラブソングの本当の濃さと深さと大きさを知らなかった - 『I LOVE...』

    『I LOVE...』

  • “I LOVE...”が教えてくれる。私たちはOfficial髭男dismのラブソングの本当の濃さと深さと大きさを知らなかった
  • “I LOVE...”が教えてくれる。私たちはOfficial髭男dismのラブソングの本当の濃さと深さと大きさを知らなかった - 『I LOVE...』
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Official髭男dismが2月12日(水)にシングルリリースする最新楽曲“I LOVE...”。同曲は現在放送中のTBS系火曜ドラマ『恋はつづくよどこまでも』の主題歌として書き下ろされ、すでに配信がスタートしている。


髭男のラブソングには、一般的なラブソングのフォーマットから外れた特徴がある。そのひとつが「無理に分かち合わせようとしない」という特徴だ。例えば“犬かキャットかで死ぬまで喧嘩しよう!”で歌われていることや、“たかがアイラブユー”の《だから手をつないで喧嘩をしよう最高の妥協点で会おう》というフレーズがわかりやすい。いくら大切に思える相手でも価値観の違いや衝突は起こるが、むしろそのままが良いと肯定する。この特徴は新曲“I LOVE...”にも前提として含まれていて、藤原聡(Vo・Pf)は違いを肯定したその先に見えるものを《イレギュラー》と表現している。自分の人生に思いがけず《イレギュラー》な変化をもたらす存在を受け入れた時、今まで見たことのない世界が広がっていく奇跡。ラブソングにおいてふたりの間にある相違を「切なさ」ではなく、あえて「光」として描くのは髭男ならではの斬新さだと感じる。


そんな同曲のテーマは、広義の「愛」。先日公開されたMVの中にも映し出されているように、この曲の「LOVE」は恋人同士に限らず、友人、家族、ペット、同僚もあり得るし、性別などの対象を問わない。こういったテーマが掲げられたのは、髭男の今の環境やバンドの変化も大いに関係しているだろう。同曲はレコーディングにじっくり時間をかけて制作されたそうだが、凝ったアレンジが詰め込まれたどこまでも自由なサウンドと黄金のように輝くグッドメロディは、彼らがますます枠にとらわれず純粋に音楽を楽しんでいる証に思える。髭男の音楽探求の旅を支えているエンジニアやクリエイティブチーム、そして彼らの音楽を愛するファンの存在は、髭男の音楽をさらに遠くまで轟かせ、メンバーに《イレギュラー》な世界を見せた存在とも言えよう。《独りじゃ何ひとつ気付けなかっただろう こんなに大切な光に》は、きっと藤原の想いそのものだ。

人間同士が関わりあう限り、誰の前にも《イレギュラー》を起こす存在は現れる。だから“I LOVE...”は多くの人の人生を映し出すラブソングであると同時に、愛が何も特別なことばかりではなく、日常にありふれていると気づかせてくれる。加えて、曲の中で登場人物の関係性を具体的に断定しないという良い意味での「抽象性」が、万人の心に引っかかるフックになった。これは“Pretender”にも同じことが言えて、聴いた人の数だけ“I LOVE...”がテーマソングになる愛の物語がある。つまりタイトルが“I LOVE...”で止まっているのは、その続きの「YOU」が聴く人によって変わるからだろう。歌の中であえて全てを完結させず、最後のピースは聴き手に委ねるという寄り添い方が、髭男が示す新しいラブソングの形なのだ。(渡邉満理奈)
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