現在発売中のロッキング・オン8月号では、スリープ・トークンの記事を掲載しています。
以下、本記事の冒頭部分より。
文=粉川しの
スリープ・トークン(以下ST)か、それ以外か——25年のロック状況は、この覆面メタルコレクティブのもたらしたインパクトによって、まさに激震の様相を呈している。メタルの異端児か、ロックの救世主か、はたまたジャンルのトリックスターか、彼らの評価はリスナーの立ち位置によって様々だろうが、ひとつ確かなのは今、STほど濃く狭いコアファンと、薄く広いマスファンの両方から、絶大な支持を集めるロックバンドは他に存在しないということだ。
そのインパクトは数々の記録が証明している。5月にリリースされた最新アルバム『イーヴン・イン・アーケイディア』は、ビルボードチャートで1位を獲得。今やロックアルバムがアメリカで1位になること自体が異例だが、1週間で12万7000ユニットを売った同作は、過去1年で最も売れたロックアルバムとなった。特筆すべきは同作のセールス比率で、フィジカルの売り上げとストリーミングの売り上げがほぼ半々というバランスは、フィジカルに極端に寄ったロックバンドの平均から大きく外れたものだ。
本作はハードロックアルバムとして史上最多の週間ストリーミング数を叩き出し、同時に91年以降のヴァイナル売り上げでも新記録を樹立したのだから、つくづく死角がない。アルバムから10曲もビルボード100にチャートインした(最高位は“キャラメル”の34位)のも、ロックバンドとしては前代未聞だろう。濃く狭いコアファン(ヴァイナル購買層)と、薄く広いマスファン(ストリーミング&シングル層)の合体によって、STは、今年最大のロックの事件になろうとしている。(以下、本誌記事へ続く)
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